シーバスアングラーとして、人一倍ショックリーダーにこだわる小沼正弥氏。その理由は強度、バラシにくさ、ルアーの動きなど、ポイントのシチュエーションによってリーダーに求められる優先項目が変わるためだ。例えば、都市河川でスレたシーバスに対し、使用するルアーサイズが小さく、バラシを抑えたい場合はある程度伸びがある「プレミアムマッスショックリーダー」3号の細めの号数をセレクトする。蠣殻が覆っている岩やテトラなどをダイレクトに狙う場合は根ズレに滅法強い「グランドマックスショックリーダー」をセレクトする、といった感じだ。
そんな中、小沼氏のショックリーダーレパートリーに新たな選択肢が加わりそうだ。
それは、伸びが「グランドマックスショックリーダー」と「プレミアムマッスショックリーダー」の中間にあたり、直線強度はグランドマックスショックリーダーと同等の「グランドマックスFX」である。
同ラインは、元々船釣り用のハリスとして発売され、結節強度の高さは勿論、程良い伸びとしなやかさで船釣りの玄人たちを唸らせる人気ハリス。これをルアーのベストサイズとして小型化し、今回ショックリーダーサイズが新たに発売されることになったという。
ということで、グランドマックスFXをリーダーとして使ったことがない小沼氏は今回秋田のフィールドで使ってみることに。果たしてその使用感はいかに?
雄物川で落ちアユパターン狙い!
毎年6月から毎月皆勤のように秋田に通う小沼氏。今年も同じように訪れ、11月に締めくくりのラスト釣行。このタイミングの秋田といえば、雄物川の落ちアユ! 近年は以前ほど落ちアユパターンで爆裂!とはなかなかいかなくなったが、有望なことには変わりない。
ポイントは岩盤が入っている瀬の開き。落ちアユを意識し大きいルアーとトップウォータープラグを使うこと、シーバスのコンディションが良いこと、流れに乗られた時の大きな負荷などから「グランドマックスFX」の太めの7号をセレクトした。基本的にルアーの動きを良くするならリーダーは細いほうが良い。しかし、ドッグウォーク系のトップウォータープラグの場合は、リーダーは太いほうが左右の振れ幅が大きくなり、これに伴いルアーの左右の動きも良くなるという。
一通りルアーをローテーションさせたものの、残念ながらリバーシーバスでは全く反応なし。その後秋田運河を軽くチェックした後、夕まづめ狙いで船越水道へ移動した。
船越水道でトップに連発!
同所は前日も夕方にトップウォータープラグで反応があったらしく期待大。ここでは小型のルアーがメインながら、大型プラグも使用し、また根ズレの危険性もあるということで「グランドマックスFX」の5号、メインラインがシーガー「R18完全シーバスステルスグレー」1号のタックルをセレクトした。
開始して夕方が近づいてくると、5~8cm程度のイナッコ(ボラの仔魚)の群れが集まり水面がざわつき始めた。そして何度かシーバスがボイル! どうやらシーバスは右手にある防波堤を壁としてベイトを追い込んでいるようだ。
気配ムンムンの中、小沼氏は6cmクラスの小型トップウォータープラグで水面を小刻みにドッグウォークで滑らせる。「飛距離の出るトップ系プラグは後方重心なので止めるとルアー姿勢が立ち、それで見切られてしまうので、止めないことが大事」とのこと。
すると、ピックアップ手前でルアーの後方に波紋が見えた。「今出ましたね」と言いつつ、小沼氏は間髪入れずにキャストすると同じ魚なのかすぐに出るもこれも誤爆。しかし、そのままドッグウォークさせたところ追い食いし水面が破裂、ついにヒット! ついビックリアワセになりそうだが、そこは慣れた小沼氏。十分な重みを確認してからロッドを下向き方向にあおりフッキング。見事ヒットとなった。40cmクラスながらやはりトップで釣れる1匹は格別。その後、連続で1周り大きい50cm近いサイズを追加した。
クライマックスは、完全に陽が沈んだ後、ワームの釣りにチェンジ。関東方面ではベイトがイナッコの状況で、トップウォータープラグにスレた状況や、先行者がシンキングペンシル、ミノーで攻めた後は1.8gのジグヘッドに2.5inのシャッドテールワームをセットしたジグヘッドリグが効くらしい。
先ほどまでトレースしていたコースへキャストし、底を取った後はただ巻きする。これが正解し、数投目にヒット!
しかし、同所の底には牡蠣殻の付いた岩が入っており、根ズレでラインブレイクする危険性があった。ライン、リーダーの強度を信頼しながらパワーファイトするが、手前に刺さってくる可能性もあるので、要所要所でテンションを抜いて、なるべく水深のある沖のほうでやり取りする。
そして今釣行最大となる73cmのシーバスをキャッチ。
「ラインに信頼感があるから余裕のファイトができた」
小沼氏も2024秋田ツアーを締めくくる一本として大満足の様子だった。
グランドマックスFX使用感
今釣行でグランドマックスFXをメインで使用した感触として、小沼氏は「ここ最近はバラシの少ないプレミアムマックスをメインで使用しているが、理想はその伸びを維持しながらグランドマックスと同等の強度があること。その点、このグランドマックスはプレミアムマックスよりは伸びが少ないが、同等の強度があり、理想のラインに近いと思う。3種類を使い分けるのがベストだが、なかなか3種類の各号数を揃えるのも大変だし、実際現場でどれを使えば良いか迷う人も多いと思うので、このグランドマックスFXはちょうど中間のラインとしてオールマイティーに使えるので、リーダーサイズがリリースされればルアーマンにもうってつけのリーダーになると思う」と述べた。