今回は、冬の岩手県三陸沖を舞台にしたヤリイカメタルの実釣レポートをお届けします。
寒さを吹き飛ばすほど「熱い」三陸のヤリイカゲーム。シマノ・インストラクター「イカ先生」こと富所 潤氏による、再現性を追求した繊細な攻略メソッドを詳しく解説します。
冬の三陸、テクニカルなヤリイカメタルが面白い!
岩手県大船渡市小石浜沖。切り立った岩盤が海へと続くこのエリアは、岸からほど近いポイントでも水深が50mを超え、アンカーを打ってじっくりとイカを待つスタイルが主流です。
冬の風物詩であるヤリイカですが、そのアタリは非常に繊細。富所氏は「東北の冬はめちゃくちゃ寒いが、釣りは最高に熱い」と語り、寒冷な状況下でも確実にイカを掛けていくための戦略を披露してくれました。


タックル選び:繊細なアタリを捉える「ウキウキトップ」と新機軸「レバーブレーキ」
ヤリイカ攻略の要となるのが、小さなアタリを視覚化できるロッドです。
メインベイトロッド:セフィア リミテッド メタルスッテUK-B62-GS(ウキウキトップ搭載モデル)
ヤリイカの「チッ」という僅かな触りを捉えるには、ソフトな穂先が不可欠。富所氏は「ウキウキトップはマスト」と強調します。


スピニングの進化:レバーブレーキリールの活用
今回注目したいのが、スピニングタックルにおけるレバーブレーキリール(ハイパーフォース LB)の使用です。ベールを返さずにラインを送り込めるため、ベイトリールのクラッチ操作に近い感覚でフォール操作が可能。これにより、スピニングの利点(キャスト性能)を活かしつつ、緻密なレンジコントロールを実現しています。

攻略のキモ:ベタ底を「ネチネチ」攻める
ヤリイカはスルメイカやケンサキイカと異なり、レンジが底付近(ベタ底)に集中するのが特徴です。

- タナの設定:海底から5m以内、厳しい時は3m以内を重点的に狙います。誘い上げてもハンドル2〜3回転まで。それ以上は上げず、再び底を取り直すことが重要です。
- 誘いのコンビネーション:シェイクした後のステイ、テンションフォール、フリーフォールをミックスします。「ヤリイカはじっと見ている」という意識を持ち、同じ棚でしつこく誘い続ける「ネチネチ」としたアプローチが効を奏します。
- キャストで広く探る:潮が速い時やアタリが遠い時は、スピニングで少し投げて広く探ります。潮に乗せて斜めにラインが張られることで、イカが触れた際の重みの変化がより明確に出やすくなります。

仕掛けとスッテ:シルエットとラトルの使い分け
メタルスッテ:潮の速さに応じて、15号から35号までのメタルスッテ(コロコロスッテ、ノリノリスッテⅡ)を準備しましょう。

ドロッパー:エダスはアタリをダイレクトに伝えるため、5cm程度のショート仕掛けが推奨されます。
ラトルの有効性:この日はラトル入りの「フワフワスッテⅡ」が好反応。音によるアピールが、ヤリイカの捕食スイッチを入れるフックになることもあります。
アタリが分からなければ「全部アワせる」
富所氏からのアドバイスで印象的だったのが、「最初からアタリを見分けようとしないこと」。 ウネリがある状況では、船の揺れなのかイカなのか判断が難しいもの。まずは「動きが少しでもおかしい」と感じたら、片っ端から合わせていく。その積み重ねが、その日の「正解のアタリ」を見極める近道になります。実際の様々なテクニック、動作はぜひ動画でチェックしてください。


シーズン展望
三陸のヤリイカは11月から始まり、年明け1月頃まで楽しめます。シーズンが進むにつれてサイズアップも期待できるこの釣り。 寒さ対策を万全に、繊細かつ大胆な「イカ先生流・再現性重視のメタルスッテ」で、冬の三陸を攻略してみてはいかがでしょうか。
【今回の使用タックル】
ロッド:シマノ セフィア リミテッド メタルスッテ UK-B62-GS(ウキウキトップ)、R-S62M-Sリール:シマノ バルケッタ プレミアム 150DH 、ハイパーフォース LB C3000MHG
ライン:シマノ ハードブル 8+ 0.6号
リーダー:フロロカーボン 5号
仕掛け:シマノ セフィア スッテアシストリーダー ショートタイプ、Wエダスタイプ、オモリグタイプ
メタルスッテ:シマノ セフィアコロコロスッテ、ノリノリスッテⅡ(15〜20号)
ドロッパー:シマノ フワフワスッテⅡ(ラトル入り)、スイスイドロッパー フラッシュブースト





【取材協力】
龍神丸
TEL080-1811-3222
〒022-0211 岩手県大船渡市三陸町綾里小石浜1
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