何魚種釣れるかチャレンジしてみよう!「北防ブラー攻略法」

 シンプルでリーズナブルながらいつでもどこでも何かしらの釣果をもたらしてくれる仕掛けの筆頭、フジワラ「ブラー」。アオイソメをエサに足下に落として底で上下に誘ったり、ひょいと投げてゆっくり巻いて底をズル引きしたり…など釣り方も難しくなく、初心者からベテランまで愛用者は幅広い。そんなブラーが超活躍するフィールドは秋田県の秋田港北防波堤だ!(以下、北防) 

◎年中通して使えるタックル


 例えばごっつい投げ釣りやサビキ釣りのタックルにブラーを付けたからといって魚がバンバン釣れるわけではない。分かりやすくいえば、それらではブラーの攻撃力を50%位、コンパクトロッドでは30%位ダウンさせてしまう(あくまでイメージ)。
ロッド(価格帯目安:5、000~10、000円程度)
 ざっくりいうと、キャスト性能、感度、パワー、誘いやすさ、軽さなどの面でライト系ルアーロッドが適す。間違いないのは、フジワラ「ブラースティックBS-692SS」。軟らかめでより浅場、小型魚向けの「type A」と、やや硬めで深場、中~大型魚向けの「type B」の2種があるが、どちらもオールマイティーに使える。その他、エギングロッド、強めのメバリングロッドなどもオススメ。

リール(価格帯目安:3、000~5、000円程度)
 小型スピニングリール。釣具店でこの価格帯で売っている物ならまず問題なく使える。シマノ「19シエナ C2500」、0.8号のPEラインが最初から巻いてあるアルファタックル「ラスター2500」などがオススメ。
ライン(価格帯目安:~3、000円)
 ナイロン6~8Lb(1.5~2号)でも良いが、伸びが少ないことで感度アップ、根掛かりの外しやすさ、釣りの面白さなどが向上するPEライン0.8号がベスト。PEラインは、ナイロンラインよりはやや値段が高めだが、確実にブラーをロストしにくくなるので結果的にはリーズナブルとなる。ただ、先糸(リーダー)が必要で、電車結びなどで糸同士を結ぶ手間が増えるが、慣れれば苦にならない。
ブラー(価格帯:1パック500円)
 主役のブラーは様々な種類があるが、とりあえず北防では「ノーマルブラー」6gと8gが2パックずつ(合計8個)あれば、何個か根掛かりでロストしたとしても1日十分釣りになるはず。カラーは、日中に向いた「蛍光レッド」と「金」を使い分ければ良いが、「ケミブライト」「夜光」の夜光系カラーも問題なく釣れる。
エサ
 ブラーとの相性が良い、何でも釣れる「アオイソメ」一択! 必要な量はエサ盗りの状況にもよるが、5時間程度の釣行なら1人100~150g(1、000~1、500円程度)が目安。どうしても苦手な人はマルキユー「パワーイソメ」シリーズや2~3inのストレート系ワームでも良い。
その他
 なくても釣りはできるが、ブラー交換がしやすい「スナップ」を始め、「エサ箱」「タオル」「プライヤー(ラインカッター付き)」「フィッシュグリップ」「グローブ」などがあると快適さ、効率がアップする。

◎その1「根魚」


 一口に根魚といっても北防では、アイナメ(20~40cm)、メバル(15~20cm)、カサゴ(15~25cm)、クロソイ(15~25cm)、ムラソイ(15~20cm)、キジハタ(15~25cm)など色々狙える。基本的には同じポイント、同じ釣り方で釣れるが、微妙に違いはある。

