サクラマス。1シーズンに1本釣れたら御の字。その希少価値の高さからトラウトアングラーを魅了してやまない憧れのターゲットです。本流でのサクラマス釣りではルアー、エサ、フライの狙い方がありますが、本稿では人気のルアーフィッシングにスポット当て紹介します。
憧れのターゲット
サクラマスは渓流魚のヤマメの降海型を差します。海に降りたサクラマスは回遊しながらエサを豊富に摂り40~60cm程にまで成長し、産卵のため再び河川上流部へと遡上します。本流サクラマス釣りは、春に遡上してくるサクラマスを河川内で狙うことになります。気難しいサクラマスを釣ることは一筋縄ではいかないとされ、その希少価値もあり、トラウトアングラー垂涎の憧れのターゲットでもあります。ゴン!と強烈なバイトからヒットすれば、力強い引き込みにローリングやジャンプの嵐、それに本流の流れも加わり想像を絶するほどのスリルやドキドキ感もまた魅力です。
遊漁ルールを守って楽しもう
サクラマス釣りを楽しむには、遊漁券が必要です。フィールド最寄りの釣具店やコンビニ、商店などで購入しますが、近年は遊漁券の購入から証明、提示までスマホひとつで完了するサービスを行う「フィッシュパス」の導入をする河川も増えてきました。併せて遊漁期間も設定されており必ず守らなければいけません。規則を守って楽しく釣りをしましょう。
青森県:6月1日~7月31日、12月1日~翌年2月末日
秋田県:4月1日~8月31日(11月1日~12月31日は漁協で禁止、また十和田湖を除く)
岩手県:3月1日~6月30日
山形県:3月1日~8月31日(最上川水系・赤川)、他遊漁可能河川では4月1日~8月31日
宮城県:~9月30日(河川により解禁日が異なり、北上追波、北上川両漁協管内では1月20日の解禁。漁業調整規則では1月1日の解禁としているが、これは漁協のない河川・湖沼に限る。広瀬川名取川漁協のサクラマス釣りは3月1日~6月20日の期間)
東北は全国屈指の
サクラマスフィールドが多い
タックルを揃えよう
サクラマスタックルのイメージとしては、遠くへルアーを飛ばすキャスタビリティー、ルアー操作をさせるためのある程度の張り、魚の強烈な引きを受け止めるパワー。そしてそれを吸収する柔軟さなどが求められます。PEラインを使用し感度を求めるスタイル、ナイロンラインとしなやかなタックルで掛けた後の安定さを求めるスタイルなど、タックル選びはアングラーによって様々です。
次に基準となるセッティングを紹介します。ロッドは長さ8ft台前後のトラウトロッド。この長さを基準に小場所なら7ft台、大場所なら9ft台と自分が行くフィールドに併せて選びます。リールは3000~4000番のスピニングが一般的。ベイトタックルで嗜むアングラーもいます。ラインはナイロンライン2.5号前後が基準。ショックリーダーはナイロンまたはフロロカーボンラインの4~5号を1m程取り、ダブルライン(ビミニツイストなど)にしたメインラインと結束します。PEラインの場合はメイン1号前後を選び、リーダーを結束します。
ルアーはミノーイングが主流
次にサクラマス釣りで使用するルアーの紹介。黎明期はスプーン全盛期でしたが、現在ではミノープラグを使うのが主流になってきています。
【ミノー】
全長90mm前後のトラウトミノー。サーフェスを狙うシャロー、底付近を狙うディープ、その中間のミディアムディープなどレンジ攻略別にタイプがあります。またフローティングが多いですが、シンキングやサスペンドタイプもあります。基本的な使い方としてはミノーがブルブルとアクションする波動を感じるスピードでのリーリング。その中にトゥイッチやジャーキングといったアクセントを加えてサクラマスにアピールします。
【スプーン】
カップの形状、ウエイト別に動き方は様々。金属なので飛距離も申し分なく、リーリングスピードでマニュアル的に狙うレンジを変えることもできます。アクションはただ巻きを基本とし、底付近を小さなリフト&フォールで転がすような釣り方もできます。ウエイトは20g前後がメインになります。
【バイブレーション】
近年、使用する人も増えたバイブレーション。中でもメタルバイブレーションは飛距離を出せる上に、微震度による波動で高アピール。解禁早期の増水時や濁った時に出番が多いです。アクションはただ巻きの他、リフト&フォールがメインになります。ウエイトは20g前後。
ポイントの見立てと狙い方
無事にネットに収まったなら感動のフィナーレだ
サクラマスを釣る上で重要になるのが、魚が居るであろうポイントを選ぶこと。どこで釣れているなどのざっくりとした情報も勿論だが、川は日々水位に変動があり、サクラマスが着くポイントも変わっていきます。
その中でどうポイントを見極めるかのキーワードになるのが「適水勢(魚が居心地が良い流速)」。サクラマスに言われるのはおおよそ50~60cm/秒の流れです。この流れと魚が定位しやすい底石やストラクチャー周辺などを探し、そこにルアーが通るように調整して狙っていくことになります。
サクラマスがヒットしたならば、壮絶なファイトのスタート。鋭い走りからローリングやジャンプなど必死に抵抗されます。まずはしっかりとフッキングし針掛かりできたなら、ここで無理に寄せず、動きが弱まってきた段階で徐々に距離を詰めよう。そしてネットを準備してランディング体制へ。ここで最後の大暴れがあるのもサクラマスではよくあることです。最後の抵抗をいなし、ネットに収まったなら、一気に感動が押し寄せることでしょう。