投げ釣りの本命 シロギスシーズンイン!
東北エリアでもやっとこの季節が到来しました! ゴールデンウィークの初日、日本サーフキャスティング連盟山形協会所属の菅原広和氏のご協力を頂き、今季の「初キス」を求めて、山形県酒田市~鶴岡市の各実績ポイントを移動して歩きました。
湯野浜からスタート
庄内では比較的早期にキス釣りが始まる、鶴岡市の由良海岸も候補にあがりましたが、この2年間にわたる大型連休中での釣果がなかったため、少し北側に位置している同市の湯野浜海岸に向かいました。
【沖テトラの隙間を狙う】菅原氏によると、湯野浜海岸は温泉街の正面にテトラが一列に並び、そのテトラ列に50m程の間隔が空けられていて、シーズン初期はそのテトラ際にキスが潜んでいるようでピンポイントの釣りが有効とのことでした。
さっそく2人でクーラーを並べてキャストを開始します。このような釣り方では、キャストコントロールと距離感が求められるため、開放感のあるサーフの釣りと比べると若干のストレスを抱えながらの釣りとなります。
編集部の2投目、大きなアタリが伝わってきました! ドヤ顔を披露しつつ大きな歓声を上げながら回収したのは、25cmに迫るクサフグ…。菅原氏から心のこもった暖かくも冷ややかな祝福の言葉と笑いを受けつつ、ほっぺたをフグのように膨らませてフグをリリースします(笑)。
すると続いて菅原氏にもアタリが入ります! 慎重に取り込んだのは…
約1時間、横移動しながら3箇所のテトラ列の隙間を狙いましたが、残念ながらフグ以外のアタリはキャッチすることができませんでした。そこで協議した結果、車ごとポイントを大きく移動することになりました。
酒田港内の大浜
続いて釣り座を構えたのは、酒田港の中に位置する大浜でした。ここは2機の大きな風車が目印になりますが、アプローチするためには路肩にある小さなスペースに駐車する必要がありますのでご注意下さい。
昨年の取材では、このポイントで雫石昭一氏(日本サーフキャスティング連盟宮城協会長)が見事に良型の初キスを披露してくれました。
その時の残像を思い出しながらのリスタート。ところが、何の生体反応もないまま、時間だけが過ぎ去ります。春の陽射しとは言え、直射日光を浴びると額に汗が出始めます。しかし、そんなことよりも釣れないことへの悲しさ、辛さ、そして心寒さを感じてしまいます。
やがて流れていた汗は冷や汗へと変化し、2人の間には暗黙の了解のように「いよいよダメか?」モードが漂いました(汗)。2箇所連続の撃沈に、まだサーフにはキスが寄っていないのかもしれないと考え、酒田港の岸壁への移動を決意しました。
酒田港国際ターミナル岸壁
国際ターミナルには立入禁止のフェンスがあり、その内側に侵入して釣りをすることはできません。しかし、規制された外側の僅かなスペースからであれば釣りをすることは可能です。そこで幅100mあるかないかの場所からキャストし、港内に居るかもしれないキスからの手応えに期待します。
【2024初キス!】サーフに比べて水深がある国際ターミナル。移動した2投目の編集部の手に、激震が走りました! ロッドを握る手まで振動が伝わって、そのブルブルを視認できるほどです。2人は水面に姿を現した茶色い魚体を見て「ボラじゃね?」「エソだが?」「ウグイだべ」などと半信半疑…。
ところが、無事に抜き上げられたのは、念願の「First Kisu」でした!
編集部の釣れた距離が3色(75m)チョイだったと確認した菅原氏は、4色半ほどにキャストしてキスにアプローチを掛けます。この対応力こそがトーナメンター。すると間もなく…
その後は時合いなのかどうか、単発ながらも途切れずにキスが掛かってくれて、楽しいひと時を過ごすことができました。竿を並べて会話を楽しみながら、リールをデッドスローに巻きながらアタリを待つ。アタリが出たらミチ糸のカラーで距離を把握し、その情報を共有して釣り続ける。そんなスタイルこそが、シロギスの投げ釣りの魅力なのかもしれません。
気の合う仲間で情報を交換しながらアタリを待つ繊細さ。力の限りの遠投が可能な豪快さとスポーツ感覚。そして小さな魚体から発せられる強烈なアタリを堪能し、持ち帰れば淡白な白身の味わいを楽しませてくれるシロギス。本格的なキャスターのみならず、お子様連れのファミリーまで、幅広く多くの釣り人が手軽に楽しめるのがシロギス釣りではないでしょうか。
今回の取材から2日経過したつい先ほど、秋田県内のサーフから、今季の初キス釣果情報も聞こえてきました。いよいよ東北エリアでもキスシーズンが始まりました! 天気の良い日はみんなでキス釣りに行きましょう!