アイナメ
・狙い所
 先端~半ば付近、北向き側の防波堤際で、底よりも水面から1~2m下、イガイの中層で捕食モードに入っている個体を狙う。
・釣り方
 足下に落として2m程沈めた後、5m横に自分が歩くことでブラーをゆっくり横にスライドさせる。周りに釣り人が居て横移動できない時は足下の底まで落とし、ゆっくり水面まで巻き上げて誘うと良いが、ジャークアクションのような速い動きにアタックしてくることもある。
メバル、カサゴ、ムラソイ、クロソイ、キジハタ
・狙い所
 先端~根本の南向き、約5m沖に防波堤と並行に沈んでいる、ゴロタ石周り(幅にして2~3m)。
・釣り方
 まずは振り子の要領で10m程ちょい投げして底まで沈めるが、根掛かりを防止するため、いち早く着底を察知することが大事。コツは、風が弱い時は糸を多めに出し、ブラーが沈むことで徐々にその糸が張っていくが、着底するとフッとまたたるむことで分かる。風が強い時は、常に糸を張ることを意識しながら、リールのスプールエッジに指を当てて沈む度に糸を送り調整し、糸が張らなくなることで判断できる。着底したらモタモタせず、イメージ的には一瞬底にタッチさせるくらいの気持ちで、すぐにベールを戻してリールハンドルを3回転させ、ピタリと止める。こうすることでブラーが1~1.5m程浮上した後、斜めに沈んで3~5秒後には再び着底することになるが、この間の動きが魚にとっては堪らない動きとなり、アタリが出やすいので集中する。アタリがなく、着底したらもう一度同じ誘いを行う。これでアタらないと、オイシイゴロタ石帯を過ぎて望み薄になるので、一旦回収し、ちょい投げする角度を替えるか、5m横に移動し、ゴロタ石帯に着いた根魚を虱潰しに探る。
 最初は根掛かり連発かもしれないが、慣れてくると完全に根掛かりする前の軽く引っ掛かった状態を感じられるようになる。それを感じたら動作を止め、瞬間的に糸を緩めてロッドを鋭くあおり、ブラーを弾き飛ばすと外れてくれる。

◎ブラー道「弐の型 キス」
・狙い所
 先端~根本の北向き全域(底は殆ど砂)。
・釣り方
 できるだけ遠くへキャストし、底をゆっくりズル引き&ストップで広範囲を探る。食いが渋い時はストップ時間を長めにし、フグがうるさい時はブラーを重めにして速めに動かす。アタリがあるのになかなか針掛かりしない時のために、ハリス付きのキス針7号くらすを準備しておき、必要に応じて追加すると良い(結ぶ位置はブラーのピンク糸の根元か、サルカン部で、ハリスの長さを4~5cmにする)。アオイソメの他にキスの特効エサ・ジャリメがあると心強い。

◎その2「アジ」


・狙い所
 先端~半ばの北向き全域。
・釣り方
 なるべくは6g以下の軽いブラーで中層をふわふわ漂わせるようにただ巻きなどで誘うが、良型はどちらかというと底層に居り、ロッドを水平からゆっくり上げて止めて落とすことでブラーを上下させるリフト&フォールというアクションが有効になる。エサはアオイソメでも釣れるが、状況によってはオキアミのほうが食いが良いこともあるので、マルキユー「くわせオキアミ」シリーズなどの加工エサがあると良い。ブラーのカラーは、フラッシングが強い「24KG」「28SV」が有効。

その3「他魚」


 根魚やアジを狙っていてもマダイ、クロダイ、ヒラメ、シーバス、マゴチ、イナダなど、大型魚も釣れる可能性はある。前述したタックルであればドラグをちゃんと設定(ラインを強めに引っ張ってスプールが逆転するくらい)しておけば足下まで寄せて来れる。ただ、抜き上げは厳しいのでタモも持っておきたい(もしない時は周りにヘルプを!)。
確率を高める秘訣!
 マダイ、ヒラメの場合は「速巻きフリーフォール」というアクションが有効。これは、遠くにキャストして着底したらその名の通りリールハンドルを速巻きして急浮上させた後、すかさずベールをオープンにして糸をたるませながらフリーフォールさせる。このメリハリが利いた動きで捕食スイッチが入る。シーバスは、アジと同様にブラーカラーはフラッシングが強い「24KG」「28SV」が有効で、中層から底層のただ巻きが良い。マゴチは底をズル引きするかしないかのイメージでただ巻きする。イナダは、シーバスと同じ狙い方で良いが、水面をスプラッシュさせながら速巻きするアクションが効くこともある。

 いずれにしてもロッドの保持角度が重要。基本は斜め上40~45度だが、風が強い時は風の抵抗を軽減させるために、風上&下向きに構えて、横にスイングさせてブラーを動かすと良い。実はブラーの動かし方よりも、魚の居る所へ確実に届けるこのような基礎の「型」が重要。ブラーが水中でどの位置にあるのかイメージするのはなかなか難しいと思うが、ブラー回収の時にリールハンドルを何度回して水面のどこからブラーが出てくるのか、実はその答え合わせにもなる。1投1投全集中しブラー道の達人を目指してほしい。

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釣り東北WEB編集部

株式会社釣り東北社

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「釣り東北WEB」の運営、取材、撮影、編集、映像制作をメインに行う。他、ワカサギの穴、トラウトステージといった東北で人気ジャンルの別冊を刊行。

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