宮城/編集部、釣り人/富所潤、協力/大隆丸(宮城県・歌津)
アオリイカのティップエギングから東北でも人気沸騰中のイカメタルほか、船タチウオ釣りなどテクニカルな釣種を好み、その面白さを伝道する「イカ先生」ことプロアングラーの富所潤さん。
東北では太平洋側にもエリアが拡大するアオリイカを始め、近年ではタチウオやケンサキイカといったこれまでに多くいなかったターゲットが狙えるようになり、イカ先生も大注目のエリアです。
この連載では、そんな新しいジャンルにチャレンジしたい方に向けて発信する、イカ先生伝授の基礎スキルのボトムアップ(底上げ)クリニックです。
第1回は「船タチウオテンヤ釣り」。宮城県ではタチウオが定着したことで、人気釣りジャンルのひとつになりました。
デビューをお考えの方、もっと釣れるようになりたい方に向け、「コレだけ覚えておけば釣果UP」の7項目を紹介したいと思います。
目次
- ■コレだけ覚えておけば釣果UP【その①】1番大事なエサ付け
- ■コレだけ覚えておけば釣果UP【その②】投入~基本アクションのワンピッチジャーク
- ■コレだけ覚えておけば釣果UP【その③】誘いのバリエーション
- ■コレだけ覚えておけば釣果UP【その④】タナの考え方と狙い方
- ■コレだけ覚えておけば釣果UP【その⑤】ファイト中の注意点
- ■コレだけ覚えておけば釣果UP【その⑥】取り込み解説
- ■コレだけ覚えておけば釣果UP【その⑦】掃除の神様は見ている?
■コレだけ覚えておけば釣果UP【その①】1番大事なエサ付け
始めに船タチウオテンヤ釣りで釣果UPに欠かせない1番大事なことから紹介します。
それはエサ付けです。タチウオとの唯一の接点となるのがテンヤです。いかに奇麗にイワシエサがセットされているかで、テンヤの動きにも影響があり、結果、釣果にも影響が出てくるのです。
【エサ付けの手順】
まずは用意したイワシのサイズが小さいのであれば、そのままテンヤに乗せますが、本記事ではイワシが大きくテンヤとアンバランスになる場合のセット方法を紹介します。
①イワシの頭の下にハサミを入れてカットする
②お腹の横に切れ目を入れる(テンヤのケンがあるところまで)
③ヘッドの後端にイワシの頭側が離れないように注意しながら、まっすぐになるようにイワシをテンヤに乗せる(大型のイワシの場合、背骨がゴリゴリと当たる部分まで差し込む)
④イワシがズレないように手で抑えながらワイヤーを巻きつける(ヘッドとイワシが離れることがあるのでこの周辺は重点的に巻く)
⑤あまったワイヤーをテンヤの環に巻き付ける
⑥最後に正面、上、横からテンヤを見て、まっすぐ奇麗になっていればセット完了
エサ付けの手順を解説した動画はコチラ↓↓↓
■コレだけ覚えておけば釣果UP【その②】投入~基本アクションのワンピッチジャーク
投入合図のあとにテンヤを自分の前方に、もしくはミヨシ側の人は船の前のほうに投げ入れるとオマツリを防げます。
フォール中はスプールに親指を当てながら(サミング)落とし込みます。
これはフォール中にタチウオが触るとラインが止まるので、いちはやくそれに気付けるようにと、フリー状態で食い上げに気づかずにいるとラインブレイクのおそれもあります。
指示ダナ到達後は1mくらい巻いて(糸ふけを取る)誘いのアクションに移ります。
基本の誘いは1回のシャクリに対し、リールハンドルを1回転させる「ワンピッチジャーク」です。
これで食ってこなければ次に説明する誘いのバリエーションで反応を探っていきましょう。
■コレだけ覚えておけば釣果UP【その③】誘いのバリエーション
①ただ巻き
文字通り、リールをただ巻くだけのアクション。ただ、これだけの簡単アクションですが、このパターンがハマることもあります。
ただ巻きからステイに入れるストップ&ゴーアクションにも応用できます。
②ジャーク&ステイ
ポン、ポン、ポン、ポンと、軽い入力のテンポの良いジャークからピタッと止めるステイを繰り返すアクションです。
ジャーク中に食ってくることもありますが、基本はステイ時にアタリを待つイメージです。
ジャーク回数の目安は4~5回位。ただし、これに限らず、ジャーク回数やステイ時間は適宜変えていき、そのときに一番反応が良い組み合わせを探っていきましょう。
③ただ巻きとジャーク&ステイのコンビネーション
これは①のただ巻きと②のジャーク&ステイを組み合わせたコンビネーションパターン。
ジャークのあとにただ巻きを入れ、この時に食ってくることが多いです
ステイで食わないとき試してもらいたいアクションですが、ステイから動かしたら食わない場合もあるので、臨機応変に。
④バイブレーション
近年、流行アクションのバイブレーション釣法は、竿を小刻みに上下させながらリールを巻くアクションです。
