まとめ/編集部、協力/工藤康弘(がまかつフィールドテスター)

今年も東北のアユ釣りシーズンがやってきた!東北より先に解禁した日本海側河川では好調との吉報もあり、東北日本海側を代表する米代川水系でも前評判は上々! 今年は天然遡上も多そうで、このままいけば解禁期やシーズン終盤の大アユ狙いも楽しめそうだ。そこで釣り東北もWEBになったことだし、より幅広い層に見てもらえることから、地元エキスパートの工藤康弘さん(がまかつフィールドテスター)に協力を頂き、アユ釣りデビュー間もない方や遠征者に向けて米代川の序盤攻略のポイントを紹介していきたい。
大いなる米代川

秋田県北部を流れる米代川は流域面積が4,100平方kmと広く、その大河ゆえにアユの天然遡上が多い河川でも知られる東北随一のアユ釣りフィールドだ。広い下流域に中上流の岩盤帯、最上流部は抜群の川相。さらに阿仁川を始め多くの流入する支流もまた魅力。そして尺を超す大アユに育つフィールドとしても知られ、終盤のダイナミックな釣りも面白い。
7月1日の解禁期は梅雨真っ只中であり、水量、遡上量ともに安定しない時期に当たる。米代川は有名なポイントが沢山あるが、どこも水量次第となるのが前提だ。そこで、今回は渇水時、増水時の2パターンを想定して米代川の楽しみ方を紹介。
■(想定)渇水時は数釣りを狙うチャンス
平水より下回る渇水期こそ数釣りが狙えるチャンス。ポイントの狙い目としては遡上魚の密度が濃い中下流部の二ツ井エリア(能代市)だ。中でも人気ポイントの銀杏橋上流は長い瀬を形成しアユの着き場も豊富。過去の実績でも解禁日に多くの100匹オーバーの3桁釣果が出ているエリアでもある。

釣り方としては瀬のサラ場(竿抜け)狙いが最も効率よく数を伸ばすことができる。つまり増水時には立ち込むことができなかったポイントも渇水になることで狙えることになる。米代川ほど広い河川ではサラ場も多く、そういったポイントを転々とするのもありだろう。
■(想定)増水時は支流もあり

増水して前述の中下流部で釣りにならない時は、大館や鹿角といった中上流部の早期遡上組や放流物と遊ぶのも面白い。が、増水時は阿仁川、藤琴、粕毛川、早口川といった各支流狙いもオススメ。それぞれ端を発する山域が異なり、よっぽど広域に雨が振らない限りは逃げ場となる支流がある。
支流の中でも代表的なのが最大支流の阿仁川だろう。ここも大アユ河川で知られ県内外から多くの釣り客が訪れる。今年の遡上状況は6月末現在で阿仁川全域にわたり、解禁日から好釣果が予想される。
水位の目安

渇水、平水、増水かの判断だが、国交省の水位観測データをある程度の指標にできる。工藤さんの場合、大館十二所の水位観測データを参考に平水時の+60cmを基準に判断している。ちなみに同点で+90cmを超すと竿を出すのが難しくなる。いずれもデータに限らず、増水時に自分で判断できない場合は安全最優先で無理なエントリーは控えることだ。
数釣り時は太仕掛けで耐久性を上げた仕掛けでテンポ良く!
狙う場所によっては100匹オーバーの3桁釣果も狙える解禁期。手返し良く狙うにはトラブルやバラシが少ない太めの針選択が得策。工藤さんがそんな時に好んで使用しているのが次の針だ。
■がまかつ「T1要(かなめ)R」
シーズン序盤のアユの身がまだ柔らかい時に身切れバラシを防ぐ目的で使用。ナノスムースコートによる刺さりの良さ、そして深いフトコロでがっちりとキープする。取り込み途中でのバレを最小限に抑え、入れ掛かりのリズムを崩さず継続できる。

■同「T1Mシステム鮎」
この針は小針ながら強靭設計であることが魅力。シーズン初期の小型の数釣り向きであるだけでなく、この強さはシーズンを通しても使用できる。

いずれも針サイズは序盤で小型サイズが中心であることから6.5~7号をメインに使用している。

今年の米代川のアユの遡上状況はとても良く、大いに期待できるシーズンとなることだろう。最後になるが、残念なことにここ米代川でも毎年のようにアユ釣り客の水難事故が起きている。くれぐれも安全最優先でシーズンを楽しんでほしい。次回はシーズン序中盤を振り返り、後半の傾向と対策を紹介したい。