宮城/佐々木健丞
宮城県サーフのヒラメシーズンが今年も開幕しました。簡単には釣れないこの釣りですが、だからこそヒラメを釣り上げた時の喜びは格別です。シーズン序盤においてどのような釣り方が有効か、私の今季初釣行を元に解説します。
ヒラメの行動パターンと季節性
宮城県沿岸のヒラメは真冬に沖の深場へ落ちて4月から12月にかけてエサを追って接岸します。水温でいうと15〜23度になる時期は安定した釣果が期待できます。シーズン序盤に最も重要視しているのは釣りをする時間帯です。春は経験上夕まづめがベストだと考えています。理由としては水温が比較的高く、エサとなる小魚の動きも活発になり、なおかつヒラメの警戒心が弱まる光量変化のタイミングだからです。
そしてこれは季節性の反応で行動パターンが決められているのではないかなと。人が同じ気温でも春と秋で服装が違うように季節の移り目に内在する生物学的なリズムの影響があり、そのリズムに個体差こそあれど、結果として春に分があるのが夕まづめだと理解しています。ハイシーズンのような朝まづめ効果は期待していません。
シーズン一発目の釣行でヒラメをキャッチ
今季初釣行は4月4日、場所は仙台サーフ。曇天ながら波風は穏やかで快適に釣りができる状況です。そして水温測定してみると16度と、この時期にしては高く、しっかりヒラメの適水温で期待が高まります。当日は午後4時30分に釣り場へ到着。潮は下げ止まり直前のタイミングで、水位が下がっていて波の立ち方からヒラメが好む地形変化を探して効率よく釣りやすい時間です。しかし、これらの条件はさほど気にしておらず、とにかく重要なのは時間帯。自信のある夕まづめ狙いであることです。
始めはバディーワークス「99ヘッド」14g+「フラッググラブ」5in/サクラグローでランガン開始。寒い時期は遠投しないと釣れませんか? というご質問をよく受けますが、無関係です。波がなくて地形変化が分かりづらい状況のため、確実に地形変化がある波打ち際を食わせの力が強いワームで集中的に狙う近距離戦からスタート。約40mキャストした後、ボトムを取ってゆっくり海底付近を巻き続けます。
無反応なまましばらく歩いたところで、明確な潮目が砂浜に垂直に当たっている場所を発見。すぐに結果は出ないものの、その他にめぼしい変化も見当たらないためそこで粘る判断をしてルアーチェンジ。セカンドブレイク、サードブレイク狙いをするためにバディーワークス「オフベイト」40gを選択。センターバランスのオフベイトは他とは一線を画すゆらゆらとしたシンペンチックなアクションが魅力的なジグです。この後はすぐでした。
午後5時19分、90mほどキャストしてこの時期にも実績が高い早巻きタッチ&ゴーで攻めると50m先でのフォールからの巻き始めでゴンッと勢いよく衝撃が伝わってきたのでフルパワーでフッキング。サーフフィッシングでは遠投後の糸のたわみや不安定な足場を考慮し、しっかりと力を込めて魚に合わせることが貴重なチャンスをものにするコツです。久々に感じる縦の首振りからヒラメを確信し、引きを楽しみつつ慎重に寄せてランディング成功。厚みのある50cmほどのヒラメでした。
その後も同じ場所で投げ続けるとなんと3投連続バイト。内2回はオフベイトで同パターン、最後はアダスタ「シーシェイカー」25gでシンペンならではの浮遊感を活かしたドリフトで深いバイトを狙いましたがいずれも乗らず。その後は完全無反応となり雨が降り始めた午後6時に撤退しました。
例年にない高水温が続いてどのようなシーズンになるのか懸念される状況でしたが、思いのほかシーズナブルパターンに忠実な開幕となりました。私の読みでは4月下旬から5月上旬にかけて徐々にお昼の下げ時合いが熱くなり、マゴチが複数本狙えるようになる5月下旬から一気に朝まづめ時合いが始まります。是非ご参考にして頂いて釣りをお楽しみ下さい。