2時間勝負!
21名による決勝戦は、10:30~12:30の2時間で行われた。本部スタッフの競技の結果、キスの活性が低いとの判断で、競技エリアは1回戦で使用しなかった本部前エリアが追加されて実施された。
その本部前には決勝進出メンバーのみならず、惜しくも決勝に進めなかったシード権争奪戦の選手も交じり、「叩かれていない」エリアを選択する常套手段が展開されていた。
そんな中でエリア中央部まで歩を進めてスタートを切ったのは、前年度チャンプ齋藤和典選手。近場を丁寧に探り、開始早々に小型ながらもキスを1匹キープしていた。
東北勢が躍動!
競技開始早々の数投目、石山選手には強烈なアタリが入っていた。大きく竿を引っ手繰られながらも、決して焦らず冷静に取り込んだのは、20cmを超えるビッグなキス! おそらくこの1匹で70g超えは間違いなさそうなサイズ。しかも2匹ゲットともなれば、一気に優勝カップに手が届きそうな気配。
また、その隣に陣取っていた山口選手にも良型キス! 最初に小型が掛かっていたが、どうやらこのゾーンに良型の群れが回遊したようだった。
そのチャンスを活かす運の強さも、日頃から鍛えたキス釣りの技術があってこそ。2人共に宮城協会を代表する名手だけに、同じ東北勢による表彰台独占という光景が目に浮かんだ。
一方、エリアの奥(西側)で奮投していたのが女性トップキャスターの宗像選手。今年で3年連続決勝の舞台で、前日までの地元情報や過去のデータを駆使し、長い距離を歩いてポイントを攻めていた。
しかし、上げ潮の時間帯に入って高波が押し寄せる展開となり、キスからの知らせが手元に届いていなかった。小さな移動を繰り返しながら粘るも、残念ながら思うような釣りはできていなかった。
全ての選手の状況を確認したが、開始早々の時間帯に本部前で良型が掛かったのが唯一のチャンスだったのかもしれない。中盤~後半の時間帯は小型のキスが掛かるものの、良型1匹の重量を覆すまでには相当の数を釣らなければならない。
こうして2時間の決勝戦はあっという間にタイムアップ。検量に向かう各選手の表情は悲喜こもごも。
そんな中、1回戦で起死回生の逆転キャストを見せたアーロン名人が、明るい表情を見せて検量に向かって歩いていたのが強く印象に残った。
検量結果発表!
やがて全選手の検量が終わり、本部スタッフから成績が発表された。
決勝の結果は21位から順に発表された。
5位 神崎選手
石山選手インタビュー
(編)
入った場所はどのあたりで、良型が釣れたのはどのタイミングでしたか?
(石山)
1回戦で誰も竿を出していない本部前。近くて歩かなくていいし(笑)。決勝が始まって2~3投目だったかな? やはり竿抜けのポイントを狙ったのは正解でしたね。
(編)
厳しい状況だったので、良型を2匹釣って優勝を確信しましたか?
(石山)
いえいえ、そんな余裕なんかないっすよ(笑)。偶然通りかかったキスが自分の仕掛けに掛かってくれただけだろうし、キスが回ってさくれれば誰にでもチャンスがあったと思います。
(編)
1回戦開始前に「一昨年(準優勝)のリベンジですね?」と聞きましたが、その時のお答が「一番高い所、真ん中でしょう!」でした。まさに有言実行ですね!
(石山)
たまたまですよ(笑)。でも、メッチャ嬉しいっす!
優勝した石山選手には持ちきれない程の賞品が授与された、それをサポートしたのは同じ宮城協会の宮本選手。優勝カップをガッチリと抱いてドヤ顔を披露し笑いを誘っていた(笑)。
こうして第26回NSCF杯投げ釣り選手権は大盛況の内に幕を閉じた。52名の選手の皆様、そして大会を支えてくれたスタッフの皆様、本当にお疲れ様でした。
キスの投げ釣りが、そして同じ釣りを共有する仲間の楽しいコミュニティーとして、同大会がいつまでも存続し続けることを願わずにはいられない。
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【投げ釣り専科】final stageへつづく…