魚の王様とも呼ばれるマダイ。船釣りの代表格といってもいいほど全国的に人気で、釣り方も多岐にわたります。その中でも現在、人気を集めるのは、タイラバ、タイジギングといったルアーゲーム。ルアー要素の強い一つテンヤです。本稿ではこの3つの釣り方にスポットを当て、東北のマダイ釣りを紹介したいと思います。
東北のマダイ釣り事情
東北のマダイといえば、ほぼ全県で狙うことができます。青森は陸奥湾内を始め、津軽、平舘海峡、日本海。そして日本海側の秋田、山形の全域。これまで数が少なかった宮城県、福島県では今では当たり前に釣れるようになり、これまで釣れていなかった岩手県では専門遊漁としてはまだ難しいですが、ジギングでヒットしたり、漁港ではチャリコ(マダイの幼魚)の姿も多数あるなどこれからが楽しみなフィールドです。
シーズンは春の乗っ込みから始まり、早いと2月には釣果が出るエリアもあります。そして晩秋までとロングシーズン楽しめるのも嬉しいところ。近年では福島などでは水温の関係か年明けまで楽しめることもあります。
マダイはヒットしたら何度もグイグイと引き込む特有の三段引きと呼ばれる力強いファイトが魅力。その一方で食としても様々な料理で楽しまれています。
タイラバとは?
ヘッド、ネクタイ、スカート、
フックで構成される「鯛カブラ」
ヘッド形状も各メーカー様々
今や老若男女、広く知れ渡っているタイラバですが、今一度おさらいを。
タイラバはヘッド(オモリ)とスカート、ネクタイといったラバー製のアピールパーツ、フックで構成された「カブラ」と呼ばれるルアーを使った釣法で、元々は漁具から派生したルアーです。底に落として巻くだけと簡単な釣り方である一方で、奥も深い釣り方なので、老若男女様々な釣り人に人気です。また、マダイに限らず根魚や青物など様々なゲストフィッシュにも恵まれ、五目釣り要素もあります。
タックルの選び方
基本はバーチカルの釣りなので
ベイトタックルが扱いやすい
タイラバはベイトタックルがメインになります。ティップが軟らかく、食い込みを阻害しない軟らかいティップを備えた長さ2m前後のタイラバ専用ロッドがベスト。使用するタイラバのウエイト範囲内でパワークラスを選びましょう。
リールは小型のベイト(両軸)をしますが、水深が表示されるカウンター機能付きであれば、どこでヒットしたかの把握できるのでベスト。ラインはPE0.6~1号クラスで、ショックリーダーにフロロカーボン2~4号を1~3ヒロ(1ヒロ=約1.5m)取って結束します。
タイラバはフィールドや水深、潮流などを加味して60~200gをチョイス。タイラバひとつとっても形状、カラー各メーカーが趣向を凝らした様々なタイプの物が出ているので、まずは見た目で気に入った物を選ぶと良いでしょう。
釣り方の基本
東北でも沢山のエリアで
マダイ釣りを楽しめる
始めにタイラバを落とし底を取ったらすぐに糸フケを取って巻き始めます。そのため着底感が分かるウエイト選択がキモ。着底が分からずラインをどんどん送ると根掛かりの原因になります。タイラバの基本は等速のただ巻きです。任意のレンジや指示ダナ+10m程上げたら再度フォールさせ、これの繰り返しで狙っていきます。マダイが食ってくる巻き上げスピードも日によって様々です。どのスピードが一番アタるか探りながら釣りをしましょう。
ドテラやパラシュートアンカーを使って船を流す場合は、何回か上げ下げを繰り返していくうちに、どんどんラインが出ていき斜めになります。多少斜めになる分にはヒットレンジを長くトレースできる点でメリットですが、ラインが出過ぎると感度も悪くなる上に根掛かりのリスクも増えます。数セット上げ下げを繰り返してラインが寝るようなら回収して入れ直すかヘッドのウエイトアップで調整しましょう。
タイラバは向こうアワセが基本。マダイが食い付けば、始めにコツコツ(ラバーを齧っているような)としたアタリがありますが、ここではアワせずティップにしっかりと魚の重みが乗った状態からスイープにロッドを立ててフッキングします。フッキングが決まればマダイ特有の3段引きを楽しみながら慎重にファイトしましょう。