以下、国交省の省令案「遊漁船への救命いかだ等の設置」の問題点、リスクをまとめました。「遊漁船に今の段階で救命いかだを設置するのは間違っている」「事故後のハード面でなく事故前の対策を強化しなければカズワンと同じことが起こる!」などと思う方は、是非12月1日まで国交省へ意見・パブリックコメント(送り方はこちら)を出して下さい! 以下の内容からそうだと思うものをコピーしても良いと思います。
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事故後の救命いかだ等より事故の未然対策強化!
実際、遊漁船の死亡事故は旅客船よりも圧倒的に率が低く(統計はこちら)、全国で年間10軒程度。では、この事故を減らすために何が有効なのか? まず遊漁船の事故は船長の不注意による衝突や乗揚に起因する。これを踏まえ、事故を未然に防ぐための対策は以下のようなものが考えられる。
- 安全教育と訓練の強化: 船長および乗組員への定期的な安全教育と緊急時の対応訓練を強化することで、危険回避能力を高める。
- 航行支援システムの導入: 最新のGPSやレーダーシステムなどを導入し、船長の判断を技術的にサポートする。
- 定期的な健康診断: 船長の健康状態は直接的に安全運航に影響を与えるため、定期的な健康診断と休息の確保が必要。
- 安全基準の見直しと遵守: 船の安全基準を見直し、適切な保守・メンテナンスを行い、老朽化による事故を防ぐ。
- 通信機器の最適化: 無線通信機器の更新や携帯電話網の活用など、緊急時に迅速な対応ができる通信環境を整備する。
- 天候情報の活用: 天候情報をリアルタイムでチェックし、悪天候時は運航を控えるなど、リスク管理を徹底する。
これらの対策は、救命いかだのような事故発生後の救命策とは異なり、事故を未然に防ぐことに重点を置いたもの。特に安全教育と訓練の強化は、船長や乗組員の意識改革に直結し、事故のリスクを大幅に減少させる可能性がある。
救命いかだ設置の省令案が施行されると逆に事故は増え、遊漁船は勿論、東北は最悪な事態に!!
次に救命いかだなどの設置費用によって遊漁船業界が直面するであろう3つのシナリオとその影響について、以下に詳述する。
A. 廃業し船を手放す
・船舶、釣り業界の衰退: 船宿の廃業が増えると、船舶製造や釣り具の販売など関連業界への影響が及ぶ。これにより地域経済にもマイナスの影響が出る可能性が高い。
・地域経済への影響: 地域における観光やレクリエーションの一環としての遊漁が減少することで、地域経済にも影響が及ぶ。特に観光地域では、収入源としての遊漁が重要な役割を果たしている場合がある。
・雇用の喪失: 船宿の廃業は、船長や乗組員、関連するサービス業の雇用にも影響を及ぼす。
B. 遊漁船を継続するものの借金が増す
・経営圧迫: 初期費用や維持費の増加は、既に船体購入の借金を抱える船宿にとって経営圧迫を招く。これにより、通常のメンテナンスやサービスの質が低下する恐れがある。
・サービスの質低下と料金上昇: 財務的な圧力は、サービスの質低下や船代の上昇につながる。これにより、顧客満足度が低下し、さらなる経営悪化のリスクもあり。
・事故リスクの増加: 経営の圧迫がメンテナンスの疎かにつながり、結果的に事故発生のリスクが高まる。
C. 遊漁船登録を止め闇営業の船が増す
・安全基準の低下: 闇営業では法的な安全基準が遵守されないため、事故のリスクが高まる。
・法律違反と脱税のリスク: 闇営業は法律違反であり、脱税の問題も引き起こす。これにより、正規の業界全体の信頼性にも影響を及ぼす。
・保険未加入によるリスク: 保険に未加入の船が増えれば、事故発生時の被害が拡大する。
・反社会的勢力の介入: 違法な闇営業は、反社会的勢力の関与を招きやすく、さらなる法的・社会的問題を引き起こす。
以上の点から、救命いかだ設置の義務化は、遊漁船業界にとって重大な影響を及ぼす可能性があり、これらのリスクを軽減するための対策や支援策が必要となる。というか、救命いかだ設置等の省令案が施行されれば逆に遊漁船の事故が増え、地方の経済は衰退、不幸な人が増えることは明確。一体誰になんのメリットがあるというのか!?
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