青森／編集部
シーズンも中盤に入った津軽海峡のサクラマスジギング。今年は本来であれば下北エリアまで入ってくる群れが太平洋側から冷水塊が入り込んだ影響もあり、どんどん海峡の西側エリアに好調ポイントが移っていく傾向にあった。勿論、新たな群れも順次入ってくるのだが、取材を行った３月上旬は、ベイトも豊富でサクラマスが溜まっているエリアである北海道戸井沖周辺がポイントとなった。今回はサクラマスジギング黎明期よりこの釣りを探求し楽しむ、トップレンジ代表・丹野正文さんの釣行模様をお届けしたい。
ホッケが居る層にサクラマスも居る
午前４時に「第三十六朝日丸」にて野牛漁港（青森県東通村）を出船し、同７時にポイントへ着き実釣スタートとなった。水深は70～90ｍラインで反応のある指示ダナは50～30ｍ。ジグを降ろすや否や船中あちこちでロッドが曲がるもホッケが中心でガヤなども交じる。ベイトも豊富でホッケが着く層には同じくサクラマスも居る。そのため、外道にもめげない根気が必要だ。
丹野さんはトップレンジ「タイメタル」170ｇからスタート。マダイ狙いでは、ただ巻き（ノーマルリトリーブ）での使用が前提だが、マスジギングにおいてはスローなワンピッチジャークを用いる。そうなるとジグの動きは、ジャーク間に一瞬フォールする際に平を打つような動きになる。この一瞬の間が食わせの間となりバイトを誘う狙いだ。
気まぐれな魚、それがサクラマス
依然ホッケの連続に我慢の時間帯が続く…。「サクラマスジギングは釣れる時はあっさり釣れるし、その逆も然り。何年やっても良く分からないというか、掴みどころがなく難しい」と話す丹野さん。同じように感じるアングラーも多いことだろう。前日釣れていたジグやカラー、アクションが海況が変わらずとも翌日は全く釣れなかったりすることも多く、非常に不思議な魚だ。そのため毎回ゼロベースからの釣りの組み立てになる。
どのジグが良いのか？カラーは？アクションの幅は？と、考えジグをローテーションしていく。すると、ようやく船中１本目を同船者がキャッチする。
同船者は45ｍ付近のレンジでロングタイプのジグにヒットしたとのこと。それをヒントに丹野さんが選んだジグは「ブリスタイルスピ―ド」。ロングタイプのジグで、上方向への推進力があるため、上へ上へと誘い上げていく。船内でのこういった情報共有はサクラマスジギングにおいては非常に重要となる。
同船者も続々キャッチ！
マッチ・ザ・ベイト
そして丹野さんにもヒット！ 指示ダナ50ｍから３シャクリしたところでズドン！と乗った。やはりホッケとは明らかに違う引き込みで、１stランを受け止める。独特な叩くファイトを楽しみ見事にキャッチした！ サクラマスはヒット後に上方向へ走ることもあり、リーリングが追い付かなければ一瞬バラしたかと思うこともある。そのためテンション抜けに注意し、さらに身切れを防ぐため適度にドラグを出しながら強引なファイトを避けたい。
その後、同じジグでもう１本追加キャッチ。釣れているしこのままでも良かったが、サクラマスが吐き出したマイワシをヒントにジグサイズを合わせるように「ブリスタイルSS（サクラマススペシャル）」180ｇにチェンジ。
実釣時間も終盤に入り、船中のペースがダウンしたが、もっと深いレンジにも反応があると船長がアナウンスし、同船者の１人が70ｍラインまでジグを沈めたところでヒットした。このキャッチを皮切りに再び船内に活気が戻り、丹野さんも追加キャッチ！ ブリスタイルSSとまさにマッチ・ザ・ベイト！
あとは４kg超の型物を見たいところ。ラスト１流しでそのチャンスが訪れた。タイメタルで水深70ｍラインからの３ジャーク目でこれまでと異なる重量感と鋭い走りを襲った！ 慎重に駆け引きをするが惜しくもフックアウト…。良型の傾向として、どうしても腹などにファールフックになることが多く、慎重にファイトをしたとしても身切れでバラす可能性が高いと船長は話します。
惜しくもここでタイムアップとなったが、津軽海峡マシジギングの初陣を楽しく終えた丹野さんであった。これから終盤に入っていくが、サクラマスは非常に気まぐれなもの。船内での情報共有を始め、わずかなヒントでも釣果に結びつけてほしい。
