山形/菅原広和
第38回(2024年度)投全国大会「最後の関門」
2024年5月18日早朝、2023年に開催された全国各地の予選を勝ち抜いた精鋭58名(欠席・辞退5名)が鳥取県弓ヶ浜に集結。上位21名に渡される全国大会へのキップを目指し、日頃から鍛えたキス釣りの腕を競い合いました。
新潟からは岡本哲選手(シード)、樋口博士選手、森山宝之選手の3名、そして東北からは鈴木裕弥選手、相澤明紀選手(共に宮城)、そして私、菅原広和の3名が出場しました。
前日は激シブ
私は新潟県から出場される岡本哲選手と帯同し、大会前日の下見を行いました。ところが、数投してみてもキスからのアタリを1回もキャッチすることなく時間だけが過ぎました。それでも、中には渋いながらも釣果を出している選手もいたため、最初に入るポイントの選択がカギを握るだろうと予想してこの日の状況を分析しました。
エリアは2つ
一夜明けて大会当日になり、各選手は本部前に並んで受付を済ませます。
今大会は会場をA、Bの2ブロックエリアに分け、1試合60分×3試合を実施。選手は受付で引いたゼッケン番号ごとに決められたブロックとスタート順に従って競技を行います。
私が引いたのはゼッケン47番。第1試合はBブロック16番目、第2試合はAブロック31番目、第3試合は再びBブロックに戻りトップスタートです!
第1試合スタート!
試合時間は1時間、いつものプライベート釣行とは勝手が違い、最初にクーラーを置く場所の選択が大きなウエイトを持つことは間違いありません。しかも前日は1回もアタリが取れなかったことで、狙う距離も絞り切れないままで胸の中は不安がいっぱい…(汗)。
やがて7:00となり第1試が開始となります。
前日に釣れた選手の情報によると、2色以内でキスが掛かったようでした。私はそれよりも少し沖目の4色からジックリとサビきました。すると2色を切った距離でアタリが出ました! 連掛けになることを願いながらその場に仕掛けを止めます。少し放置してからゆっくりと回収すると、2匹のキスが波間に顔を出してくれました!
その後も同じ距離を攻めますが、何事もないまま競技終了の合図が聞こえてきます。試合時間の短さをまざまざと実感します。私が入ったBブロックでは半分ぐらいの選手がアタリを取れなかったようで、2匹釣れただけでもホッと一息という感じでした。
第2試合
第1試合でAブロックに入った選手は、Bブロックとほぼ同じような釣れ方だったようです。第2試合のスタート順が後ろの方…いや、最後尾(笑)だったので、空いているスペースに福があることを願いながらスタートを迎えます。
ところが…遠投しようが、仕掛けを止めて待とうが、何を使用がキスのアタリを全くキャッチできなかったのです。ジャパンカップのセミファイナルでは1試合でも「ボウズ」を引くのは黄色信号。私のファイナリストへの夢は第3試合に託されることになりました。
第3試合
第3試合は再びBブロック。しかも私は1番目のスタートということで、第1試合で上位だった選手が釣れていたポイントを目指そうか迷いましたが、エリア左側の本部前に陣取ることにしました。
第1投は5色に着水、やや沖目からジックリと探ります。すると3色弱の距離でキスからの微弱なシグナル…。そのまま両手を膝の上に置いて、行儀よく追い食いを待ちます(笑)。少し待ってから回収すると小型ながら2匹のキスが着いています!
「よっしゃ~!」と、小さくガッツポーズをしながら、1投目でキスが釣れたこと、もしかするとファイナリストになれるかも…と、無意識のうちに力が入ってきました。
続く2投目は、その余計な妄想が災いし、変に力んでまさかのキャストミス(涙)。1時間の競技時間では1投のロスが敗因となることもあります。このミスで落ち着きを取り戻して、自分のペースを思い出しながら釣りを再開します。
その後は3色弱で2連、続いて同じ距離で3匹を追加し、残り時間10分の時点で撤収することに。周囲の釣れ方が今一歩だったので、かなりの確信を持っての早上がりでした。
快挙!
全選手の検量が終わり、やがて成績発表となりました。優勝は新潟の岡本選手! 岡本選手は3試合とも「ボウズ」なしの安定した釣果を叩き出していました。新潟から弓ヶ浜までの道中は車に同乗させてもらい、しかもずっと運転して頂きました。その疲れがあったにも関わらず、さすがの結果に私も嬉しくなってしまいました。岡本選手、おめでとうございます! そしてありがとうございます!
ファイナル進出は21名。第1試合と第3試合ではそこそこの釣果があったので期待していると、なんと、第9位で私の名前が呼ばれました!
「やったぁ~!」
念願のシマノ「ジャパンカップ」のファイナリストになることができて、思わず喜びの気持ちが爆発します。そのおかげで表彰式の画像を撮ることを忘れてしまいました(笑)。また、新潟から参戦の樋口選手も11位で全国大会のキップをゲットされていました。おめでとうございます!
初めての弓ヶ浜。長距離の移動。前日の撃沈。1試合1時間の短時間決戦。様々な課題がありましたが、結果を残せて大いに楽しめましたし自信にもなりました。帰路の車内は岡本選手とお互いの快挙を讃え合いながら、笑いと満足感に満ち溢れた時間を過ごすことができました。
ファイナルは来月の6月15日(土)~16日(日)、同じ弓ヶ浜を舞台に開催されます。セミファイナルから勝ち上がった21名に、昨年度全国大会の上位3選手を加えた24名で今年のトップの座を競います。そのステージに立てる喜びを噛みしめながら、少しでも上位に食い込めるよう、全力を尽くしたいと思います。
セミファイナルのルール、順位決定などの規定はこちら:2024_JC_GB_SF_KISU.pdf