サーフから価値ある大輪を!青森下北サーフのショアサクラマスゲーム

青森/相内栞太

今年も本州北限の地に訪れるは、サーフから狙うサクラマスシーズン。この時期を待ち遠しにしているアングラーも多く、吹雪の中でも釣り場に足を運ぶほど魅力的なターゲットであることが分かる。そんな過酷な環境の中、どう攻略していくのか、どんな魅力があるのか。今回はそんなサーフから狙うサクラマスゲームについて紹介していこうと思う。

1匹の価値が高い

フィールドはサーフ帯

青森県のサーフにてサクラマスを狙う主なエリアは、下北半島の太平洋に面したサーフがアツい。地形の特徴として、遠浅のサーフ、手前から掘れて水深のあるサーフの2種類に分けられる。それらのサーフでの狙い目は、流れの変化、地形変化、潮の動きといった要点を抑えながら広大なサーフをラン&ガンしていく。またサクラマスの呼び水として重要視されるのが、川の水が流れ込む所だ。そんな汽水になるポイントも目で見て分かる要点として抑えておきたい。

この釣りの魅力は、1匹の価値観がとても高いことだ。ご存知の方も多いはずだが、サクラマスは身が柔らかいことでバラしてしまう確率が高い。また過酷な寒さに耐え抜く忍耐力も必要となるため、決して快適な釣りではないからこそ価値観も高まるというわけだ。

魚がヒットしてからのロッドワーク、ドラグ調整、押し引きする波の中で暴れる生命感に胸が高まる。奇麗な朝陽に照らされ、波打ち際で見える銀色の魚体は目に焼き付くほど奇麗なロケーションである。また釣るだけではなく食べても非常に美味しいことだ。安定の塩焼き、ちゃんちゃん焼き、刺身、ムニエル、マリネ、あら汁などは白飯、お酒が進むものばかりだ。

ポイントの選び方

サーフの中でもオススメしたいポイントの特徴は、ブレイクラインといったカケ下がりがなるべく立ち位置に近く、水深があるサーフになります。

一見サーフでの釣りは、ルアーを遠くに飛ばさなければいけないと思う方も多いはずだ。だがサクラマスはそんなことはなく、波打ち際で跳ねたり、泳いでいるところを目視することができたりもする。また遠くに投げたものの波打ち際でのヒットも多々ある。よって釣りやすいポイント選びとしては、遠浅のサーフよりも、手前から地形が掘れてるような水深のあるサーフになる。

次に広大なサーフの中でどうやって魚を探すのか? 結論から言えば冒頭のように潮の流れ、地形変化を探っていくのがベストだ。潮の流れは波が岸に上がり、左右どちらかに流れていくと思われる。その波をたどると反対から流れてきた波とぶつかる合流点があるはずだ。その合流地点は沖に流れが張り出す、いわゆる「離岸流」となる。離岸流の近辺には地形変化があり魚も溜まりやすく、サクラマスの回遊コースにもなるのだ。

地形変化はサラシが発生しているところや、波が盛り上がるところはブレイクラインになっていたりする。それと前述した流れがある近辺に地形変化があったりするが、もっと見分けやすい方法がある。それは海の中ではなく自分の立ち位置である。サーフはずっと平らになっているわけではなく、掘れてるとこもあれば、張り出してるところもある。その掘れ具合や張り出し具合は海の中と比例してることが多いため、ポイントに着いたら、丘の地形変化を見て確認すると良いだろう。そこから実際にルアーを投じ、流れを感じながらランガンすると魚にたどり着くはずだ。

地形変化を探るのがキーになる

タックル解説

ロッドは長さ9~11ftのM(ミディアム)、MH(ミディアムヘビー)クラスが理想。オススメとしては10ft以上のロングロッドで、広範囲に探ることによって沖からの回遊個体や沖のブレイクラインといった届きにくいポイントまでしっかり探れるとヒット率も上がる。リールは4000~5000番クラスのスピニングで、なるべくギヤ比が高い物がオススメだ。それは速い潮の流れに乗ったサクラマスの走りについていくためだ。またロングキャストをする場合もあるので回収が楽になる。

