
連載「わっぱが特捜隊 ANOTFER SIDE」は隊員Tが釣りのジャンルや、釣り方など一切気にせず自由気ままに釣りをご紹介する連載となっております!




目次
エピソード1◆雪代イワナ◆
秋田県の渓流はめでたく4月1日に解禁となりました。とはいえ本流は勿論、支流も支流の支流の沢なども雪代(雪解け水)の影響で増水&濁りでルアー釣りをするには厳しい状況。雨や気温などの気象状況により水量は大きく変わるのでタイミングをみながら釣行します。ターゲットは低水温でもルアーに果敢にアタックしてくるイワナ。今回はその低水温期でも楽しめるイワナ釣りにチャレンジ。

エピソード2◆沢探し◆
雪代イワナを狙う川はズバリ本流の支流、もしくは支流の支流の沢などのハイシーズン中は水量が少なく殆ど釣りにならないような源流ともいえる沢。雪代時期はかなりの水量があり落ち込みの深みなどにイワナは潜んでいます。4月1日解禁以降は本来であれば本流のサクラマスを狙うのですが、今年は想定外にホーム河川の水量が落ちずに殆んどできない状況下にあったので、沢のイワナにターゲットを変更し、朝だけ、夕方だけなどの2~3時間の短時間釣行で、今までやったことのない沢を片っ端から開拓しました。おかげ様で毎回尺上イワナの顔を見ることができ、多い時には2時間弱の釣行で10数本のイワナを釣ることができました。

川幅が狭く雪代で流れが速いこともあって、ルアーのトレース距離が短いので基本的には落ち込みの深み、渕、堰堤下などをヘビーミノーで狙います。水深が1m以深のポイントではディープミノーやスプーン、バイブレーションも使用します。


エピソード3◆モンスター降臨!◆
今年の雪代が長引いている要因としては定期的な雨があると思います。下流、中流域の雪は3月まで殆んど解けていましたが、3月、4月は気温が低い日が多くて雪解けが進まず、更には数日おきに降る大雨の影響で本流は全く釣りにならずに4月上旬~中旬は沢メインで釣行を重ねました。

そんな中4月下旬、沢の水量がみるみる減水し水色もクリアで釣りには厳しい状況。釣れなくはないのですが、明らかにポイントも少なくなり、イワナの活性も低くなってきました。ここまでの最大サイズは沢の堰堤下でキャッチした35cm。

使用しているルアーは基本的にはima trout「sukari 50SS」「sukari 50DEEP」「issen 45S MAX」をローテーションしています。ただ釣りがワンパターンになりやすくルアーのアクションやレンジ、波動などを変えて狙いたい場面ではエバーグリーン「ネルメッツオ50FS」、ギルズ「シーバッハ」、スプーンやバイブレーションを使用することも多々あります。



そして4月下旬のある日、朝だけ釣行をしようと車を走らせ、前回見つけたやったことのない沢へエントリー。水量はそこそこあり、渕や堰堤なども短い区間に多数あったので満を持して実釣開始。期待を込めルアーをキャストして狙うもノーチェイスのわっぱが。いかにもなポイントをラン&ガンしますが魚からの反応は無し…。一番有力と思われる小さな滝の落ち込みをやってもバイトどころかチェイスもなく撃沈。人がやった後なのか、魚が居ない区間なのかは分かりませんが、パーフェクトに反応がないのですぐさまポイント移動。

どこに入ろうか迷いに迷った結果、少しだけ水量が落ちてきた本流に決定。まだ流れが速く厳しい感じもしましたが水深のある流れの緩い渕へなんとなく入りました。実はこのポイントの100m程上流には大きな堰堤があり、昨年の夏頃その堰堤下で50cmオーバーと思われるイワナをバラした苦い思い出の地でもあります。車から降りてすぐのポイントで「sukari 50SS(メブキ)」を上流の落ち込みへキャスト。おそらく水深は2m以上はあると思うので5秒くらいカウントダウンしてから連続トゥィツチで誘います。キャストした距離の半分くらいトレースしたところで幸先よくバイトがありヒット!最初はあまり引かないので尺くらいのイワナかと思いファイトして寄せると…。なんと見えた魚体はかなりの大型。そこから鼓動は速くなり「何としても獲りたい!」とまずは自分を落ち着かせドラグを少しだけ緩めました。目測で確実に40cm超え、いや45cmはありそうと寄せては走られ寄せては走られを繰り返しました。幸いにも流れの緩いポイントだったのですぐに寄せることには成功しましたが、ランディングネットが小さ過ぎてなかなか入らない…。水量が多く岸にはズリ上げできず、しかしランディングネットには入れずらいので思い切ってハンドランディングしようかとも思いましたが、失敗したらバラシそうだったので、何とかネットに誘導し無事ランディングに成功! 明らかに想定外のイワナに足がガクガクブルブルでわっぱが。

サイズを測ると…なんと50cmチョイのモンスター! 昨年バラシたイワナかどうかは分かりませんが奇跡的にも同サイズの大イワナリベンジに成功ともなりました。一通り写真撮影を済ましてリリースをして完結。

今回は短時間釣行を重ねて、雪代イワナにターゲットを絞り幸運にも尺上イワナは多数、そして50cmオーバーの姿も見ることができました。これから雪代が終わると水温も上がりイワナは勿論、ヤマメの季節が到来するのでトラウトを求めて渓流釣りを楽しみたいと思います。