【連載】わっぱが特捜隊ANOTHER SIDE /Vol.5梅雨の渓流トラウトは沢で決まり!編

秋田/佐々木武

【前回記事】わっぱが特捜隊ANOTHER SIDE /Vol.4ふらっとフラットフィッシュ編

連載「わっぱが特捜隊 another SIDE」は隊員Tが釣りのジャンルや、釣り方など一切気にせず自由気ままに釣りをご紹介する連載となっております! 今回は渓魚の活性が上がる梅雨時期釣行をお届けします!

隊員T
隊員masa

エピソード1◆増水&濁流◆

実釣は7月上旬。まさに梅雨真っ盛りで定期的にまとまった雨が降り川は増水傾向だった。今年は6月までまとまった降雨が殆んどなく、渇水でどこの渓流、本流はカラッカラッだっただけに、海や川の生態系に対しては恵みの雨。ところが渓流釣りに関しては増水と濁りで釣りができない状況が続いていた。

細い流れの沢釣行
ボサ生い茂る沢

そんな、増水時の逃げ場としては渓流の支流や更に支流の沢がある。普段水量が少なく逆に釣りにくいが、雨が降った後は大チャンスとなる。しかも水はけが良いので、大雨が降った後でも回復が速く、本流、渓流が大増水していても意外にも釣りが可能な場所も多いのだ。

エピソード2◆秋田県・県南部の沢へ◆

ルアーフィッシングで狙う
5ft台のトラウトロッド
偏光は沢歩き必携アイテム

わっぱが隊員MASAとTは鳥海山を水源とする秋田県南の小渓流へと車を走らせた。鳥海山付近の渓流、沢は高低差があり石も巨大で海から距離がない場所でも苔が生えた源流チックな渓相が多い。

ポイントへ着くと鬱蒼と生い茂った草木の隙間から、わずかながらに見える流れ。川幅2m前後の普段は枯れているであろう小さな沢だったが、連日の降雨の影響でやや濁り気味で水量はベストな感じ。

まずはホームの隊員MASAが先行して釣り上がる。最初のポイントでルアーをアップでキャストして攻めると、すぐにチェイスがあった。渓流でも同じだが、更に川幅が狭い沢では先行者がいると全くチェイスすらないことも多々あるので、ここぞというポイント数箇所を攻めて反応がない場合は潔くポイント移動したほうが良い。

ミニ堰堤を攻める!

開始早々にチェイスがあり期待大の展開の中、ピックアップ直前にバイトがあったが惜しくもヒットせず(惜)。トレース距離が短いので食わせるの難しいのが沢釣りの醍醐味。それでも釣り上がって行くと要所要所でチェイスがあり、隊員MASAがようやくキャッチ! 沢育ちの奇麗なヤマメを撮影してリリースした。

続いては隊員Tのローテーション。トレース距離が短いので選んだルアーはスピナー。立ち上がりが速く、ただ巻きでスローに狙えるリーサルウェポン。落差のある落ち込みにルアーをキャストして狙うとチェイスはあるがなかなかヒットに持ち込むことができずに苦戦。

しかも反応のある区間とない区間の差が激しく、チェイスすらない時間帯が続く。2人で交代しながら上流へ上がって行くと、隊員MASA実績ポイントのカーブの深みが現れた。そこへ隊員Tのスピナーをキャストすると1投目からチェイス、そして数投目ようやくヒットし無事キャッチ。サイズはミニマムだが、他の河川が釣りにならない増水時のヤマメは最高の出逢い(嬉)。

奇麗なヤマメ
やっと釣れましたー!
小さくても価値ある1匹

エピソード3◆えっ! ここでっ?◆

とりあえず2人共に本命のヤマメはコンプリートできたので、続いてはニジマスでも釣りに行こうと隊員MASAオススメの渓流へ。

増水で釣りにならないと思いきや、意外にも水量は少なく、濁りもないのでニジマスが着くピンポイントを狙うことに。そこは流れが当たって少し深くなっており、ボサに覆われカバーにはなっているが、流れがかなり緩いポイント。

ニジマスはボサ下にタイトに着いているらしいので、2人でルアーをキャストしてみる。しばらく全くの異常なしでダメかと思われたそのとき、隊員Tの操るミノーの後ろに激しい魚のチェイスが!

次なるステージへ
真面目に狙う隊員T

諦めずにトゥイッチしていると何とかヒット! そして隊員MASAのほうを見ると何とヒット中! ダブルヒットだったが隊員MASAは隊員Tのヒットに気づいていない様子。隊員MASAを横目に隊員Tは30cm前後のニジマスだろうとファイトしていると、何だか模様が見える…。な、な、何と! パーマークがハッキリと確認できたではないか!

急にドキドキして大事にファイトして無事にネットイン(安)。そして隊員MASAが「釣れました~」と話してきたので「こっちもキタや~」と魚を見せると目が点に…。尺はありそうなヤマメを見て驚く隊員MASA。

良いヤマメ釣れましたー!
アイマ「スカリ50SS」にバイトしてきた尺ヤマメ
時間が経っても消えないパーマーク
ヤマメ最高!

エピソード4◆これだから釣りはやめられない◆

最後にダブルヒットでハッピーエンドのわっぱが隊。しかも流れの緩いポイントで尺ヤマメが釣れるという快挙! 釣りは何があるか分からないから面白い。サイズを測るとパーマークくっきりの31cm。隊員MASAはアベレージサイズのヤマメで、ニジマスは釣れなかったが終わり良ければ総て良し。

こんなボーナスステージのようなことがあるのが釣りの醍醐味ともいえる。今回は本流、渓流が増水で釣りにならないときの逃げ場の沢歩きにチャレンジしたが、不意の大物が釣れるかもしれないのでとてもスリリングで面白い。クマ対策をしっかりして、増水には気をつけてトライしてみてはいかがだろうか?

クマ対策をお忘れなく!

WRITER

佐々木武

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秋田県秋田市出身50歳。本誌時代よりの連載「わっぱが何でも釣り特捜隊」シリーズの隊員Tとしてもお馴染み。下手っぴながら色々な釣りにチャレンジしており、釣りの楽しさを伝えようと日々模索している。

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