残業からの延長戦
自ら企画した「下北半島投げ歩き」は、風向き、運のなさに加え、実力のなさを露呈してしまい、十分な釣果を伴わない結果となってしまいました。エサのアオイソメが大量に余っていたことから、むつ市の市街地にある大平岸壁で「残業」の投げ釣りにチャレンジしてみました。
返り討ちに…
「何とか釣れるだろう」と、軽い気持ちでスタートするものの、仕掛けを回収するとツケエサが何者かに盗られるだけで、本命のカレイからの反応は皆無…。
夕方まで粘ってみましたが、虚しい時間だけが過ぎ去るだけ…。悔しいけれど実力不足、データ不足、気合不足を認めざるを得ない結果でした。意気消沈した編集部はノロノロと撤収しますが、未だに余っているアオイソメを見て熟考しました。
「どうする?」「このまま帰る?」「アオイソメが勿体なくない?」「明日の朝挽回する?」
選択肢は「挽回」
ここから先は仕事ではなくプライベート釣行と割り切り、翌日の陽の出前から実績ポイントに入りました。実釣取材というプレッシャーがカレイに伝わっているんだと自分に都合よく考え、例によって4本竿をセットします。するとすぐに竿先に反応が…
本命ではありませんが、ナイスサイズのマハゼを喜んでキープします。幸先の良いスタートを切ったと思っていると、次々とアタリが連発します!
カレイのベイト?
陽の出前からヒットが続き、休む暇がありません。この日の潮汐は陽の出5:08、干潮8:34の大潮で、朝まづめが絶好のチャンスと睨んでいました。また、過去に実績があったポイントだったことから、かなりの期待を抱いていたのは間違いありません(笑)。
そんな時に掛かったカレイの口元に、見たことのない物体が見えました。
もしかすると「カレイのベイト」ではないかと考えて引き抜きます。するとその正体は…
10数年以上も前に地元のカレイ投げ釣り師に、砂交じりの岩場を掘ればイワイソメが採れると聞いたことがありました。塩で締めておけば半年以上の保管もできて、生のアオイソメよりもカレイの反応が抜群だとのこと。その時は半信半疑で聞き流していましたが、まさか長い時を経て釣れたカレイで直面するとは…。
カレイは続くよ(笑)
その後もカレイの活性は高く、開始から2時間余りで3回のダブルヒットを記録します。
満足の釣果
結局6時間粘りましたが、アタリが集中したのは陽の出から干潮前の7:30頃までの約2時間半でした。カレイの投げ釣りでは、時合いを逃さないことが重要ですが、その殆どの要因が潮の変わり目になっていると考えられます。
干潮や満潮の潮止まりは食いが止まるケースが多くなりますが、「潮が動き出す」「潮が止まる」そのタイミングにパタパタと釣れることが良くあります。潮時表を見てその時間帯を推測し、ツケエサを新鮮なものをタップリと付け替えておくことで、カレイの連続ヒットを実現した経験が何度もありました。
ミチ糸沈めは必需品
カレイの投げ釣りでは、漁船などが頻繁に行き交う船道のカケ上がりが好ポイントになります。そこを狙う場合、船が通らないタイミングにキャストすることは勿論のこと、投げた後のミチ糸を船のスクリューに引っ掛けられないようにする対策は欠かせません。
次の画像のようなスナップ+ナスオモリ(6~8号)の組み合わせるだけで、簡単に「ミチ糸沈め」を準備することが可能です。
スナップを通す際にテンションを緩め過ぎていると、オモリが海底に届いて沈みテトラなどに引っ掛かって、自ら根掛かりを発生させるという本末転倒の事態になります(笑)。また、PEラインは比重が軽く沈みにくいことと、ライン抵抗が大きく滑りが悪いことから、オモリがスムーズに沈まないこともあります。従って、カレイ釣りではミチ糸にナイロンライン3~5号の使用をオススメします。
カレイのアタリは竿先に出ないことも多いですが、道糸には微かなアタリでも変化が出ます。
晴天時は日光が反射してミチ糸を視認することができます。これが弛んで糸フケが出たり、ツンツンと引っ張られたりすると、魚が掛かった知らせとなります。竿先の変化に現れない小さな動きや繊細なアタリもキャッチできることから、ミチ糸を直視する方法も活用してみて下さい。
また、このミチ糸を直視する方法では、透明なナイロンラインは視認しにくく、黄色やオレンジ系のカラーが見やすくてオススメです。
今が「花見カレイ」のハイシーズン!
東北北部の青森、秋田、岩手でもサクラの開花宣言寸前です。来週には開花宣言が出され、満開になって見頃になっている地域も増えることでしょう。春の投げカレイは「花見カレイ」とも呼ばれ、数も型も満足な釣果に恵まれる可能性が高くなります。
これからゴールデンウィーク過ぎまでの約1ヶ月位がチャンスだと思われますので、是非ともカレイの投げ釣りに興じてみて下さい! また、余ったエサには福があるかもしれませんので、最後まで諦めずにキャストしてみましょう!