

東北の冬の釣り物として人気の高いヤリイカ。特に岩手県三陸地方のオカッパリでは、良型が期待できるシーズンが近づいています。
このヤリイカ釣りを長年楽しんでいる岩手のベテランアングラー、米田勝也さんに、状況に応じた仕掛けの使い分けと、釣果を伸ばすための秘訣を伺いました。
パイロットルアーは「キビナゴ餌」で状況判断

ヤリイカを狙う際、前田さんがまず投入「パイロット仕掛け」は、キビナゴを巻いた餌仕掛けです
キビナゴの餌仕掛けは、エギやルアーのように激しいアクションは必要なく、テンションを張りっぱなしの状態でゆっくり引っ張ってくるのが基本。
- メリット: イカが触れたり近づいたりした瞬間に、ラインの動きや手元に感触が伝わりやすいため、イカの有無や活性を判断するのに非常に優れています。
最初に餌で反応を見て、数が釣れるようであればルアーに切り替えるなど、その日の状況を見極める「引き出し」として重要です。
エギはヤマシタの「ナオリー」:エギの優位性

活性が高いと判断した時や、広範囲を探りたい時に活躍するのがエギ(エギング)。
前田さんは、ヤマシタの「ナオリー」をメインに使用しており、1.8号から2.2号を、グロー系やケイムラ系などのカラーバリエーションを揃えて準備しています。
- 使い方: 活性が高い時はエギが強く、餌よりもスピーディーに広範囲を探れます。
- ポイント: 水深は8m~10m程度を狙うことが多く、風が強い場合は糸オモリを巻いてウェイト調整を行うのがポイントです。
遠投・深場を攻略する「マグナム」の異色な使い方

米田さんが持つ3つ目の引き出しは、ルアーと餌の中間のような存在の「マグナム」です
これはウェイト(錘)がカンナ(イカ針)側に配置されているため、エギよりも姿勢が安定し、圧倒的な飛距離を稼げるのが特徴です。このため、手前ではなく遠方のイカを探るのに有利です。
- エギとの違い: エギのようにラインが横を向いた姿勢ではなく、真っ直ぐな姿勢で飛び、ウェイトが下にあるためフォール(沈下)も速いです。
- アクション: エギとは扱い方が全く異なり、すぐに底について根掛かりしやすいため、短いピッチのワンピッチジャークで、3秒に1回チョンチョンとテンポ良く誘います。
- レンジコントロール: キャスト後の待つ時間でレンジを調整し、表層から中層、深層と段階的に探ることができます。
その日のパターンを掴む「3種の引き出し」が釣果の秘訣
「ぶっちゃけ餌が一番釣れるのでは?」という問いに対し、米田さんは「そうとは限らない」と断言します。
エギの方が良い時もあれば、エサマグナムばかりにアタリが集中することもあるため、「キビナゴ餌」「エギ」「エサマグナム」の3種類を状況に応じて使い分けることが、その日の釣果を最大化するための秘訣だと言います。
三陸オカッパリのヤリイカシーズン。この3つの「引き出し」を参考に、状況に応じた釣りを展開してみてください。