リールを巻く量は、細かく1/8のピッチくらいで刻むときもあれば大きく1/2ピッチくらいでさそうときもあります。
どんどん追ってくる活性が高い状況であれば、スピードを上げ、逆に渋いときは細かくじっくりと…など、これもその時々の状況に合わせて変えていきたいものです。
さらに激しくバイブレーションさせたいときは、竿のバット部分に片手を添えて、その部分を支点に上下に動かすと、より激しくアクションさせやすいです。
このときのリールの巻き方は、リールの持ち手でスタードラグに指を掛けてハンドルを回していくと良いでしょう。
これら①~④のアクションをまとめた動画はコチラ↓↓↓
■コレだけ覚えておけば釣果UP【その④】タナの考え方と狙い方
タチウオのレンジ(タナ)は刻々と変化するため、その都度的確なレンジにアプローチすることが不可欠です。
ここでは例を挙げながらタナの考え方と狙い方を紹介していきます。
【例①水深50mで指示ダナ底から10m】
このケースでは水深40~50mがタチウオの反応があるレンジですよね。
狙い方としては底まで落としてから誘い上げてきますが、タチウオはどんどん追いかけてくる魚でもあるので、指示ダナの上40mよりも上の35mまで誘ってくると良いでしょう。
ただ、もっともタチウオが濃いゾーンが指示ダナなので、そこは必ず守るようにしたいです。
【例②水深50mで指示ダナ20~30m】
中層がレンジとなるこのケースでは、底を取る必要はありません。
タチウオは上や斜め上を向いて泳いでいる魚なので、指示ダナよりも下(この例の場合30m)にテンヤを入れることは、魚を反転させて下に向かわせてしまうだけです。
なので上へ上へ上げていくイメージで、指示ダナの下限は必ず守り、上限は前述したように指示ダナ+α(この例の場合15m)で狙ってみましょう。
■コレだけ覚えておけば釣果UP【その⑤】ファイト中の注意点
多くの釣りではファイト中に「いなす」ことで、バラシを防いだりしますが、タチウオに限っては「いなし」はよくありません。
タチウオは前進するよりもバックスライドするのが得意な魚で、ラインが緩んだ瞬間に反転することがあります。
その時にテンヤが上を向き、下を向き…とやっていると、テンヤのヘッドが支点になりフックアウトしやすくなります。
イカ先生が推奨するファイトは魚をいなさず、ロッドが曲がった状態をキープさせながら、一定のスピードでリールを巻き続けることです。
ドラグが出たらそのまま出しつつリールを巻き続けます。小型ベイトリールはタチウオにちょうどいいくらいのドラグ設定になっているので、ドラグを締めた状態でドラグが出ればドラゴンサイズ、出なければそれ以下…というような指標にもなります。
■コレだけ覚えておけば釣果UP【その⑥】取り込み解説
タチウオ釣りでもっともバラシが多い瞬間が取り込み時です。
魚体が長く、ちゃんと抜き上げたつもりでも尻尾が船べりに当たって逃がしてしまう…こういった経験がある方も多いことでしょう。
これはロッドだけを使った抜き上げによく見られるパターンですね。
イカ先生仕込みの手繰り取り込みでは限りなくゼロに近く取り込み時のバラシをなくしてくれます。
【タチウオ取り込み手順】
①ファイト中にリーダーがロッドに入ったら竿を置く
②リーダーを両手で掴んで交互に手繰り寄せる
③テンヤ付近まできたら、ゆっくり持ち上げて船内に抜き上げる
④タチウオの首根っこをギュッと掴んでテンヤを外す
※ポイントは暴れても焦らないこと。焦って勢いよく上げると失敗のもとです。落ち着いて確実に取り込むようにしましょう。
イカ先生のタチウオ取り込み動画はコチラ↓↓↓
■コレだけ覚えておけば釣果UP【その⑦】掃除の神様は見ている?
最後に直接釣果に関わることではないですが、船べりやデッキを奇麗にするように心がけましょう。
どうしても船タチウオテンヤ釣りは生のエサを使うため、船べりなどがイワシの血や内蔵などの液で汚れやすくあります。
汚れたと思ったら、さっと水で洗い流し最後にウエスやタオルでしっかりと拭き上げて清潔な状態を維持しましょう。
心も船も奇麗になるし、そういう所作が釣果に結びつくかもしれません。
「コレだけ覚えておけば釣果UP」の7項目はいかがでしたか? どんな釣りも基本に忠実にすることで応用も覚え釣果も伴ってきます。
東北の新ターゲット・タチウオ釣りにぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
タチウオ、イカ族のイカ先生極秘テクニックを知りたいなら、
「イカ先生のフィッシングクリニック」への入会がお勧め!
詳しくはこちらから!
https://lounge.dmm.com/detail/2305/