東北の春夜をアツくする「夜アイナメゲーム」#2 使用リグと基本の釣り方を知ろう!

岩手/大泉純輝

昨秋から高水温が続き、例年とは少し異なるシーズンの進行となった東北のロックフィッシュシーン。特に東北の代表的なターゲットであるアイナメは、渋いながらも「デイゲーム」で釣れ続けている状況です。そんなアイナメが1年のうち春の時期においては、一時的に「夜型」となることをご存じでしょうか? 今回は、東北の春夜をアツくする「夜アイナメゲーム」の魅力やメソッドをご紹介したいと思います。#2では使用リグと基本の釣り方を紹介します。

前回の記事「東北の春夜をアツくする「夜アイナメゲーム」#1 なぜ夜に釣れるのか?」

タックル&リグ、ワームは?

タックルについて、私は近~中距離用として全長7ft前後のL(ライト)パワーのスピニングロッドに2500番前後のスピニングリール、ラインはPE0.4号+フロロカーボン5~8Lb(リーダー)。遠距離用として8ft前後のMパワーのスピニングロッドにC3000番前後のスピニングリール、ラインはPE0.6号+フロロカーボン8~10Lb(リーダー)を使い分けています。

扱うリグのウエイトや魚へのアプローチの仕方、狙う明暗の距離によって、タックルを使い分けています。基本的にライトなタックルと細めのラインを使用するため、ベイトフィッシュをたらふく食ったコンディションの良いアイナメとのやり取りや強烈な首振りはたまりません! 魚を取り込む時のためや、リリース前提の場合は魚へのダメージ軽減を考慮し、ランディングネットを携行しましょう。

リグについて、ワームを付けたジグヘッドリグをメインに使用します。ジグヘッドのウエイトはポイントの水深や魚の活性次第で調整しますが、私は1.8~7g程度をベースにしています。海藻の多いポイントでは、効率よく探るため、同ウエイトのテキサスリグも良いでしょう。
ワームについて、ベイトフィッシュを捕食している場合が多いので、シャッド系ワームをメインに使用します。エコギアであれば「グラスミノー」S~Lをその時々のベイトフィッシュのサイズに合わせて使い分けます。特にオススメのカラーは「チカチカ室蘭(夜光)」!個人的に夜アイナメの実績が非常に高く、是非カバンの中に入れておいて頂きたい鉄板カラーです。

その他だと、「ミノーS」や「キジハタグラブ」3~4イinなども実績あり。また、エビやカニなど甲殻類系を捕食しているときは、「バグアンツ」2inクラスや「ミニタンク」も用意しておけば、対応の幅が広がります。初場所や、手っ取り早く魚の反応を探りたい時は、いわゆる汁系ワームである「エコギア熟成アクア」シリーズもオススメです。

筆者タックル

〔近~中距離用〕 ・Rod:【NORIES】ロックフィッシュボトムパワーオーシャン 711LS2 ・Reel:【SHIMANO】コンプレックス XR 2500 F6 HG 〔遠距離用〕 ・Rod:【NORIES】ラフサーフ 88 ・Reel:【SHIMANO】ツインパワー C3000 HG

エコギアワーム各種
基本はジグヘッドリグが中心

釣りのスタイルやアクションは?

「夜アイナメ」はあくまでエサを捕食しようとしているので、急激な水温の変化などよっぽどのことがない限り、著しく活性が低くなることはないと考えております。なので魚が居る所にリグを通すことができれば、比較的イージーに何かしらの反応を返してくれると感じています。仮に1stバイトでフッキングをミスした場合でも、追い食いしてきたり、再度同じコースを通せば再びバイトしてきたりするなどヤル気のある個体が多い傾向にあります。

逆を言えば、何度か通して反応がないということは、その時点でそのポイントには魚が居ないということと捉えて良いので、1箇所で粘らずにどんどんポイントを移動する「ラン&ガンスタイル」が効率良いと考えています。ポイントによっては、潮汐を見ながら時間を変えて入りなおすのが得策だと思います。
アクションとして、私は「縦のジャーク」「スイミング」「リフト&フォール」の3つを軸にしています。前述のとおり、夜アイナメは基本的にヤル気のある個体が多いので、私はジグヘッドのウエイトは重めのものから使用し、早い動きについてくることができるコンディションの良い大型の個体から狙っています。

ウエイトのローテーションとしては、エコギア「イワシヘッド」であれば7→5.3→3.5gの順に使用し、フッキングミスや魚が追い切れていないなどで獲れなかった際はウエイトを落として再度アプローチしフォローを入れています。フォールスピードの調整方法として、がまかつ「ホリゾンヘッド」のようなラウンド系のジグヘッドで、同ウェイトでもフォールをゆっくりにしたり、ジグヘッドのヘッド形状で調整しています。

グラスミノーSは食わせの切り札

漁港以外の狙い目なポイント&注意点とは?

「夜アイナメ」が釣れるのは漁港内だけではありません。漁港に隣接するサーフや砂利浜に漁港内の外灯の光が漏れていたりすれば、夜アイナメが釣れる可能性大です。サーフや砂利浜であれば、水深が急激に変わるブレイクの明暗や波打ち際に着いていることが多いので、是非狙ってみて下さい。

アイナメは意外と足下に居ます。例えば漁港で、ポイントに着いていきなり岸壁際に立ってキャストするのではなく、まずは自分の影が海面に映らないように立ち、キャストしてみて下さい。少しだけですが、魚に逢える確率が高まるかもしれません。

今回ご紹介した「夜アイナメゲーム」のメソッドはあくまでほんの一部、私の一例ですので、是非その他のパターンも探ってみて下さい。また、その名の通り夜間の釣行となります。釣果を優先し過ぎて、大切な命を失ってしまっては元も子もありません。水難事故防止の観点からも、釣行時は必ず「ライフジャケット」を着用しましょう。また、場所によっては「スパイクブーツ」を履くなど自分の身を守る対策をお願いします。

これから、徐々に水温も上がり、海の中も春めいていきます。まだまだ肌寒い東北の春夜を熱くする、この時期限定の「夜アイナメゲーム」を是非楽しんでみて下さい!

WRITER

大泉純輝

エコギア、フィッシュリーグプロスタッフ

記事一覧へ

岩手県在住。釜石市がメインフィールド。ロックフィッシュ、イカメタル、フライフィッシングを中心にシーズナルの釣りを楽しみ発信中。ロックフィッシュトーナメントへも積極的に参戦している。

記事を探す

魚種から探す