初夏の装い
今週末の天気予報を見ると、各地で夏日を記録しそうで、早くも夏の気配を感じます。まだ海水温が上がっていない東北北部でも、今週末を境に夏の海にグンと近付く予感がします。そんな季節の変わり目となりそうな、今週末の釣り物予報をお届けします!
アジ
海釣りの登竜門と言っても過言ではないのがアジ釣り。オカッパリではウキ釣り、サビキ釣り、そして近年人気のルアー釣り(アジング)など、様々な方法でアプローチすることができます。
また、船釣りでは従来から安定した釣果が期待できるビシ釣りやサビキ釣りが有力。さらには、船の下をルアーで垂直に狙うバーチカルコンタクトなどの釣り方も盛んになってきています。
先週末の段階では、青森・秋田(北部)・岩手(北部)を除き、ほぼ全域でアジの釣果が出ていました。中でもオススメなのは、秋田(男鹿以南)~庄内一帯~新潟で、40cmに迫る「デカアジ」も各港湾や地磯で数多く仕留められています。
釣り味は勿論のこと、食べても美味しいのがアジ。さまに今が絶好のチャンスですので、近くのポイントに出掛けてみて下さい!
クロダイ
青森・津軽~秋田・男鹿~庄内~新潟などの広範囲で、クロダイが好調に釣れています。サイズも「年なし」と呼ばれる50cmオーバーの大物の情報も数多く聞こえてきています。
これまで深場に棲息していたクロダイが、産卵期を迎えて浅場に寄ってくることを「乗っ込み」と呼びますが、今その傾向が顕著に表れていると思われます。ポイントによっては大物マダイにハリスを切られるアクシデントも発生しており、嬉しいゲストも含めて大いに期待が持てることでしょう。
シロギス
この「週末釣り物予報」コーナーで、思いきり予想を外しているのがシロギスです。昨年はゴールデンウィーク最中に、秋田~山形の各サーフでツ抜けの釣果情報が流れましたが、今年は庄内方面の一部のサーフでしか、まともな釣果が出ていません。
実際に回収したオモリを触ると、その冷たさに驚くとの声が届いており、田んぼの代掻き水などの影響で水温が下がっていることが、キスシーズンが遅れている要因に1つになっているのかもしれません。
今週は適度な風と波もあり海中に酸素が行き届くと思われ、水温さえ上昇すれば一気にシロギスの活性もアップし、ゾロゾロと連掛けする光景が見られることでしょう!
シャコ
仙台港周辺ではチョイ投げでシャコが釣れ始めています。シャコはアオイソメをツケエサにして、手持ちのルアータックルなどでも手軽に狙えるターゲットです。
日中でも釣れますが、どちらかと言えば夜中に釣果が上がるシャコ。最近は夜中の最低気温も上昇しており、複数の竿を並べて繊細なアタリを待つスタイルもオススメです。海底が砂泥のポイントであれば、カレイ類、アナゴなどの食べて美味しい魚も顔を出してくれるかもしれません。
イナダ/ワラサ
新潟方面ではサーフからのルアー釣りでイナダが釣れ始めました。良型のアジやサバも交じりで、特に朝まづめにラッシュとなっているようです。
使用するのは28~60gのメタルジグで、ナブラを見付けたらその沖目までフルキャストします。特別なアクションは不要で、ハイスピードのただ巻きでも十分に口を使ってくれます。
注意して頂きたいのは、持ち帰らない魚が掛かったとしても、決して砂浜に放置しないことです。魚の手応えを楽しむだけで、魚の命を奪って放置する行為は絶対に慎まなければなりません。特にサーフでは、サバや小型魚などが干乾びているのを目にする機会が多く、アングラー1人ひとりのマナーと常識が問われています。
マダイ(船&オフショア)
各地でマダイの情報が増えてきました。タイラバやジギングでの釣果が大半を占めていますが、間もなくテンヤ釣りなども盛期に入ってくると思われます。
秋田県男鹿半島の沖磯ではウキフカセ釣りでマダイが仕留められています。かなり浅場まで群れが寄っていますので、既に乗っ込み期に入っていると想像されます。
また、船釣りでは、タイラバにアマダイ、カナガシラ、ヒラメ、青物などの嬉しいゲストも交じります。ボトムタッチから表層まで、いつアタリが出ても対処できるよう、油断せず足下まで集中して誘いをかけ続けましょう!
マコガレイ(船)
今、三陸沖のマコガレイ釣りがイチオシです。肉厚で良型のサイズがムシガレイ交じりで船上を賑わせています。
船のカレイ釣りでは、コヅキで海底の砂を舞い上げるなどの効果で誘いを掛けますが、マコガレイの場合は食わせる「間」を入れることが釣果を伸ばす秘訣となっています。
一方、宮城県仙台湾のカレイ釣りも有名ですが、近年は小型のマガレイが中心となっており、良型のマコガレイは貴重な存在となっているようです。その変化の要因が、海の温暖化なのか、漁師や釣り師による乱獲なのかは不明ですが、釣り過ぎによる個体数の減少も一因と考えたら、できる限り抑制したいものです。例えば25cm未満の小型は自主的にリリースするなど、資源保護に対する心掛けも大切なマナーだと思われますでの、是非とも実行してみて頂きたいと思います。
メバル(船)
「春告魚」の代表格は、何と言ってもメバル(ウスメバル含む)でしょう。そろそろ後半戦を迎えていますが、福島県沖や日本海側で数釣りが楽しめています。
船のメバル釣りは胴突き仕掛けでエサを付けたり毛針で誘うのが面白く、ベテランになると針数を増やし、100匹超えの束釣りなどの釣果も決して珍しくありません。ポイントによってはクロメバルとウスメバルが交じり、そのコントラストをめで楽しむこともできます。
釣り上げた新鮮なメバルは、定番の煮付けにすると、つい酒が進んでしまう絶品の肴になります。また、ご飯のお供として誰もが美味しく食すことができます。大漁に恵まれた時は、お裾分けしても喜ばれますので、1匹掛かったら追い食いさせて「鯉のぼり」のような連掛けを目指しましょう!
ターゲット目白押し!
上記の他にも、各渓流でのイワナ&ヤマメ、秋田港、相馬港などでのコウイカのエギング、青森県太平洋側の船アイナメなどもオススメです。様々な釣り物があって何を狙おうか迷ってしまいますが、ご自身の好きな釣り方で、初夏の釣りシーズンを堪能しましょう!