34(サーティフォー) 【第131回 アジングセミナー in青森】リポート

青森市で開催された「アジングセミナー」は、座学と実技の2パートにわたって実施された

座学セミナー

令和6年5月25日(日)、アジング界のカリスマ的存在である34(サーティフォー)代表の家邊克己氏によるアジングセミナーが、青森市「県民福祉プラザ」にて開催された。

会場には青森県内は勿論のこと岩手県や東京都から総勢17名のスキルアップを志すアングラーが集まり、家邊氏の講義に真剣に耳を傾けた。

受講者は展示された「34」アイテムをジックリとチェック
家邊克己代表のセミナーは理路整然として理に適った内容で、誰が聞いても理解しやすい
実物のロッドとイラスト解説で「なるほど!」が蓄積される

中身の濃い座学セミナーは、あっという間に予定の2時間が経過、活発な質疑応答を経てタイムアップを迎えた。

この座学セミナーの中で伝えられた講義内容を、ほんの一部だけであるがピックアップして紹介しよう。

まづめ時

朝夕のまづめ時はプランクトンを捕食する小魚などの活性が上がる。アジはその小魚を狙っていることから、細かいジャークなどのロッド操作によってワームを積極的に動かすことでアピールする。そして、アジに口を使わせる「間」を取るために、止める動作を入れることはとても大事である。

大きい3inの「ビーディー」はアピール力抜群。ヘッドの球部分をカットすれば小型ワームに変身して便利

最初は大き目で目立つワームからスタートし、反応がない場合には少しずつサイズダウンさせるのが基本パターンだ。また、干満差の小さな日本海側はアジの時合いが潮汐ではなく、まづめ時に集中しやすい傾向があるため、釣行の際は参考にしてほしい。

ナイトゲーム

反対に夜間は小魚の捕食行動が鎮まり、アジのメインディッシュはプランクトンに移る。プランクトンとは、自力で泳がず水流に流されるだけの物の総称であり、風がある時は風波や表層の流れに左右される特徴がある。そしてプランクトンは潮下方向に流され、潮溜まりとなってゴミなどの浮遊物が集まっている場所で「塊」となって溜まっていることが多い。

アジは効率的にプランクトンを捕食するため、その「塊」周辺に集まる傾向があり、1級ポイントが形成されることになる。何の根拠もなく闇雲にキャストするよりも、潮の流れる方向や浮遊しているゴミの有無をチェックし、狙いを絞ったほうが答えが早く出ることだろう。

外灯の暗部がヒント

ナイトゲームにおいては、外灯のある場所が狙い目となる。ただし、プランクトンは光に集まる習性があるが、アジは光に寄っているのではなく、プランクトンにを捕食するために外灯周辺に寄っていることを理解してほしい。

アジは明るく照らされた部分ではなく、光の影となって暗くなっている壁際などに留まり、捕食態勢を取っている。そのため、外灯付近を狙う場合は、足下にある暗部を壁と平行に探るのが効果的だ。アタリがなければ少しずつ角度を変えて刻むようにすれば、アジからの反応をキャッチしやすくなる。

軽量ジグヘッドでスタート

水中にあるジグヘッドの存在を手に取るように感じ取るためには、ウエイトを重くすれば簡単である。しかし、ウエイトがあると沈下スピードが速くなるため、アジのレンジをあっという間にスルーしてしまう。その結果、ワームを見せることができず、バイトに至らないことが多い。そのため1g以下の軽量ジグヘッドからスタートすることをオススメする。

ワームを見せやすくするため軽量ジグヘッドを使用。ケース内の整理もウエイト表示をしておけば交換もスムーズ

アジは見えた物がエサになるかどうかが分からないため、とりあえず口に入れて確かめ、違うと判断したら吐き出すという捕食行動を取る。アジに口を使わせるためには、できるだけ長い時間にわたってワームを見せることが基本となるが、そのためには沈下速度の遅い軽量ジグヘッドが威力を発揮する。

軽量に慣れる

軽量ジグヘッドは、キャストする際に飛距離が出ないというデメリットがある。そのため使用するラインは極力細くしたい。ビギナーでもエステル0.25~0.3号を使用してほしい。細ければ切れてしまうという先入観があるかもしれないが、太いラインは抵抗を受けやすくなり飛距離が出ないばかりか、ジグヘッドの存在を把握することの妨げとなってしまう。

軽量ジグヘッドを活かすためには、細いラインを使用する。伸びのないエステルライン「ピンキー」がオススメ

また、ラインは細い方がアジの食いも良く、1匹でも多くフッキングさせることで、取り込みやラインが切れるケースなどを何度も数多く体験することが可能になる。魚を掛けることが最大の練習となり、それが引き出しとなって状況に応じた対応を選択できるようになる。

ワームのカラー

ワームの色はそれぞれの特徴を理解して、その場の状況に応じて使い分けたい。クリア(透明)やソリッド(シルエットでアピールするタイプ)は、アジの食い気があればどちらも反応が出やすい。グロー(夜光タイプ)は光らせる必要はそれほど重要ではなく、白濁するボディーはクリアとソリッドの中間的存在と考えたい。また、点発光タイプは、光らせた時だけアジが食い付いたケースがあった。

点発光タイプのワームも取りそろえておきたい

特に決まったカラーローテーションのパターンはなく、1匹アジが掛かったら同じカラーを継続し、食わなくなったらカラーチェンジする。これは同じ色に反応するアジの群れを釣り切ってしまおうというイメージである。

遠投より近投

遠投すると水深もあり探る範囲が広くなり、最初のヒットに到達するまでの時間を浪費しやすくなる。それよりも岸壁や防波堤の足下にある壁際や、近距離に見える沈み根の潮下側などをピンポイントで攻めて、レンジを刻むほうが効率的である。

特にこれらのポイントは反転流によって潮下側にプランクトンが溜まりやすい箇所でもあり、アジが留まりやすいことを覚えておきたい。

以上、座学セミナーの内容を一部だけまとめてみた。この他にも数多くのアジングメソッドを伝えられた受講者達は、引き続き実技セミナーの会場へと移動した。

次回につづく…。

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釣り東北WEB編集部

株式会社釣り東北社

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「釣り東北WEB」の運営、取材、撮影、編集、映像制作をメインに行う。他、ワカサギの穴、トラウトステージといった東北で人気ジャンルの別冊を刊行。

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