ご存じのように昨年から黒潮の蛇行により、その暖流がもろに三陸付近に当たり続けている影響で、日本海側よりも水温が2~3度高いという逆転現象が起こっている。1月下旬でも三陸沖は近海で水温14度、沖合で20度と異常な高さ。12月25日頃は近海でなんと水温19度もあったという。それが魚たちにどう影響を与えているのか、釣り人からの情報を基にまとめてみたい。
続出!今までいなかった魚たち
岩手県や宮城県では、昨年~今年1月にかけて、アカハタ、オオモンハタ、クエ、スジアラ、キハダマグロなど、これまで釣れなかった、獲れなかった暖流系魚種の情報が続出した。中でも宮城県エリアでの昨春~夏のケンサキイカ、秋~冬のアオリイカ、夏~秋のマガツオなどの好調はすさまじいものがあった。
逆に釣れなくなった魚たち
仙台湾を代表するターゲットの
カレイたちも鳴りを潜めている
アイナメもまた年々減少傾向にある
一方で、やはり寒流系の魚は低迷。仙台湾のマガレイはかつては100枚を超える釣果もあったが、昨年は竿頭でも10~20枚程度と、1/5~1/10の釣果まで落ち込んだ。アイナメもオカッパリはかなり厳しく、ボートでも容易ではない状態。ハンター塩津氏によると、「ハイシーズンに誰も入っていない一級磯場でノーバイトだった。アイナメは冷たい水を求めて水深130mラインまで落ち、産卵でも水深40~50mまでしか上がってきていない話もある」とのこと。
シーズンが続いている魚たち
タチウオは右肩上がりで釣果が増えている
例年なら年末~1月前半には終了する宮城県のタチウオやマダイがまだ釣れており、岩手県三陸沖のヤリイカはまだまだシーズンが続きそうな雰囲気。
その影響は淡水にも
海水温が高い影響で、オホーツク海からの寒流に乗って回遊してくるサクラマスの群れがなかなか南下してきておらず、1月1日に解禁した追波川はいまだサクラマスの気配がないようだ。
今シーズンはどうなる?
もしかすると、このまま水温が下がらないまま水温上昇期に入る可能性がある。アオリイカは多くの個体が越冬し、春に産卵。マダイ、タチウオは釣り場こそ変動すれどシーズンオフにならないかも? いずれにしても暖流系の魚がさらに勢いを増しそうだ。編集部も随時その動きを追っていきたい。