【連載】酒魚放浪記WEB 第4回 ハゼ、アオリ、そしてヌマチチブ

秋田/佐藤 浩


目次

  1. 私のハゼの狙い方
  2. 唐揚げに合う酒とは?
  3. ヌマチチブって美味しいの?
  4. 再び訪れた違和感の正体
  5. 秋の王道アオリイカ

私のハゼの狙い方

タックルは、感度の良い6ft5inのアジングロッドにラインPE0.4号、リーダーはフロロカーボン3Lb、リグは3gの小型スプーンに自動ハリス止めをセットし、ハゼ針6号をハリス止めに挟む。エサはアオイソメだ。

キャスト後はフォール中のキラキラ光るスプーンをハゼはしっかり見て追うので、着底後にすぐにアタリが出やすい。

ブルブルとアタリは大きいので、すぐにアワせたいところだが、一拍、間合いを取り、しっかり食い込んだタイミングでアワせる。

その時、ロッドはできるだけ立てること! 水平方向でアワせると、底で横倒しの状態で寝ていている針は、扁平口のハゼが食い込んでいるのでロッドが水平のままアワせては、すっぽ抜けることが多い。

縦にビシッとアワせることで、針の先が上アゴにしっかり掛かる。

唐揚げに合う酒とは?

釣行日は活性が高いのかテンポよく掛かるが、リリースサイズばかりでテンプラには厳しく、一匹だけ21cmの良型が釣れたが、唐揚げサイズしかキープできない。

不調なハゼとは対照的に好調だったのが、外道のヌマチチブ。一般的にゴリと言われている。

ハゼ釣りでおなじみの外道だが、リグを巻いて、足下のゴロタ石や護岸のコンクリートのあたりで必ずヒットする。

ハゼかと思い、食い込みの間を取ると、エサを咥えたまま、石の隙間に入り、即、根掛かり…とやっかいな相手だが、この日は数・型ともに良く、これは食べてみようとキープすることにした。

今宵の肴には十分釣れたので晩酌は唐揚げでひやおろしかなと思っていたが、何か心の中に例えようのない違和感が…。

何かが違う?人生を間違えて自問自答しているような違和感、それは帰りの車の中でも私を支配、酒を買おうと立ち寄ったスーパーの缶ビールやチュウハイを陳列してある冷蔵コーナーのとある缶を見て違和感から解放された。

唐揚げにはハイボールでしょう(笑)と、言うことで今宵はハイカラに決定!

ヌマチチブって美味しいの?

まずはボウルに魚を入れて粗塩でヌメリを落とし、ウロコを掻く。

頭を落としワタを洗い流して塩と片栗粉をまぶし、油でカラッときつね色になるまで揚げたら完成。ヌマチチブは黒いままだったが(笑)

釣るのにも料理をするのにもお手軽だったので、今宵の酒もお手軽にトリスの缶ハイボール。

それをグラスに注ぎ、乾杯! まずはぐいっと一口、喉を潤し、間違いのないハゼカラから。サクサクと間違いないやつだ。

そして、いよいよヌマカラ! 正直、少し微妙で、真っ黒い魚体にどこか古代魚のような無骨なシルエットだが、お目目は可愛くペットとして水槽で飼ってみたいくらいの可愛いやつを食べるなんて…。

恐る恐る、口に運ぶとサクっとしたハゼとは違い、モチッとして良い意味で濃厚な野趣あふれる味わいで美味しく、ハイボールに良く合う。

ヌマカラ最高!ハイボールで今宵もハイな気分に酔っぱらったけど、なぜかどこか違和感に醒めた自分がいた。

再び訪れた違和感の正体

その正体は、やはりひやおろしを飲りたかった…と、いうことで、翌日、再び子吉川に向かっていた(笑)

この日はスプーンの代わりに、3gのバレットシンカーを中通しにしたテキサスリグ。こちらはアタリがダイレクトに伝わるので面白い。

この日は前日とは違い、ギリ天ぷらサイズが揃ったので、今宵はハゼの天ぷらとひやおろしの「刈穂山廃仕込純米酒」! 

揚げたてのサクサク・ホクホクしたハゼ天に、どこか和梨の味わいの純米酒。

これでようやく私の秋が始まったと思われたが、またまた違和感が…何かが足りない。

秋の王道アオリイカ

そう、イカ様がまだだった。そこで翌日はエギングに。

昨年より生育が遅い感じだが、最近、大きいのを見かけるようになった。

シーズン早期のイカは岸近くに寄っているので、私はラインでアタリを取る集中力がないので、数回シャクり、エギをトップまで浮かせてイカの追いを確認してからサイトで抱かせる、ちょっと邪道?な釣り方をしているが、サイトフィッシングはエキサイティングで楽しい。

今宵はアオリイカの握りとひやおろし。これで未練なく夏に終わりを告げて、秋を迎えることができた。

今年もあと約2ヶ月ちょっとしかない。すぐに冬酒が並ぶだろうが、その前にボジョレーか! 酒も魚種も節操なくやっているが、酒に合わせて魚を釣る、もしくはその逆も楽しい。準備から帰って一杯やるまでが私の釣りの楽しみである。


WRITER

佐藤浩

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秋田県在住。渓流やサクラマスといったルアーフィッシングにこだわりを持ち自然と向き合ってきたが、歳を重ねるにつれ、他の魚も釣ってみたい欲が増し、「酒魚放浪記」の連載スタートと共に、今では魚種、釣種問わず魚を追いかけている。

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