小物釣りのイメージが強いフジワラ「ブラー」であるが、使い方によってはトロフィーサイズの大物も狙える。その良い例がマダイだろう。ブラー釣りを始めた人からも「ブラーで(大物の)〇〇って釣れないんですか?」などと聞かれることも多い。ということで、本稿ではあえて大物を釣るためのブラーメソッドを魚種別に紹介したい。
ブラーで大物が釣れるワケ
その前にブラーの特性を改めて理解しておくと、それが大物にどう効果があるのか、使い方などもイメージしやすい。
1.ゆらゆらと泳ぎ、落ちる
これがブラーの真骨頂。ロッド操作をしなくても勝手に動いて魚にアピールしてくれる。それは大物にも効果絶大。
2.比重がある
比重があるため飛距離が出やすく、広範囲を探ることができる。大物は沖の深みやブレイクに着くことも多く、そこにもアプローチしやすい。また大物攻略のキモとなる「レンジキープ」もしやすい。そもそも比重があるのにゆらゆらゆっくり落ちるという矛盾を兼ね備えていることがブラーの強み。
3.作りがシンプル
ルアーフィッシングでいえば、スプーンのようなシンプルな作り。大物を意識して針を替えたり、色を塗ったりなどのアレンジもしやすい。
4.カラーが豊富
ベースカラーが多種なのは勿論、ホログラムシール、ウロコシール、ケイムラコーティングなどの派生版も多いので、ルアーゲームのようにマッチザベイト的なカラーセレクトもできる。
いずれにしても、ブラーにエサを付ければそれだけで大物が釣れるチャンスはあるのだが、そのエサも含めて(あるいは付けない状態で)ブラー全体のシルエットや動きを何のベイトに似せるのかということを意識すると、より大物のヒット率を上げることができる。
では、晩夏〜秋にオカッパリからの狙える大物として「クロダイ」「シーバス」「青物」のメソッドを紹介しよう。
「クロダイ」メソッド
・お勧めブラー
めっちゃブラー、ハンティングブラー、ハゼブラー(カラー/蛍光イエロー、レモンイエロー、重さ/6〜8g)。シルエットが小さめ、フォールスピードが遅いほうがヒット率が上がるので、軽めの重さを選ぶと良い。
基本的には根掛かりしやすい場所を狙うので、めっちゃブラーの場合はフロントフックを外し、1本針にしておくと良い。
エサはアオイソメ。2匹を半分にし、エサ持ちの良い頭のほうを2本掛けすると良い。エサをごっそり付ける手もあるが、じっくり食わせてアワせるよりも、少ないエサ=針掛かり重視で瞬間的に食わせ即フッキングさせたほうが良い。ワームを使うなら、クロダイが好む甲殻系もあるが、ストレート系のほうがブラーの動きと同調しやすく、かつシンプルでフッキングもしやすい。
・有望なシチュエーション
河口などの汽水域で、テトラや岩などのストラクチャーが多く、クロダイが好む濁りが入った状態がベスト。これは至近距離で狙えることにつながり、根掛かりが少なく、移動距離が少ない縦の誘いもしやすくなる。
・狙い方
テトラのような背の高いストラクチャーがある場合は、その際でのフォールで食わせるイメージを持ち、大きめのリフトでフォール時間を稼ぐと良い。エサというよりは動く物に反応させるイメージで狙う。
敷石のような比較的なだらかなポイントではクロダイの好む甲殻類を意識してズル引き、ステイが効果的だが、あまり根掛かりする場合、フグなどのエサ盗りが多い場合は速めのリフト&フォールメインで、要所要所でステイを入れる。
「シーバス」メソッド
・お勧めブラー
ノーマルブラー(カラー/2 8 S V 、重さ/ 8 〜15g ) 。
シーバスが好む小魚をイメージして、なるべくシルエットを小さく見せることと、ブラーの泳ぎを優先し、動きを干渉するエサやワームはあえて付けない(付けても釣れるが、釣れるサイズが伸びない傾向がある)。
・有望なシチュエーション
港内でイワシ、サヨリなどを捕食し、表層でボイルがあり、見切られにくいように比較的濁りがある状況がベスト。
・狙い方
ボイルがあった場所よりも少し沖に着水させタダ巻きで通過させる。ボイルがない場合は潮目、カケ上がり、岸壁際などの変化、ストラクチャーを狙う。基本的には表層よりやや下の層をタダ巻きするが、反応しない時は段々深めを意識すると良い。
「青物」メソッド
・お勧めブラー
ノーマルブラー( 2 8 S V 、24KG)、ハンティングブラー(蛍光ピンク)、ホロブラー(パールゴー
ルド)の重さが12〜18g。重めのほうが広範囲を狙え、動きもキビキビ感が出せて効果的。基本的には飛距離と動き重視で抵抗体となるエサやワームは付けないほうが良いが、シャッド系のワームを付けてゆっくり誘ったほうが反応が良い時もある。
・有望なシチュエーション
イワシやサヨリなどの小魚が接岸し、ターゲットとなるイナダ、ワラサ、サワラが確実に回遊していること。ベイトの回遊次第で日中でも釣れる可能性はあるが、表層で湧きやすい午前6〜8時が1つの狙い目となる。
・狙い方
表層でボイルがある時は、表層を足下まで速巻きをベースに、ジャークやフォールをワンポイントで入れてみて、ヒットしやすいパターンを見つける。ロッドを上げ気味で速巻きし、トップウォーター的にブラーでスプラッシュさせるのも効果的。ヒラマサが回遊する磯場では足下のカケ上がりに着いてお
り、底から一気に巻き上げて誘うといきなりひったくられることもある。
小物を狙っていても以上の3魚種がヒットする可能性は大いにある(釣れた小物に大物が食ってくることも)ので、常にタモだけは忘れないようにしよう。