～今季希少な氷上フィールドで試してみよう！～
解説：斎藤剛直
今シーズンはご存知のように冷え込み不足で、殆どのフィールドでは氷上ワカサギ釣りができるか危ぶまれている。まったくできないのか、それとも短期間だけ解禁するのか予測はできないが、いざ氷上シーズンが始まった時、また来シーズン以降にも参考になる桧原湖の氷上穴釣りのコツなどをバリバスフィールドテスターの斎藤剛直さんに解説頂いた。
自分でポイントを探す楽しさ
桧原湖と言えば氷上ワカサギ釣りをイメージする人も多いと思います。近年では温暖化の影響で氷上シーズンも短く、約２ヶ月程の期間となってしまっています。
氷上ワカサギ釣りは屋形と違いポイントを自分で見つける楽しみもある。私が氷上シーズン釣りをしているのは桧原湖の南エリア。北部エリアがフラットな地形に対して南エリアは起伏がありピンスポットのポイントが多いが、ワカサギが溜まりやすくそのポイントを見つけることができれば好釣果が期待できるからだ。
ポイントさえハマれば連掛けも期待できる
時期毎にエリアを意識
桧原湖では12月中旬頃に水門を開き徐々に減水していくので、水深の変動も考えポイントを探すことが重要で、氷上解禁直後は氷の状態で釣りができるエリアが限られる部分解禁だが、全面解禁になってからは地形や水深、季節を考慮してポイントを探している。
２月は各エリアの最深部やハンプ周辺などワカサギが多く集まりそうなポイントを重点的に探っている。
３月になると産卵を意識した個体が増え、雪解けの影響で活性が上がるいわゆる春爆の時期がある。この時期は浅場や流れ込み付近にワカサギが集まりやすくなるので浅場や流れ込みポイントも重点的に探すことも重要である。
居ても食わない食い渋り
氷上初期は各エリアでフレッシュなワカサギが多く魚影が薄くても誘えば素直に食ってくるイメージだが、２月に入ると抱卵する個体が増え魚影があっても食わない食い渋りの時期になる。
その対策としてオモリを軽くしスローに誘うことが一般的な対策だと思うが、私の場合はリアクションの誘いで食わせることが多い。勿論リアクションの誘いが効かない状況もあるが、その場合はスローな誘いを試している。リアクションと言っても誘いでリアクションの釣りをしたり、仕掛けでリアクションを付けたりもする。
誘いでのリアクションはメリハリを意識する事が重要で、水中でエサが「ふわっ」と動くのではなく「すっ」と動くイメージで誘っている。この場合胴調子の穂先よりは先調子の穂先、バリバス「桧原MAX319燻紫銀SFX」や同「レーシングMAX321WRX」などの穂先が誘いやすい。
先調子の穂先でメリハリのある誘いを演出
バリバス「ワカサギ仕掛け 桧原MAX 五本鈎」
居食いはより繊細な穂先を
そして氷上シーズンによくある居食いパターン。居食いはワカサギがエサを吸い込む力が弱く、エサを捕食しても動きが鈍くアタリが出づらくなる状況である。
その対策としては穂先の「アイスMAX309」のような繊細な穂先を使用しオモリを軽くする。ショートハリスの仕掛けを使用しアタリを出しやするなど様々な方法があるが、居食いの場合はステイ中の穂先の変化だけではアタリを見逃しやすく、アワセが遅れたりすることがよくある。
私の場合、居食い対策はスペーサーを活用し延長。手感の釣りや、誘い後の穂先の変化を見てアタリを取っている。普段の釣りでも手感や誘い後の穂先変化でアタリを取っているが、居食いの時期はより手感や誘い後のアタリを重要視している。特に誘い後のアタリは見逃してしまいそうな微かな変化だが、居食いの時期はこのアタリを取れるか取れないかで釣果はかなり変わると思う。
穂先のバウンドに注目
他の人の釣りを見ていると、殆どの方が誘い後のバウンド中に出ているアタリを見逃している。誘い後のアタリは様々だが、誘い後に穂先の戻りが通常よりスローだったり、穂先がバウンドしなかったり、バウンドの回数が多かったり、少なかったり、バウンドが一瞬止まったりするのもアタリなので違和感があればアワセを入れるように意識すると徐々にバウンドの変化でアタリを取れるようになる。
この変化でアタリを取れるようになれば居食い時期だけでなく、屋形シーズンでも飛躍的に釣果アップに繋がるだろう。
氷上では氷の薄いエリヤや空気穴などの危険なエリアもあるので漁協の立ち入り禁止エリアには絶対に立ち入らないこと。悪天候の時は無理な釣行は避けテント内での一酸化炭素中毒にも十分注意してワカサギ釣りを楽しんでもらいたい。
もし、氷上釣りが叶うなら全力で楽しんでほしい
