
秋の川鱸(リバーシーバス)特に9月下旬くらいから始まる産卵で弱ったアユを捕食するシーバスを狙って釣る「落ちアユパターン」と呼ばれる釣り方はアユを飽食しているマッチョな大型のシーバスが釣れるので魅了されるアングラーは少なくないと思います。サイズは釣れれば殆んどが60cm以上で80cmを超えるランカーサイズが複数釣れることもあり、しかも釣り方は大型のルアービッグベイトを使用し、なるべく沈めないで表層を狙い水面爆発を楽しむというマニアックな釣りです。自分は近年リバーシーバスの釣行回数はめっきり減りましたが、秋のこの時期はタイミングをみて通っています。今シーズンも渓流が禁漁に入った10月上旬よりスタートしてボウズの日も勿論ありますが、比較的順調に釣果を伸ばしています。今回はこの秋のシーバスについて自分なりに考察してみます。
目次
強いタックルで!
前述したように釣れるシーバスは殆んどが60cm以上のコンディションの良い個体ばかりで、比較的大型で重いルアーを使用するのでロッドはミディアムヘビークラス以上、ルアーは50gを超える物も多いのでルアー負荷も耐えれるものが望ましくなります。私はスピニングタックルで65gまで対応できるエバーグリーン「ZAGS-103M/Hハープーン103」を使用しています。リールはシマノ「エクスセンスXR4000MXG」。

ラインはバリバス「アバニキャスティングPEマックスパワーX8ショアマスター」1.2号、ショックリーダーがバリバス「ショアレコードショックリーダー」25~30Lb。大型の思いルアーをキャストすることが多いのでラインに対する負荷も大きく強いことに越したことはありません。

「アバニキャスティングPEマックスパワーX8ショアマスター」はしっかりとコーティングが施されしなやかでトラブルも少なくとにかく強いのが特徴で、1.2号でランカーサイズがヒットし、パワーファイトをしても切れる気が全くしないほど強いラインだと思います。岩盤に根掛かったときやシステムを組み直すときなどに引っ張ってみるとその強さには驚かされます。ヒットしたシーバスを確実にキャッチしたいのでラインは信頼のおけるものを使用したいです。ルアーは基本的には13cm以上の落ちてくるアユに近いサイズを使用します。

弱って浮いているアユを捕食しているシーバスを狙いたいので(勿論沈めても釣れます)基本的にはフローティングルアーがメインとなります。主に使用しているルアーはアイマ「コモモSF-145」、今シーズン新発売となった「コモモSF-155」、ピックアップ「サイドプレス160F」、エバーグリーン「ストリームデーモン」シリーズの他ジョイント系などをローテーションしています。


「コモモSF-145・SF-155」は26g・25gと軽いので一般的なシーバスロッドでも投げやすくレンジも浅くサイズ感が良いのでローテーションに入っています。アップストリーム、ダウンストリームどちらでも対応できカラーも豊富です。「サイドプレス160F」は浮力の高いボーン素材を使用しているので着水音がナチュラルで高浮力がもたらす恩恵かトップに出る頻度はずば抜けて高く気に入って使っています。軽い分誤爆(ミスバイト)も多い気もしますが、誤爆しても同じ魚が何度も出てくれます。過去に同じ立ち位置で6誤爆からの7回目にヒットしたこともあるので、弱ったアユに近い浮き方、流れ方なのではと考えています。




「ストリームデーモン」シリーズは言わずと知れたビッグベイトの代表格で秋の川鱸での出番が多くなります。巻かないで流すも良し、デーモンロールと呼ばれる巻きでも良しここぞというときに活躍してくれます。他にもジョイント系、少し潜るミノー、フローティングシンペンなど他のルアーで反応がない場合は色々とローテーションしています。


反転流を狙う!
釣り方は水面爆発に拘らなければオープンエリアで遠投して手広く探っても釣れることもありますが、岩盤やストラクチャーの際などのシーバスが定位しているであろう場所をピンポイントで狙うほうが効率がいいと思います。シーバスは弱ったアユが多く流れてくるポイントで待ち構えているので、流芯脇の反転流付近のシャローで自ら身を隠すことができる場所に高確率に着いています。水深は浅からず深からずで水量に応じて着き場は変わってくるので、怪しいと思うポイントはとにかくラン&ガンします。着いていそうなポイントをダイレクトに狙うのではなく、そこを流すイメージで流れの上流側にキャストして巻かないで放置しても出ますが、ここぞというピンスポットで軽くロッドを動かし瀕死のアユが少し動く演出をすると動いた瞬間にバイトしてくることも多々あります。


ピンポイントを流すことが多いのでラインの視認性も重要でホワイトカラーを採用している「アバニキャスティングPEマックスパワーX8ショアマスター」はラインメンディングする際に非常に大きなアドバンテージになります。


アユが多く流れてくるタイミングの目安としては鷺や鵜の存在がキーワードになります。弱ったアユを捕食するのはシーバスだけでなく、鷺や鵜も一緒でこれらの鳥が岸際で待ち構えているところにシーバスも多くいると思われます。そのサインとしては姿は勿論ですが、糞や足跡、羽が多くある場所が狙いめです。



Xデーを求めて!?
川鱸を狙い始めて25年くらいになりますが、良い日もあれば悪い日もありそれが面白くて通ってしまうのですが、過去にこの時期Xデーと勝手に呼んでいる日が2回ありました。それは殆んど同じ場所で2桁以上のキャッチを成し遂げた日です。1回目はたまたま秋田空港に夜用事があり待ち時間の2時間弱ナイトゲームをやったことのないポイントへ入り、バイト、バラシは多数で13本キャッチで内3本がランカーという宝くじ級の釣果。2回目は夕まづめの2時間くらい2人で10数本キャッチというこれまた爆裂の日。特にボイルもなくアユの存在もあまり多く感じなかったのですが、とにかく短時間で釣れ続く日が2回あり、それが脳裏に焼き付きついています。まあ殆んどがボウズや単発くらいですが、1匹でも釣れれば御の字と思いつつも「もしかしてXデー」に当たらないかと期待してしまいます。


またベイトフィッシュは落ちアユだけではなく、2cm前後の何かの稚魚やナイトゲームで目が光って見えるエビ類なども多く、昔デイゲームオンリーしかやっていなかった時期には落ちアユなど全く意識しないでバイブレーションやサクラマス用のディープミノーをガンガンジャークして釣っていたので、一概にビックベイトが良いとも限らないと思います。

それから注意点としてはやはり熊の存在です。もはや市街地でも普通に遭遇するくらいですので、川鱸を狙う各河川にも相当数の熊が存在しています。近年では猪も増えてきているので、熊や猪などの獣対策をしっかりとやらないと危険極まりないので、十分に注意しながら釣行したいものです。


例年この秋のパターンは気温、水温次第ですが11月上旬頃まで狙えると思いますので、安全第一で楽しみましょう!