ラインはPEラインの1~1.5号が基準になる。遠投をするのを加味して200m程巻いておくと多少の高切れなどのライントラブルを起こしても釣りにはなる。ショックリーダーはフロロカーボンラインの5号前後にしておくとラインブレクの問題はないだろう。

使用するルアーは、ミノー、ジグミノー、メタルジグで、重さは30~50gまでがオススメだ。各メーカーによって形や、カラーが様々あるので自分の好みで選んでいくとより楽しいだろう。

ミノーを始め、メタルジグなどを使っていく

ただ巻きが基本となる

ショアからサクラマスを釣る上での基本的な釣り方は、メタルジグ、ジグミノーでのただ巻きである。ただ巻きとはいえ適当に巻くのではなく、巻くスピードを変えてレンジを刻む。そして魚の居るレンジや距離感を丹念に探るのが最もな基本動作になる。

ここでシャクリやジャークなどのアクションでスイッチを入れる必要はないのか? と思う人もいるはずだ。だが、流通しているサクラマス用のジグを見てみると、スティックタイプの細長いジグなどが多く見られるはずだ。スティックタイプのシンプルな形状のジグは、ただ巻きでもバタバタとアクションしてくれる。また水中の強弱な流れを受けることでアクションに緩急が生まれ自発的アクションが生まれるので、あえてアクションを付けることをせずとも魚にアピールできる。

次にキャストするコースだが、ただ真っ直ぐキャストすのではなく、流れに対して角度を付けてルアーを通すことで、サクラマスの回遊ルートをより長く通すことが可能になる。そのためヒットするチャンスが広がることもある。ただ、周りにアングラーが多い場合は、周辺のアングラーの位置を把握しておかないとオマツリしてしまいトラブルの原因になるので、周辺の状況把握は必ずしておくことだ。それらを、その日のポイントの状況を見極めてカラー、ウエイト、シルエットをローテーションをすると釣果に繋がるだろう。

近接はミノーの出番

60cmを超す板マスクラスも珍しくない

波打ち際などで跳ねを確認できたり、魚を目視できた時、メタルジグでもジグミノーでも反応が悪い場合は、ミノーをオススメしたい。ミノーでジャーキングをして魚にスイッチを入れてバイトを誘発させたり、食わせの間を作ってあげることでヒットに持ち込むことができる。ポイントとしては波打ち際や、目視にて確認できるような近~中距離戦にて使用することが多い。

メタルジグ、ジグミノーとの大きな違いは、止めてもゆっくりなリーリングでも沈まないところだ。そのたえ波打ち際の浅場での攻防はミノーに軍杯が上がることが多かったりもする。せっかく波打ち際まで追ってきた魚もメタルジグやジグミノーが底を引きずることでヒットに持ち込めない痒いところを補ってくれる。引き出しのひとつとして持っておきたいところだ。

人気のターゲットであるサクラマスのサーフゲーム。一見難しいというイメージが強いかもしれないが、初心者から上級者に関わらず、チャンスは平等にある。基本に忠実に探るのも良し、閃きや本能を信じて探るのも良し。沢山のプロセスがあるが、何が正解なのかは分からない。だからこそ自分の答えを糸に結び、魚に問いかけた時に正解が分かるはずだ。

駐車マナーを守ることやゴミのポイ捨て厳禁など守り、今シーズンも寒さに負けず、サーフからのサクラマスゲームを熱く盛り上げていきたい。

WRITER

釣り東北WEB編集部

株式会社釣り東北社

記事一覧へ

「釣り東北WEB」の運営、取材、撮影、編集、映像制作をメインに行う。他、ワカサギの穴、トラウトステージといった東北で人気ジャンルの別冊を刊行。

株式会社 釣り東北社
〒010-1617 秋田市新屋松美ガ丘東町7の4
TEL 018-824-1590
https://tsuri-tohoku.com/

記事を探す

魚種から探す