~聖地・米代川で紡がれる「釣れない魚」への情熱と哲学~
東北のサクラマスシーンを牽引してきた二人のスペシャリスト、佐藤偉知郎氏(SOULS)と佐藤文紀氏(PRO’S ONE)。バリバス×シーガーがプロデュースしたこのスペシャル対談では、テクニックの原点から、サクラマスを取り巻く環境の変化、そして次世代に繋ぐべき想いまで、約1時間にわたり深く語り合われた。その熱い対話の全容を記す。

1. 黎明期の米代川とサクラマスとの出会い
佐藤偉知郎氏が米代川に通い始めて約40年。当時はまだサクラマスという魚の情報が極めて少なく、手探りの時代だった。
- 出会いの衝撃: 先輩が釣り上げた70cmを超えるサクラマスの剥製を目の当たりにし、「こんなにすごい魚が川にいるのか」と衝撃を受けたのが全ての始まりだった。
- 当時のポイント: 二ツ井の富根エリア、橋の下のテトラや急脚のヨレなどが主戦場。当時はスプーンを転がす釣りが主流で、情報がない中でひたすら川に通い込み、渇水期の地形を頭に叩き込むことでポイントを理解していった。
2. 「イチロージャーク」誕生の真実
今やサクラマス釣りの代名詞ともいえる「イチロージャーク」。この激しいアクションは、単なる思いつきではなく、魚の生態観察から生まれたものだった。

- 捕食スイッチの発見: 偉知郎氏は自宅で飼育していた渓流魚の観察を通じ、腹が満たされた魚でも、逃げ惑うベイト(金魚)の動きに対しては、反射的に口を使ってしまう「リアクション」の瞬間を目撃。
- 演出としてのジャーク: 水温が高い6月など、通常のアプローチでは口を使わない状況下で、この「逃げ惑う動き」をルアーで演出したところ、それまでの不調が嘘のように連発。これがジャーキングメソッド確立の瞬間だった。


3. ルアーの進化:16Beatからナムサンへ
ジャーキングを成立させるためには、専用のルアーが必要だった。SOULSを代表するルアーたちの開発背景には、明確な意図がある。
- 16Beatの狙い: 激しいジャークに耐え、浮力を持たせつつ、米代川のような大河川で必要な飛距離を確保するためのバルキーなボディ形状。
- ナムサン(NAMUSAN)の「波動」: 近年の4月解禁など、濁りが入る状況やフレッシュな魚に対しては、激しすぎる動きよりも「波動」で訴えかけることが重要。見えない位置からも魚を呼び寄せ、突き上げさせる能力に特化している。


4. ラインシステムの哲学:ナイロン vs PE
二人の対談で最も議論が白熱したのが、ラインシステムの使い分けだ。
佐藤偉知郎の選択:ナイロン一択
- スタイル:ナイロンのバリバス 「スーパートラウトアドバンス ビッグトラウト12lb」に「エクストリームショックリーダー20lb」を合わせる。
- 理由: 飛距離や感度よりも、キャスティングやファイトの「楽しさ」を重視。ナイロン特有の伸びを活かした最小限の動きでルアーを操る美学がある。また、ダブルライン(ビミニツイスト)を組むことで全体強度を底上げする。
佐藤文紀の選択:PEとナイロンの共存

- 状況判断: 気温0度以下の厳寒期は凍結を防ぐためにナイロン。それ以外は、遠くの魚を射程に入れるためのPEラインのシーガー「R18完全シーバスステルスグレー」1号)+リーダーの「グランドマックスFX ショックリーダー」5号を多用。
- テクニック: PEの表面張力を利用してラインを水面に置くことで、ルアーの潜行深度をコントロールしたり、根掛かりを回避したりする。
5. 釣れない魚だからこそ「心の余裕」を

「なぜ、これほど確率の低い釣りに心血を注ぐのか」という問いに対し、二人の答えは共通していた。
- 価値の高さ: 1匹の価値が圧倒的に高いからこそ、挑戦する価値がある。
- マナーと心の余裕: 近年、場所取りなどのトラブルも見受けられるが、本来釣りは楽しむもの。釣れないのが当たり前の魚だからこそ、釣れた喜びを分かち合い、他人を尊重する「心の余裕」を持って川に立ってほしい。

6. 未来への継承:命と自然を考える
サクラマスの個体数減少や温暖化、ダムの問題など、フィールドを取り巻く状況は厳しい。
- アングラーができること: リリースという選択肢、密漁をしないこと、ゴミを拾うこと。こうした小さな積み重ねが、サクラマスという魚の存続に繋がる。
- 次世代へ: 「この素晴らしい釣りを、自分たちが体が動かなくなった未来でも、誰かが楽しんでいる世界であってほしい」。サクラマスを通じて命の尊さや自然保護の意識を学び、歴史を繋いでいってほしいという願いで対談は締めくくられた。

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【出演】 佐藤偉知郎(SOULS)、佐藤文紀(PRO’S ONE)
【協賛】 VARIVAS、クレハ合繊(Seaguar)


