今週は季節外れの温かい空気が東北全域を包み込み、あたかも春を告げるような気温となった。そのため今週末は春をイメージさせるターゲットが口を使い始めてくれると予想してみた。
アイナメ
東北の春を告げる魚と言えば、アイナメ、クロソイ、メバルなどのロックフィッシュが頭に思い浮かぶ。特に近年はハタ系の魚も釣れるようになってきて、ターゲットの幅も広くなった。
そんな中でアイナメのルアー釣りが好調を維持している。主に青森~宮城の太平洋側の地磯や漁港などで釣れ続いているが、巷では海水温が高いのが釣れ続いている原因だとの説もある。
オカッパリでの釣り方は「テキサスリグ+ワーム」「ブラー+アオイソメ」「投げ仕掛け+アオイソメ」などが挙げられ、それぞれ釣り人の好み、ポイント、シチュエーションなどによって使い分けたい。40cmを超える良型になるとパワーは格別。その手応えで「冬眠」から目覚めてはいかがだろうか?
サクラマス
青森県下北半島の野牛漁港から出船し、2.5~3時間ほどの移動を経た恵山沖でのジギングが好調。船内で100匹を超える釣果が出ているが、ベイトとなるイワシの回遊次第で日によってムラもある。
一方、近年では三陸沖のサクラマスや、内水面を遡上する絶対数の減少を危惧する声もある。秋田県北部を流れる米代川では、キープ数を1シーズン10匹までに制限する動きが出ている。特に前述のように時間と経費を掛けて遠征するジギングなどでは、小さなサイズまでキープしている傾向があるようだ。川と海では違うだろうとのご指摘があるかもしれないが、資源確保の意味と、長く釣りを楽しむ意味を込めて、小型魚は極力リリースし、必要以上のキープは控えるようにお願いしたい。
ヤリイカ
三陸沖~福島沖のエリアで、良型のヤリイカが釣れている。群れが小さいのか大釣りの期待こそ薄いが、胴長40cm以上のビッグサイズも仕留められている。
また、青森・竜飛~深浦周辺、秋田・男鹿半島周辺、山形・庄内沖など、日本海側でも磯や沖で良型ヤリイカが釣れ始めている。磯からはエサ巻きテーラーに鶏のササミを巻いたウキ釣りが主流。船からはメタルスッテを使用し、水深や潮流によって10~30号のスッテを準備しておきたい。
マダラ
青森~三陸の太平洋側ではマダラが浅場に寄ってきており、ジギングで手返しの良い釣りが展開されている。まだ白子も入っているが、水温が高いこともありラストスパート状態に突入している。
青森県陸奥湾内でもジギングで数釣りを楽しまれている。さすがに大半のマダラは白子が抜けてしまっているようだが、寒さも一段落を見せて釣りやすい状況と思われ、船に空きがあったらチャレンジしてみる価値はありそうだ。
タチウオ
晩秋で一段落したかと思われていたタチウオだが、ここにきて宮城~茨城沖で好調に釣れている。黒潮に乗って北上した可能性もあるが、条件が揃えば1人20匹を超える釣果も出ており、寒さの中でサーベルフィーバーの熱気が再燃している。
釣り方はジギング、テンヤのエサ釣りが主体。サイズも指4本以上の型揃いで、大き目のクーラーを持参したい。
今更ではあるが、タチウオの歯は鋭く、うっかり接触するとケガを負ってしまう可能性が高い。フィッシュグリップなどの魚をシッカリとホールドして動きを制御するアイテムは必需品だ。
春の足音
雪も少なく除雪や雪下ろしなどの回数も大幅に減って生活面では楽な今年の冬だ。ところが、山間部への降雪と積雪が少なく、春先の減水や内水面や海への栄養供給などの悪影響が心配され始めている。厳しい冬の訪れがないまま春に向かって季節が歩きだしている。これもまた自然のなせる業であり恵みの一部でもあるだろう。二度と体験することがないかもしれないこの早春。季節の変わり目を感じながら、魚ならのアタリに集中してみようではありませんか!