何でも釣れちゃう!「ブラーマジック」のタネを教えまSHOW!! その3/6月、キス狙わずして何狙う!?

ベストシーズンの6月! 魚達が活発に動ける海水温となり、また産卵絡みで浅場へ接岸し狙いやすくなる。特に、何でも釣れるブラーにとってはまさにうってつけのシーズン。色々な魚がヒットしてくるので、アタリが頻発し本当に楽しい! それだけに何を狙うか非常に迷ってしまうところだが、今回は「キス(シロギス)」に絞って紹介する。

基礎知識

どこを狙う?
 キスは日本海(津軽半島~新潟)であれば砂浜、それに隣接した漁港の殆どの場所で狙える。砂浜といっても広大なので、どこを狙えば良いのか戸惑う人も多いと思うが、意識すべきは「水深」と「変化」。まず水深は、例えばずっと沖まで水深が50cmもないような遠浅な場所(波が砕ける白波のエリアが広い)にはあまりキスは居着かない。理想は波打ち際から急にカケ下がり、コンパクトロッドで届く範囲(20~30m沖)の水深が2m以上ほしい。
 その条件を満たすエリアでさらにポイントを絞るための要素が「変化」となる。前述したように、カケ下がりもその変化。他にも沖にテトラがある、陸地側が高く盛り上がってる(=逆に水中がカケ下がっている)、部分的に波が砕ける(その周辺は浅く周りがカケ下がっている)、潮目ができているなどが目安になる。そういう変化が分からない時は扇状に投げて広範囲を探り、アタリが多く出る場所を集中的に狙うと良い。

キス釣りの定番ポイント、サーフ。岸際からある程度水深があると手前でも釣れやすい
サーフに隣接する漁港では船道を狙いたい

タックル
 漁港やサーフの波打ち際など近距離がポイントになるサーフがポイントならセット物のコンパクトロッドタックル、バス用(ライトタックル)、メバリングタックルでOK。サーフでポイントが50m以上と遠い場合は、飛距離が出せるエギングかシーバスタックル(PEライン0.6~0.8号クラス)が良い。
ブラーとエサ
 ブラーは、ノーマルタイプかキャスティングタイプの8~15g、カラーはイエロー、蛍光赤、24KGなどが良い。軽いブラーは食い込み、誘い重視。重いブラーは遠投が効くが、セットされている針のサイズが大きくなるのでおちょぼ口のキスだけにより針掛かりしにくくなる。
 エサは万能なアオイソメでも良いが、キスの大好物であるジャリメがベスト。付け方は、頭から針を1cm程通し刺しにして針先を出し、タラシを1cmにする。虫エサが苦手という人にはマルキユー「パワーイソメ」がオススメだ。
釣り方
 釣り方は簡単、投げて底まで沈めたら底を引きずるようにリールをゆっくり巻くだけ。ゆっくりといっても人によってイメージが違うと思うが、アリが歩くスピードから人が歩くスピードくらいまでをイメージしてヒットしやすいスピードを探すように色々試してみると良い。途中で止めるのも有効だが、、止め過ぎるとフグの餌食になりやすいので注意。
 根が混じるような場所では軽く根に引っ掛かったら竿を上にあおって外し、また底まで沈めるとそれが良い誘いにもなる。
 キスのアタリは、ブルブルブルブル…と竿先が震えるようなものが殆どで(フグはモワモワッとくる)、サイズが大きいとガンガンガンガン…!と出方も大きくなる。アタリがあったら、竿をクッと鋭く立てて針掛かりさせる。あとは、リールを止めずに一定スピードで巻き上げるが、引き波が強い時に無理に巻き上げると口切れでバレやすいので、一旦巻き上げを止め、引き波が弱まるまでやり過ごす。

基本は底をズル引き&ストップのアクションで釣る。リールをゆっくり巻いても良いし、竿をゆっくり立ててブラーを動かしても良い。とにかくゆっくり!

応用とコツ

 もし、キスのサイズが小型中心でアタリがあるのに針掛かりしにくい時は、セットされた針をカットし、ハリス付きのキス針(8号前後)を結んで針のサイズを小さくすると良い(写真参照)。ハリスの長さは5~10cmで、短めにするとアピール&手返し重視で高活性向き、長めにすると食い込み重視で低活性向きになる。ブラー本体側の根元からハリスを切ってブラーに直接替え針を結んでも良いが、不意の大物が掛かると切れやすいし、ブラーのハリスを残すことで適度な張りを残せて絡みづらい利点もある。


 究極的には、針を取らずにそのままキス針を追加で結ぶ方法もある。その結ぶ位置によって、仕掛けの特性も変わる(写真参照)。前記した方法よりも仕掛け絡みのデメリットは多少出てくるが、当然針掛かりが良くなるだけでなく、ダブルヒットの可能性もアップするし、追加した針を切ればすぐにノーマル状態に戻せるのでなかなか実用的だ。


 コツは、午前4~6時の朝まづめを狙うこと。その時間帯はキスが波打ち際のカケ上がりなど近距離にキスが群れていることが多く、遠投しなくても良いのでかなり釣れやすい。陽が高くなるとキスは投げ専用タックルでないと狙えないほど沖に離れ、また針をも噛みきるフグも多くなってしまう。
 もし、日中にどうしてもキスを釣りたいというなら、砂浜に隣接した漁港がオススメ。中でも、他よりも水深がある、防波堤際、テトラ際、船道のカケ上がり、海草際などを狙うと居着きの良型キスがヒットする。ただ、やはりフグのアタックは防ぎきれず、キスも数は出にくいので多少の忍耐は必要だ。

 キスの魅力は、その奇麗な容姿に似合わないアタリと引きの強さ、そして食味の良さだろう。初夏ならではともいえるキス釣りをブラーで手軽に楽しんでみては?

良型が釣れたら天ぷらだけでなく刺身も試したい!

WRITER

釣り東北WEB編集部

株式会社釣り東北社

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「釣り東北WEB」の運営、取材、撮影、編集、映像制作をメインに行う。他、ワカサギの穴、トラウトステージといった東北で人気ジャンルの別冊を刊行。

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