
岩手県・岩洞湖の2月。1月の解禁から連日釣り人から受けるプレッシャーの影響か、はたまた産卵に備えての周期的なものなのか、はっきりはしないが、とにかく「居ても食わない」状況となることから、いつしか2月病と称されるまでになった。それはそれであの手この手を尽くし1匹の価値を噛みしめ楽しむことができるのだが、あまりに釣れないとさすがにツラい。そんな中、深場の釣りが1つの打開策として注目されている。
なぜ深場なのか
簡単にいうと、時間帯に左右されず常にワカサギがいるから。しかもタナがある程度一定しており、釣り方を間違えなければそれなりに口も使ってくれる。深さがある分、どうしても仕掛けの上げ下げに時間がかかり、手返し面で限界があるので爆発的な釣果は出にくいが、比較的サイズも良く、渋いアタリを取って掛けることで釣った感も強い。

2月病真っ只中の2月15日。通称「堰堤」付近の水深28mラインでまさに釣った感を存分に味わっていたのが、バリバスワカサギフィールドテスターの澤口 信さんと浅沼貴博さん。このポイントを選んだ浅沼さんによると「陽が上がる時間からが釣れ始め、日中も群れが抜けにくい。しかも同じ水深であればある程度広範囲で同じように釣れるからピンポイント的に選ぶ必要もない」とのこと。

空中戦のタナバラケ対策
水深28mに対し、ワカサギのタナは底から約5m浮いた23m前後で、2m程の幅があり、タナはバラけ気味。この状況に対し、まずタナバラケ対策で仕掛けは全長が1m前後の長めのもの、かつワカサギに飽きさせないことと個体によってエサの動きの好みが違うことに対応できるようにエダスの長さが異なる三段仕掛けが適した。そして浅沼さん曰く、一番濃い反応が出ている23mにピッタリよりも50cm~1m程上に合わせ、誘いの幅を小さく、止めの時間を長くして、かなり誘いを抑え目にしたほうが食いが良いという。






深場となればできるだけ重いオモリで沈むスピードを速くしたいところだが、穂先とオモリのバランスが重要となる。澤口さんは、穂先がバリバス「MAX299(改)プロト」、オモリは7gを使用。感度優先でわずかな変化を捉え、積極的に掛けていくイメージ。一方、浅沼さんは、穂先がバリバス「Super桧原MAX333 燻紫銀RX」でオモリは9gを使用。沈下スピードを優先しながらも、居食いのワカサギがエサをくわえている時間を長くできる穂先の特性を活かし、重みを捉え乗せていくイメージ。

タナ合わせと誘い方に秘密あり!
他はあまり釣れていない状況の中、良いペースで釣る2人。澤口さんの釣りのほうが当日の状況によりマッチし、正味4時間程度で150匹という好釣果を上げた。「序盤は苦戦していたのですが、この深場に慣れた浅沼君からタナは群れよりもちょっと上に合わせ、魚探を見てタナが変わったように見えても食うタナは変わらないから変えないほうが良いということと、誘い過ぎないというアドバイスを聞いてからペースを上げることができました」と澤口さん。ただ、やはり同じタナで見せ続けるとワカサギがスレてくるので、一度仕掛けを上げてから再びタナまで落とすリセットは効いていた。


以前に比べれば深場で釣る人は増えたが、魚探に群れは映っているのになかなか食わせられないという声は多い。そんな人は是非2人のように狙うタナ、穂先とオモリのバランス、仕掛け、誘い方を工夫してみてほしい。きっと釣れるペースは上がるはずだ!
