宮城県追波湾でのタチウオテンヤ実釣で、シマノインストラクター・富所潤氏(通称イカ先生)が見せたのは、バイブレーションを駆使した緻密な攻略法。
一見すると「小刻みに誘って掛ける釣り」だが、富所氏の狙いはそれだけではない。
「バイブレーションはテンヤを動かすためだけではなく、テンヤの重みの変化=潮の違和感を感じるための“素振り”」なのだ。

当日の状況
南三陸町・伊里前漁港から大隆丸に乗船。牧野船長の操船で追波湾を攻略した。
追波湾は追波川と北上川の河口域に位置し、当日は晴天・ベタ凪。
表層は濁りが強く、底潮も場所によって複雑に流れる状況。
日中に何度か訪れた時合を逃さず、富所氏は30本以上のタチウオをキャッチした。




使用タックル
ロッド:シマノ サーベルマスター エクスチューン 攻 テンヤ82MH170
リール:シマノ スティーレ 100PG(パワーギア)
ライン:シマノ ハードブル8+ 1号
リーダー:シマノ オシア EX フロロ リーダー
テンヤ:シマノ サーベルマスター 船テンヤ30〜40号、イワシ餌使用
ハンドル:シマノ 夢屋 ダブルハンドルアルミノブ 60MM グレー
「テンヤは軽い方が潮の動きを捉えやすい」という理由から、30号を基準に使用。
潮が速い時のみ40号に切り替えた。



富所流“止めドコロ”理論
1. バイブレーション=素振り
富所氏が多用する省エネバイブレーションは、単なる誘いではない。
ロッドを小刻みに弾き、一定のリズムで繰り返すその動きは、野球やゴルフの素振りと同じ感覚だ。

「同じ動作を繰り返すことで、違和感を覚えやすくなるんです。
重さが変わる瞬間、テンヤが抜ける感じ、その小さな変化に気づけるかどうかが大事」(富所氏)
2. テンヤの重みで“ヨレ”を見抜く
テンヤを誘い上げながら、ふっと軽くなる瞬間や、逆に急に重くなる瞬間がある。
これが潮のヨレであり、ベイトが寄る場所であり、タチウオが待つ場所だ。

「30号のテンヤが急に15号や25号の重さに軽く感じたりする。
そういう変化を素振りの中で覚えていくんです」(富所氏)
3. 違和感を感じたら“止め”を入れる
潮のヨレを感じ取った瞬間、意図的にテンヤを止めることで、自然な水平姿勢を作り、食わせの間を演出。
「止めドコロ」を見つけられるかどうかが、釣果を大きく分ける。
軽くなる → テンヤを止めて漂わせる
「誘って掛ける」プラス「潮に合わせて食わせる」釣りが富所流だ。

当日のヒットパターン
・基本は30号テンヤでボトム付近を攻める
・バイブレーションでテンヤの重み変化を感じながらタナ=ヨレを探す
・ヨレを見つけたら迷わず“止め”を入れる
・ベタ底の横引きキャストでも良型を連発
この戦略で、指4〜5本サイズを中心に30本以上キャッチ。
さらに120cm超のドラゴン級も登場し、船上は大いに盛り上がった。
釣果まとめ
終始、富所氏はバイブレーションでテンヤを操りながら「重みの違和感」に集中。
結果的に、他の釣り人が拾えなかった魚を効率よく掛けていった。
「バイブレーションは、誘いのためじゃなく、潮を読むための素振りです。
繰り返す中で違和感を体に刻むことが、“止めドコロ”を見つける近道です」(富所氏)
意図的な釣りで釣果アップ!
追波湾のタチウオテンヤでは、単なるアクションでは釣果は伸びない。
バイブレーション=素振りと捉え、同じ動作を繰り返す中でテンヤの重みの変化を感じ取ること。
そして、その違和感を頼りに「止めドコロ」を作り出すことが、ドラゴン級を獲る最短ルートだ。
