【投げ釣り専科】vol.26 庄内サーフ 落ちギス 日本サーフキャスティング連盟 有志

水平線に沈む夕陽に明日の釣果への願いを込める!

“落ち爆”に期待!

令和6年10月6日(日)、山形県鶴岡市湯野浜海岸に、東北各協会の日本サーフキャスティング連盟メンバー有志が集い、秋の落ちギス釣りに挑んだ。


庄内のサーフでは、毎年10月末頃までは投げ釣りでキスを狙うことができる。ただし、越冬に向けて荒食いをしてから深場に向かうキスはどこにでも居るわけではなく、エサの豊富なポイントに群れをなしていることが多い。

そのため、ゾロゾロと数多く釣れるパターンもあるが、反対に群れが入っている場所と仕掛を通すラインが違っていると、いくら「好ポイント」に見える箇所であっても、全く反応がないケースもあり得るのがこの季節のキス釣りである。

熟練の名手が挑む!

前日の夜まで西風が吹き、庄内の各海岸線には高めの波が打ち寄せていた。今回各メンバーが足を運んだ湯野浜は、比較的遠浅なサーフであるため、波による濁りが発生して決して芳しい状況ではなかった。そのため各メンバーは夜の間に波が落ちてくれることを祈っていたとのこと。

駐車場のほぼ正面からやや右側にクーラーを置いたのは、新妻氏と山口氏(共に宮城県)。様子を伺うと、「アタリないっすよ…」と悲しそうなコメント…。しかも4色から手前の距離にはゴミはが堆積しているとのことで、丁寧にジックリ探ると仕掛けにゴミが引っ掛かり、重くて回収するのが大変のようだった。

実力派の両名にアタリが出ないということは、かなり厳しいのかもしれない。山口氏は沖に見えるテトラ際も探ってみたが、残念ながらキスからの魚信は届いていなかった。

遠投がヒント

そんな厳しい状況の中で、手前にゴミがあることを把握した石山氏(宮城県)は、7色以上遠投してからゴミの沖側を探る作戦を立ていた。

そんな石山氏も最初はアタリが入らなかったが、遠投を続けていると6色付近で明確なアタリをキャッチ! 遠投しても明確にアタリをキャッチできるようにカスタマイズをした天ビン&オモリを駆使し、見事に貴重な1匹を仕留めた。その後も一回り小さめながら1匹を追加した。しかし、その後はゾロゾロと連掛けする光景までには至らなかったようだった。

ファイナリストの意地!?

そんな石山氏の遠投釣法を横目で見ていた菅原氏(山形県)は、それまで狙っていた距離から遠投に切り替えていた。

2024年シマノ「ジャパンカップ」でファイナルを経験した菅原氏。想いを込めて全力で沖を攻めるが、如何せんキスが反応を示してくれない…。やがて2時間以上経過して、やっと1匹キャッチしたのはファイナリストとしての意地だったのかもしれない。

そんな菅原氏はタックルを片付けるや否や、「由良さ移動します!」と語り、湯野浜から車で15分程で到着する由良海岸に走っていた。

そして約3時間の実釣で次のような釣果を叩き出した。

どうやら“落ちギス”を求めて移動した作戦が功を奏したようだ。短時間でキスが群れているポイントを探り当て、湯野浜でのストレスを解消していた。本来であれば、これが庄内サーフのポテンシャルだ。たまたま当日の湯野浜の状況がイマイチだっただけで、この先もまだ1ヶ月近くはキスの釣果に期待が持てることだろう。

晩秋はルアーマンと共存

例年通りであれば、秋になると庄内のサーフにもカタクチイワシなどの小魚が回収し、シーバス、ヒラメ、イナダ、サゴシなどの様々なフィッシュイーターが姿を現す。また、最上川の恩恵かと思われるが、酒田港ではタチウオフィーバーを迎える頃でもある。

同時にサーフの投げ釣りは落ちギスの爆釣シーズンでもあり、ルアーマンとの共存が求められるようになる。先行者優先というマナーをお互いが遵守し、声を掛け合って挨拶するなどの配慮をして頂きたい。

この先も末長くみんなの海をみんなが楽しめるためにも…。

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釣り東北WEB編集部

株式会社釣り東北社

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「釣り東北WEB」の運営、取材、撮影、編集、映像制作をメインに行う。他、ワカサギの穴、トラウトステージといった東北で人気ジャンルの別冊を刊行。

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