冬~初春に空前の大ブームとして定着してきた青森県下北のサクラマスジギング。寒さ厳しい冬の下北に多くのアングラーが通う理由も、高いゲーム性、そして食味の良さからではないでしょうか? 本稿では来るシーズンにデビューをお考えの方にも知ってもらいたく、その概要を紹介したいと思います。
サクラマスジギングのフィールドは青森県下北半島尻屋沖~大畑、易国間沖などです。太平洋側では尻労沖~泊沖、白糠沖など年々フィールド開拓も進み拡大しています。メインとなる尻屋沖のフィールドは水深100m前後のポイントが多く、サクラマスの群れが居そうな場所に合わせて、時には100m以上の場所や、40m程の浅場に行くケースもあります。
シーズンは遡上のためショアラインに接岸してくるサクラマスを狙い、例年2月中旬頃からスタートし、4月一杯を目安に狙うことができます。
本稿では青森のサクラマスジギングにフォーカスしていますが、岩手県三陸エリアでも3月からシーズンがスタートします。ですが、ここ数年は海水温の影響かかなりの不振にあえいでおり、復活を期待しています。
タックルはスロー系
メタルジグはショート~セミロングタイプが多様されている
次にタックルの紹介。マスジギングタックルの特徴として、ややスローピッチのジャークで誘うことと、強烈なサクラマスの突っ込みなどの抵抗を吸収しいなせるように軟らかく弾力のあるブランクスを備えたスロージギング系ロッドがマッチします。また、近年ではサクラマス専用モデルも出ています。
リールはベイトリールのPE1~1.5号を200~300m巻けるものであれば問題ありません。ポイントの水深は時期により異なりますが、シーズン前半は水深100m前後、シーズン後半は50m前後となることが多いので、トラブルなども考慮して最低200m巻けるリールが望ましいです。またサクラマスは中層~上のレンジを狙うので、タナを把握するためにカウンター付きのリールがベストです。そうでない場合はマーキングラインを使用することで対応できます。
ラインは前述したようにPE1~1.5号。ショックリーダーは通常は20Lb程度のリーダーを2~3ヒロ(1ヒロ=約1.5m)あれば大丈夫です。フロロカーボンリーダーは伸びが少なく感度の良い釣りができ、ナイロンリーダーは適度な伸びがあり衝撃的なヒットからショックを和らげてくれるメリットがあります。好みに合わせて選択しましょう。
使用ジグは、これも専用もモデルも出ていますが、基本はショート~セミロングタイプで、ロング系のジャークで早く横飛びさせて…というよりは、フォールやスライドで見せて食わせるイメージです。ウエイトは80~180g前後を用意しておけば様々な状況に対応できるはずです。マスジギングではメタルジグの前後にシングルアシストフックを2本ずつセットします。フックサイズ1~3/0、でアシストラインの長さは2~3cm位が目安。
釣り方の基本
ヒットすればトルクフルで
スリリングなファイトを楽しませてくれる
船長の合図の後にジグを投入。基本的にサクラマスを狙う場合は、ボトムは取らずに船長から指示のある中層から上のレンジを狙います。アタリがないとついついボトムまで落として根魚でも…となってしまいがちですが、指示ダナは必ず守るようにしましょう。
狙っているレンジにジグ到達したらシャクリ(ジャーク)を開始します。基本はゆっくりとしたスロー気味のワンピッチジャークですが、最初のアタリがあるまでは、ジャークの速さ、ピッチを変えてヒットパターンを探っていきます。というのも、日毎に状況毎にパターンが変化するからです。
サクラマスは群れで行動しているため、船中で1人がヒットすれば、バタバタと連鎖することも多々あります。そのためにもヒットした時の水深やジャークパターンなどを共有できれば皆で楽しむことができます。
ヒット後、猛ダッシュで走ったかと思えば急浮上し、時にはジャンプしたり、ローリング、体をくねらせ逃げようとします。とにかく引いたり緩んだりラインテンションの変化が大きいので、硬く反発が強過ぎるロッドだと暴れてしまいます。ロッドが大きく弧を描き曲げたやり取りは楽しいのですが、やり過ぎるとまたまた暴れてバレに繋がります。ロッドは立て過ぎず、しっかりと魚とのテンションを感じながらやり取りするといいでしょう。走っている時は無理に止めずに走らせ、止まったらゆっくりと一定のスピードでポンピングせずに巻くのがベスト。
リールのドラグ設定も慎重にしましょう。基本はシャクリの際、若干ドラグが出る設定にしますが、良型がヒットした場合ドラグが止まらない時もあります。ドラグを強めようか悩む場面ですが、あまり強くすると身切れでバラすことが多くなるので、ファイト中に強くするのはオススメできません。初期設定よりやや強くするなど柔軟に対応しましょう。