三陸海岸のほぼ中央、岩手県山田町に抱かれるように広がる山田湾。この湾は、両側を船越半島と重茂半島に守られた静かな海。まるで湖のように穏やかな水面が広がり、その中心には象徴的な無人島・オランダ島が浮かびます。この風光明媚な湾で、最近じわじわと人気を集めているアクティビティがあります。それが、「シーカヤックフィッシング」です。

シーカヤックで巡る、魚と出会う旅

カヤックで静かな水面をすべるように進み、陸からはアクセスできない磯やサーフへ。そんな場所に上陸して釣りを楽しむ時間は、まさに冒険のよう。釣り人にとっては夢のようなシチュエーションです。もちろんカヤックの上からそのまま釣りを楽しむこともできます。アイナメをはじめ、メバルやベッコウゾイ、ヒラメ、カレイといった多彩なターゲットに挑めるのが山田湾の魅力。時期によっては、アオリイカのポイントも視野に入ってきます。
「釣りのハードル」を下げる工夫
このシーカヤックフィッシングガイドを運営するのは、地元出身のプロアングラー・中嶋康文さん。東北で活動するロックフィッシュのスペシャリストで、ルアーメーカーのプロスタッフも務めています。
中嶋さんが大切にしているのは「釣りを難しくしないこと」。例えば、仕掛けはゲーリー4インチグラブを投げて巻くだけというシンプルなスタイル。根掛かりしにくく、初心者でも魚が釣れる喜びを体験できる工夫が随所に詰まっています。





実際に50cm超えのアイナメや2kg級のベッコウゾイを釣り上げた初心者もいるとか。気軽に楽しめて、運が良ければ大物とも出会える。そんな体験が、ここにはあります。
シーズンで変わるターゲット、広がる可能性
5月~6月はアマモ帯やホンダワラの茂るシャローが主なフィールド。水温が上がる7月以降はアイナメが少し沖へ移動するため、より深いレンジでの釣りへと移行していきます。その分、ベッコウやメバルなどが狙いやすくなり、季節ごとに異なる釣りの面白さがあります。
また、釣りをしない方でもカヤックでオランダ島周辺を巡るクルーズや、磯遊び、海水浴などを楽しむプランも用意されています。家族でのレジャーやカップルでのリフレッシュにもぴったりです。


ゆったりとした時間の中で、自然と向き合い、魚と出会う――。
釣果やテクニックだけではない、海と心が近づく体験が、山田湾にはあります。

【体験プラン概要】
●半日プラン(4時間):¥5,000/人 7:00~11:00 または 12:00~16:00(時間変更応相談) ●一日プラン(8時間):¥10,000/人 7:00~16:00 ●釣り道具レンタル:¥1,000/1セット(APIAロッド) ●集合場所:浦の浜海水浴場駐車場
【持ち物・服装のポイント】
- 水着+濡れても良い化繊素材のTシャツや短パン
- 足元はスポーツサンダルやマリンシューズが◎
- 日差し・虫対策に帽子や虫よけもあると安心
- カヤックは基本的に濡れます。体調管理のためにも服装選びは重要です。
【ガイド紹介】 中嶋 康文(なかしま やすふみ) 岩手県宮古市在住。APIAロックフィッシュプロスタッフ、Gary Yamamoto Salt Familyメンバー。2021年に岩手発アウトドアブランド「EFRICA」を設立。三陸の海と釣りをこよなく愛し、現在はシーカヤックガイドとして活動中。
