最新版・東北釣り物ガイド【シーバス編】

シーバス(マルスズキ)は、いまや説明不要のSW人気ターゲット。サーフ、磯、港湾、さらに淡水の河川までと幅広いフィールドに棲息し、また大きいものでは1mを超す個体もおり、気軽に身近に遊べるビッグターゲットと言えます。本稿ではシーバスフィッシングの概要を紹介します。

人気ルアーゲームの代表格

出生魚として知られるシーバスは、一般的に40cmまでをセイゴ、40~60cmをフッコ、それ以上をスズキと予備ますが、ルアーフィッシングではサイズを問わずシーバスと呼ばれ親しまれています。さらに80cmを超す大物はランカークラスと呼ばれ、釣り人の憧れや目標とされています。

東北・新潟ではほぼ全域に棲息し、冒頭のとおりサーフ、磯、港湾、さらに淡水の河川までと幅広いフィールドで楽しむことができます。シーズンはおおよそ3~12月で、釣りやすいハイシーズンは秋とされ、食の旬は夏。地域によっては通年狙える場所もあります。

この釣りの魅力はなんといっても力強いシーバスとの駆け引き。水面を割る激しいエラ洗いはとてもエキサイティングです。また、ベイトフィッシュパターンに当てはめてルアー選択をし釣り上げるゲーム性も醍醐味。シーバスは食でも楽しむことができ、上質な白身は洗いやムニエル、塩焼きなど様々な料理との愛称も良いです。

身近なフィールドで楽しめるシーバスゲーム。
写真は東北エリアにも足繁く通うオヌマンこと小沼正弥さん

タックル

次に一般的な道具立てを紹介。ロッドは長さ8~10ftのルアーキャスティングロッド。L(ライト)~H(ヘビー)まで様々なアクション、調子がありますが、オールマイティーに使える1本を選ぶなら9ft6inのML(ミディアムライト)クラスが扱いやすいでしょう。リースは3000~4000番のスピニング。ミチ糸はPEライン0.8~1.5号。ショックリーダーとしてナイロンまたはフロロカーボンラインの4~6号を75cm~1.5m程取って結束します。ルアーを手早く交換するためにラインとの接続にはスナップを介します。

他に必要なアイテムは、ゲームベスト(救命胴衣)、足元は場所によってスパイクブーツやウェーダーを選択。ランディングツールとして、ネット(タモ網)、フィッシュグリップ、他、プライヤー、ハサミといったツールです。

様々なルアーの種類

様々な種類のルアーを駆使し、
最適解を探っていく

次にシーバスフィッシングで使う主なルアーを紹介します。

【ミノー】
 数あるルアーの種類の中でもメインになるのがミノープラグ。シーバスのメインベイトとなる小魚を模していて、フローティング(浮く)、シンキング(沈む)、サスペンド(定位)のタイプがあります。さらにリップの角度などによって表層を引いてこれるもの、中層、深く潜るものなどレンジ(泳層)別のタイプ、泳ぎの系統(ウォブリング系、ロール系など)など実に様々。まずはフローティングを中心に各種揃えておこう。使い方はただ巻きが基本。その中でジャークやストップ&ゴーなど織り交ぜてみるのも面白い。

【バイブレーション】
70mm前後の扁平ボディーのこのルアーは、巻くとブルブルと細かいピッチで振動するのが特徴で、小魚を模すというよりは、波動でアピールしリアクションで食わせるイメージのルアーです。金属を素材としたメタルバイブなど飛距離が出るものも多く、デイゲームでの出番も多いです。中~高速のただ巻きアクションを基本とし、ワンピッチジャークやストップ&ゴーなど食わせの間を演出するのも効果的。

【シンキングペンシル】
細身のこのルアーは、リップがないミノーのような形状をしており、放っておくと沈みますが、流れを受けると浮上し表層付近を泳がせることができます。ただ巻きや流れに乗せるドリフトなどでゆっくりと弱った小魚を演出することで、プレッシャーの掛かったシーバスにも効果的。
ミノー、バイブレーション、シンキングペンシルの3種類のルアーがあれば大体のシチュエーションで事足ります。他に全長200mmを超すビッグベイトと呼ばれるプラグや、ソフトルアーのジグヘッドリグ、またメタジグなども使われています。

ベイトフィッシュを考えたルアー選択

サーフに打上げられたカタクチイワシ。
定番のベイトフィッシュだ

基本的な釣りの考え方として、まずはフィールドに居るシーバスがエサとするベイトフィッシュに似せたルアーを選択します。例えば10cmのカタクチイワシが多い場合は10cmのミノー。コノシロやハタハタなどの大型のベイトの場合は16cmクラスのルアー。サヨリのような細いベイトには細身のシンペン…といったように。

そこで食わないようであれば、バイブレーションのようなキビキビとした動きでリアクション的に食わせるのか、またはシンキングペンシルでゆっくりとルアーを見せてアピールするのか…。カラーチェンジを試してみる…など色々と試行錯誤して「食わせる」楽しみが醍醐味でもあります。ルアーローテーションをして何がベストなのかを導くのは経験あるのみ。試行回数を増やして自分なりのゲームの組み立て方を見付けてみよう。

【ファイトの心得】
どう食わせるかも重要ですが、ヒットした後のやり取り・ファイトも重要です。とりわけバラシも多いのがシーバスフィッシングですが、バラさないようにする工夫も必要です。
まずはしっかり掛ける(フッキング)こと。アタリがあったらロッドを立ててやや強めにフッキングし針掛かりさせます。

次にファイト中にバラす原因として多いのが、シーバスがルアーを外そうと水面から出て首を降る「エラ洗い」と呼ばれる行動です。これをさせないために、ファイト中はラインテンションを抜かないことは勿論ですが、ロッドを立て過ぎず横に寝せるか下げておくとある程度防ぐことができます。

慎重に足下まで寄せることができたらいよいよランディング。この時もネットの網にフックが引っ掛かりバラすケースも多いので、必ず頭側から誘導して確実にキャッチしよう。シーバスのエラはカミソリのように鋭くケガをする恐れもあるため、フックを外す際は必ずプライヤーを使用して防止しましょう。

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釣り東北WEB編集部

株式会社釣り東北社

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「釣り東北WEB」の運営、取材、撮影、編集、映像制作をメインに行う。他、ワカサギの穴、トラウトステージといった東北で人気ジャンルの別冊を刊行。

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