投げ釣り専科【Vol.3】 新商品ダイワ「24スカイキャスター」を投げてみた!

今年の投げ釣りアイテムの中で注目なのは、ダイワの並継ロッド「スカイキャスター」。先代のスカイキャスターに比べて2番節が長い独特のLM(ロングミドル)仕様となっており、曲げやすくなっていることは安易に想像がつく。そこで今回は手元に届いたばかりの35-405、そして過去のシリーズを携えてプチ試投会を実施した。

秋田/編集部

左から順に初代スカイキャスター、続いて2代目、3代目、そして新商品4代目。ロゴの変化やデザインの変化にも注目が集まる

早速試し投げ!

2024年2月17日、冬とは思えない晴天と軽い追い風の中、秋田県三種町の釜谷浜でプチ試投会がスタート。兎にも角にも新商品を振ってみたい心境になるのは誰もが抱く感情だろう。

初代35号(2007年発売)、3代目35号(2018年発売)を購入して実釣で使用しており、キャストフィールの比較のために、今回も35号をセレクト。3代目は昨シーズンもメインロッドとして活躍していることもあって、その遠投性や操作性の違いは手に取るように比較できるはずだ。

晴れた日本海の水平線に向かって投げる爽快感は、他の釣りでは絶対に味わえない「快感」!

軽いV字投法

ダイワ川口フィールドテスターから事前情報を仕入れると、「他の号数と違って35号だけは手強い」とコメント。2番節が長いことから軽いパワーで曲がってくれて投げやすいのは理解できるが、35号だけは他の号数は中央付近から曲がるが、35号の2番節は竿先に近い部分が曲がりやすい設定となっているのがその理由らしい。

1投目、V字投法で5分程度の力加減でキャストしてみる。30号のオモリは真正面に素直に飛んでくれた。飛距離は5色ジャスト(125m)で、「ただ竿を回しただけ」の感覚。最近のトーナメントで良くある、中~近距離をネチネチと攻めるケースでの距離感だが、これならキャストの疲労感もなく長時間にわたって集中できそうだ。

高い反発力

V字投法で2投した後は背中側にオモリを置いて、投げる毎に徐々に深いポジションから負荷を掛けてみることに。振り始めは3代目の感覚と大差ないが、オモリの重さが竿に乗って竿が曲がり、反発して竿が戻るまでの時間が短いように感じた。それだけ竿が真っ直ぐに戻るパワー、いわゆる反発力が高いのかもしれない。

この日はシーズン前のため、身体がフルキャストする準備ができていないこともあり、自分なりの最大負荷は掛けていないが、それでも最後は7色(175m)以上の距離が出ていたことから、高いレベルの遠投性能を秘めているだろう。

操作性は抜群

スペック上は3代目よりも自重が20g程度ウエイトアップしているようだが、特に持ち重り感はなく、むしろ取り回しやすい気がした。個人的に3代目スカイキャスターはバット部分に硬さと重さを感じていたので、身体への負担が軽減されるだけでなく、掛かったキスの取り込みや手返し、そしてアタリを待ちながらサビく時の操作にも心配はなさそうだ。

サーフに映えるデザイン

以前から「青竿」として気に入っていたカラーリングだが、今回は少し明るめのブルーにラメ、そしてロゴやスレッドにゴールドが配色され、青空に映えて心地良くキスのアタリに集中できそうだ。

歴代のスカイキャスターが4本並ぶと爽快な気分になる!

驚きの収束力

少しずつ力を込めてキャストをするにつれ、このロッドの収束性能の高さに気付かされた。オモリをリリースした後の「振り止め」の際に、竿の動きが止まる反動で竿先が振動してブレることが多いが、NEWスカイキャスターはブレずにスパッと収まる感覚だ。

振動が素早く収束することで、ミチ糸のガイド擦過による抵抗も軽減してミチ糸の「暴れ」が抑えられ、飛距離が伸びると共にガイド絡みのトラブルが激減しそうだ。そして何よりも切れ味のあるフィニッシュを迎えられ、気持ち良い後味を堪能することができそうだ。

ハイレベルなコントロール性能

今回は10数投してみたが、斜め方向などへのミスキャストは1投もなく、オモリは全て真っ直ぐの方向に放物線を描いていた。100%のフルキャストをしていないこともその一因と思われるが、「投げやすく狙いやすい」というのが一番の感想だ。

シーズンインまでにまだ2ヶ月程度の時間があることから、投げ練を重ねてフルキャスト時の感覚や特徴を身体に沁み込ませ、早い段階に身体の一部となるように投げ倒したいと思わせてくれる竿だ。

感度はどうなのか?

最後に残るのは、キス釣りで最大のテーマとも言える「感度」。初代スカイキャスターと3代目とではAGSガイドの効果もあってか、その感度に大きな差が生じていた。その3代目はダイワのハイエンドモデル「マスタライズキス」に引けを取らない高感度設計でありながら、お求めやすい価格帯だったのが物凄く嬉しかった。

今回はそのガイドがAGSではなく、その変化が気になるところ。もしかするとガイドに起因する感度の低下はあるかもしれないが、このあたりは自分の手で、実釣で感じ取るしかない。

初代は「ローラーダ―ガイド」が標準装備。懐かしささえ感じるがトラブルの少なさが強く記憶に残っている

以上のようにプチ試投会を行った個人的な感想だが、並継ぎ投げ竿の中ではコスパに優れ、ポテンシャルの高い竿であることは約束しよう。

投げ釣りでは人それぞれの体型、パワー、投げ方などによる違いもあれば、竿へのモチベーションも期待値も千差万別。もしも周囲の投げ釣り仲間に「NEWスカイキャスター」を購入した人が居たら、是非とも振らせてほしいとお願いしてみてはいかがだろうか? もしかすると新しい投げ感覚の世界に引き込まれるかもしれない…。

WRITER

釣り東北WEB編集部

株式会社釣り東北社

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「釣り東北WEB」の運営、取材、撮影、編集、映像制作をメインに行う。他、ワカサギの穴、トラウトステージといった東北で人気ジャンルの別冊を刊行。

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