ワカサギタックルインプレッション(シマノ レイクマスターシリーズ編)

解説:神坂正人

今回、以前より気になっていた、電動リールのシマノ「レイクマスターCT-ET」と穂先の「同エクスペック」を使用する機会に恵まれた。その使用感を述べたい。

○テストタックルデータ
竿:シマノ レイクマスターエクスペック M00E
リール:シマノ レイクマスター CT-ET
オプション:シマノ クイック角度チェンジャー 

○レイクマスターエクスペック M00E

長さ270 mm、オモリ負荷 0.5 ~ 3.0 g。最大の特徴はバットと穂先が極端部分が折れ曲がる“ヘの字”のペコリ竿。渋時の微細なアタリも増幅させ目感度アップが大きく期待できるスペックとなっている。

使用した日は、水深 11 mで底に居るワカサギは高活性で、適合のオモリ最大負荷3g程度では落下スピードが遅いため不利な状況だった。そこで同竿のポテンシャルを知りたく、試しにオモリを5gへ変更してみた。それは勿論自己責任…って持ち主の編集部から超過使用を勧められたのだがw。ちなみに、シマノの竿は使い手側のためにあえて適合オモリ負荷幅の表記をしているだけで、よほど極端な超過や使い方をしない限り、常識の範囲内であれば全然問題なく使えると噂を聞いたことがある。それが本当なら耐久性には相当な自信があるということだろうが、あくまで噂、超過使用であることは変わりないので十分気をつけて使用した。

初めての使用にワクワク!

確かに穂先部分は3g使用時より下を向き、アタリ増幅の余幅は少なくなったが、個人的には何ら不自由はなく、速効性のある別の穂先表現を楽しむことができた。この方法で手返しを良く釣果を伸ばした後、日中からやや渋くなってからはオモリを適正内の2.5gに戻し、この竿本来のテリトリーとなって難なく対応できた。

この竿は同じ誘い幅でもオモリの重さによってかなりのアクション変化あるものと思れるが、5gではかなり直接的にアクションが伝わるため意識的に小幅にすると良いと思う。

今回は試せなかったが、さらに渋った時は本オモリを1〜2g程度にしたステオモリ式や、オモリを着底させたフカセ系の釣りこそ、この竿が一番活躍する釣法なのかもしれない。

このへの字が最大の特徴。超過オモリでなおさらペコリ中

アワセ遅れのない設計
この竿を使う前に疑問に思っていたことは、への字ゆえに穂先の角度許容分に欠け、アワセの遅れに繋がってしまうのではないかということ。しかし、これについては竿自体のバット部分の強さがカバーしてくれることがよく分かった。むしろ他竿に比べかなりしっかりとしたバットになっているのに加え、ジョイント部材料の強いコシがアワセ掛けにしっかり応えてくれたように感じた。勿論、それには状況に合ったタタキ台および「クイック角度チェンジャー」の微調整も必須だと思う。

目感でアタリを捉えられるが、アワセ遅れもある程度カバーしてくれる

手感より目感
最近は目感より手感のトレンドとなっているが、この竿の面白いところはやはり目感度。わずかに しか出ない微細なアタリをエキサイトトップで増幅させ、他竿よりも大きくアタリを出せるのは間違いなさそう。底にオモリを付けラインを張り底アンカーを打つような釣り方をすれば穂先側のアタリはさらに増幅するかもしれない。

への字のインパクトが強く、特化系の穂先かと思っていたが、実は使い方にかなり幅があり、想像力をかき立てるような面白い穂先だと分かった。

見やすいエキサイトトップ

○電動リールCT-ET

本体重量 90 gで、マイタックルとの差はマイナス約10g。期待が大きかったことと、穂先の長さも関係してか手感のアップはそれほどでもなかったが、手に馴染むフォルムで握りやすさを感じた。これはボディーとタタキ台の間にスペースがあり指が入り込む設計による恩恵だろう。

指が底面まで入れられる握りやすい設計

これらはあくまでファーストインプレッションなので、使い込めばまた印象も変わるとは思うが、私のように気になっている人も多いと思うので、その先入観との誤差が少しでも埋まれば幸いである。

より「釣った感」を味わえるタックルだった
レイクマスターCT-ETの詳しい性能はこちら(尾崎渚氏)

WRITER

カミ

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秋田県在住。様々なワカサギツールを手造りで楽しむマニア。ホーグラウンドは県内の山上湖、八郎潟、岩洞湖など。アオリイカのエギング、キス釣り、渓流釣りなどをこなす。

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