【米代川アユ2024】最終盤攻略!人気ポイント・銀杏橋上流(二ツ井エリア)の攻め方

秋田/編集部、協力/工藤康弘(がまかつフィールドテスター)

長いようで短い、東北のアユ友釣りシーズンも最終盤に入りました。

前半は東北各地を襲った豪雨により釣りにならなかった期間も多く「今年のアユはもうダメかも…」そう思った方も多いはず。

しかし、東北の大自然で育まれたアユはたくましく、アユの名川・米代川(秋田県)では後半例年どおり、いや、それ以上に釣果が回復してきました。

そんな状況にシーズン最終盤、釣行を考えている方も多いことでしょう。

そこで本稿では、米代川へ足繁く通い精通する工藤康弘さん(がまかつフィールドテスター)協力のもと、人気ポイント・銀杏橋(二ツ井)上流、シーズン最終盤の釣り方を紹介したいと思います。


目次

  1. 魚が自然と集まる銀杏橋上流エリア・人気の理由とは
  2. 荒瀬で良型アユと渡り合えるタックルセッティング
  3. ラストスパート!終盤の銀杏橋上流ポイントの立ち回り方

魚が自然と集まる銀杏橋上流エリア・人気の理由とは

米代川の魅力を語る工藤康弘さん

米代川の流程は長く、下流、中流、上流、支流で様々な表情や特徴があります。

中でも工藤さん始め多くの方が推す人気ポイントが、中下流域の二ツ井エリアです。

そして二ツ井エリアを代表するポイントが「銀杏橋上流」

ここは中下流域で川幅が広く、中洲があり左右中央とポイントが広くあります。同じようなポイントは藤琴合流下の河川公園付近にもありますが、「銀杏橋上流」に分がある理由は、なんといっても米代随一の荒瀬が左右にあることです。

銀杏橋上流のトロ場。広大な川幅がスケールの大きさを物語る

瀬の上下には深トロがあり休み場が控え、シーズン初期は天然遡上のアユが素通りせず留まるエリアで、後半、終盤で見ても下ってきたアユが溜まりやすくあります。

さらに銀杏橋上流の魚の特徴として、とにかく引きが強い! 強い流れで育まれたアユのパワフルな引きが釣り人をとりこにするのです。

最高の遡上量が見込めるシーズンにはエリア全域がポイントになり、石ひとつに1匹着くような状況だと、100匹超えが望めるポイントです。

上にのぼって仕事をする魚もいれば、下ってきて「瀬があるな!」ということで復活する魚も出てくる…いわば常にアユが供給される一級ポイントたるゆえんです。

工藤さんは中上流の大館(十二所近辺)エリアも終盤のお気に入りとして挙げてくれました。
参考までに大館のポイントの特徴は岩盤が広範囲にありアカ(エサ)着きが良く、尺アユの出る可能性、魚の目方に関しては大館に分がある一方で、どうしても二ツ井に足が向く理由として「この広大で絶景の中、ダイナミックな荒瀬で良型アユと対峙できるんですよ。それが最大の魅力ですね」と話してくれました。

荒瀬で良型アユと渡り合えるタックルセッティング

シーズン終盤、25cm、荒瀬狙い」。

以上のキーワードで仕掛けを組む場合、皆さんはどのようにセッティングするでしょうか? ここでは工藤さんのタックルを紹介したいと思います。前提として、釣りスタイルは「引き釣り」です。

・水中糸/メタル0.2号6m
・ハナカン周り/フロロ1.5号
・ハナカン/「楽勝ハナカン」8mm
・サカ針/「大鮎ピットサカサ
・針/「メガ要チラシ」10~11号

水中糸の考えとして、終盤のアユはナーバス(神経質)、スレ気味になっていることが多く、できるだけ細くしたいものですが、掛かるサイズは25cm以上の良型。と、なると0.2号が下限で、太くしても0.3号です。

ハナカンの8mm設定は、大きいオトリを扱う場合に仕事のしやすさを優先して手返しアップの狙い。

針はチラシスタイルで、大アユ対応で掛かり、キープ力に長けた「メガ要チラシ」10~11号。やはり針も強いものでなければ荒瀬・良型アユ相手にはかないません。

強い針を選ぶことが大アユを狙う上で重要

【終盤の米代川にベストマッチなロッド】

ロッドは「がま鮎パワーソニック振抜尺」をセレクト。

曲げて獲るというのはまさにこのこと。抜群の粘りと復元力で抜き上げ力もある

通常、「尺・尺アユ」といった名前が付く竿といえば、尺アユを獲るのだから、重たい、硬い、扱いにくいといったイメージを持たれる方も多いと思います。

しかし、パワーソニック振抜尺はまるで違い、むしろすべてにおいて吸収してくれる軟らかさを持っています。

また、ただ軟らかいだけでなく、荒瀬でも引き受けるバネ、粘りのあるパワーも特徴。

工藤さんはここ数年で触った竿で、「これほどまで終盤の米代に合う竿はない」というほどです。

ラストスパート!終盤の銀杏橋上流ポイントの立ち回り方

まずはシーズン問わず用意したオトリを早めに変えることが先決。

具体的には瀬の核心部にはいきなり入れず、瀬頭、瀬肩、瀬脇にオトリを入れて、まずは1匹を確実に。

瀬頭、瀬肩、瀬脇にはオトリが弱りにくい流れの緩い場所があるので、始めに狙うべきポイントです。

オトリを複数匹確保でき、体も馴れて水温が上がってきたらいよいよ核心部の瀬を狙ってみましょう。

終盤で絶対数が少なくなってきても、確実に追い気のアユが居るのは瀬の中です。掛かれば勿論デカいし抜群の引きを味わえることでしょう。

天然のアユにオトリが変われば、ここのアユは流れにも強いためオモリを付けなくてもポイントに入っていく力があります。なおかつオトリが入っていったところがポイントです。

終盤、オモリのあるなしで反応が変わるほどナーバスになっていることも多く、天然の遊泳力を信じて泳がせるのもポイントです。

シーズン最終盤は米代川の大自然の中で釣りをできる喜びを噛みしめ、数よりもクオリティーを求めるのも良いでしょう。

終盤にキャッチした26cmのアユ

最後になりますが、今年も残念ながら米代川水系にてアユ釣り中の水難死亡事故が複数件発生してしまいました。

原因は定かではありませんが、いずれにせよ知識・経験不足の無理な渡渉や立ち込みは禁物です。

また、万が一流されてしまった場合、下流のどの位置が浅くなっているのかなどをイメージしておくことも大事です。

安全を最優先して、シーズンラストスパートを楽しみましょう!

WRITER

釣り東北WEB編集部

株式会社釣り東北社

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「釣り東北WEB」の運営、取材、撮影、編集、映像制作をメインに行う。他、ワカサギの穴、トラウトステージといった東北で人気ジャンルの別冊を刊行。

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