1対1の競技
ダイワ「キスマスターズ」の全国決勝大会では、予選リーグ、準決勝、決勝の各試合でマンツーマン方式で勝敗を決めるルール。その競技を厳正かつ公平に運営するため、選手1名につき審判1名が付くシステムとなっている。
その審判の重要な役割のうち、主なものを掲げると…
①1投毎に釣れたキスの数をシートに記載する
②その釣果をグループLINEで本部に送信する
③正面にキャストしているかのチェックする
④選手同士のクーラー間隔のチェックする
⑤エリア端からのはみ出し確認する
⑥選手の移動と共に背後に移動する
この他にも細かい任務があるが、全員が説明会でシッカリと認識を共有している。
みんなキス釣りが好きで、是非ともこの役割を担いたいという想いを持った16名。彼らの存在があってこそ競技がスムーズに進行すると共に、今回初めて導入されたライブ配信画面での匹数カウントも成立していたのだ。
選手とのコミュニケーション
審判だからと言えども、選手との間はギチギチのガチガチな接し方では、その役目も上手く回らない。競技前や移動時間などではお互いに会話を交わして、お互いの意思疎通を図っていた。
大変なのは選手が場所移動した際に、審判グッズを持って自分も移動しなくてはならないこと。選手は釣果を伸ばすために自分の眼力を信じて良さげなポイントを目指す。時には小走りになることもあるが、審判はその後を追うのも意外に体力を奪われる。
補給もガッツリ!
今大会では晴天になり気温が高くなった。それに伴い発汗も多く、しかも予選リーグでは3試合をこなすにはかなりの体力を奪われる。そこでダイワ大会運営スタッフより、水分補給のために冷たいドリンクが全員に配られた。
また、2試合目終了時点で休憩に入ると、本部となった海の家「そよかぜ」内の座敷に腰を下ろし、食事をしながらゆったりとくつろげ、リフレッシュすることもできた。
余程体力を奪われたのか食欲も旺盛(笑)。この休憩と食事で予選リーグの3試合目もシッカリと任務を完了! 選手のみならず審判メンバーにも気遣ってくれたダイワ大会運営スタッフには敬意を表したい。
流木の山!
一方、ダイワ大会運営スタッフは、大会の1週間前に現地入りし、会場全体の把握を行っていた。実は桂浜には、7月末に秋田~山形を襲った集中豪雨の影響で、無数の流木やゴミが打ち寄せていたのだ。
想定していた競技エリアを歩きながら状況を把握するスタッフ。時には素手で大きな流木を動かしたり、動かすことができなさそうな大きな木を起点にして、エリアを想定した距離を測定したりと、非常に難しい競技エリア設定になることが予想された。
他にも細かいゴミが波打ち際に打ち寄せているため、このままでは選手はフルキャストできないかもしれない。「選手達にはできる限り良い状態で競技をさせてあげたい…」小路競技委員長からそんな声が発せられ、スタッフで協議した結果、大会の直前にスタッフ全員で清掃することを決定していた。
さらにはキスの釣れ具合も調査。想定エリアの端から端まで試釣する競技委員長の背中がどんどん小さくなっていく。ところが突然雲行きが怪しくなり、水平線の彼方に稲光が見えた。危険を察したスタッフが競技委員長に連絡をして即時撤収を呼び掛ける。このように時間が許す限り、競技本番への準備は着々と進められた。
熊手を手に…
そして翌週になり、大会直前にエリア分けの旗を立てると同時に、大会運営スタッフの手作業による波打ち際の清掃が行われた。
天候も良く、日光がスタッフを直撃。全員が汗にまみれながら会場の整備が進んだ。こんな陰の努力に支えられて競技会場が準備され、選手が実力を発揮できる舞台が整えられたのだ。
単純に本番の競技だけを見ていると、このようなダイワ大会運営スタッフの想いと汗など知る由もない。小路競技委員長を始め、ダイワ社員、イベント会社ユリシスの皆様のご尽力には頭が下がる。
編集部の耳には「最高の舞台を最高の状態で」そんなスタッフの声が風に乗って聞こえていた気がします。そのお礼として、選手の皆様の気持ちに成り代わり、心からリスペクトの気持ちを贈らせて頂きます。大会運営スタッフの皆様、本当にありがとうございます。
これでダイワ「キスマスターズ2024」全国決勝大会の特集は幕を閉じます。最後まで目を通して頂いた皆様には、少しでも会場の臨場感や、選手、審判、スタッフの気持ちをお伝えできていれば幸いです。
また来年、この秋田に、この舞台に、全国から予選とブロック大会を勝ち上がった選手とシード選手が一堂に会し、熱くもあり楽しくもあるバトルを繰り広げてくれることが楽しみです!