「POWER OCEAN CUP MASTERS CLASSIC 2024 東北」覇者・久保修一選手のこだわりリグセッティング

釣り人、写真:久保修一
まとめ:編集部

最後の最後にキャッチ! キッカーフィッシュとなった40cmクラスのアイナメ

去る12月1日(日)、P.O.C.2024トーナメントツアー東北の決勝である「パワーオーシャンカップ マスターズクラシック2024東北」が岩手県船越を舞台に開催された。出場選手は、前年度トーナメントツアーのアングラーオブザイヤー、前年度P.O.C.マスターズクラシック優勝者、今年度のトーナメントツアー各戦上位3名、そしてそのメンバーを除いた年間ランキング上位10名のみ。

それぞれ個性的なスタイルがぶつかり合う中、注目選手は今年の年間ランキング1位、アングラーオブザイヤーを獲得した釜石市在住の久保修一選手(ECOGEAR PROSTAFF、がまかつ ロックフイッシュフックモニター)。

久保選手は、本部の置かれた山の内漁港をメインフィールドに、序盤に1本キャッチしたものの、その後ポイント移動をするも追加することができず、最終的に再度本部近くのポイントへ戻った。気づけばウエインの終了13:00まであと30分。ここでアイナメのバイトを何度か捉え、良型アイナメが居るポイントを絞り込んだ。

まずはワーム:ノリーズ「2-1/2”パドチュー」 、シンカー:がまかつ「TG アバラシンカー」7ℊ、フック:がまかつ「セオライズ オフセット WG-L」♯6を使用したテキサスリグで35cmをキャッチ。TG アバラシンカーはリブのお陰で、感度も良くボトムや壁に程よく掛かる構造になっている。というと根掛かりしやすそうにも思えるが、根の奥などに不用意に転がらず意図的にとどめられるため、イメージ誤差が少なく即座のリフトもできる。

そして、ワーム:ノリーズ「2-1/2”パドチュー」、がまかつ「ホリゾンヘッド」2.6gのジグヘッドリグにローテーションすると、土壇場で40cmクラスを追加して3本をリミットメイク。2位と110g差の総重量1,960gで栄えあるマスターズクラシック東北の栄冠を手にした。

ということで、久保選手に当日の攻め方で気になったところを訊いてみた!

なお、大会の詳細はエコギアHPのDESIGN FOR FISHERMAN “第203回 POWER OCEAN CUP MASTERS CLASSIC 2024 東北 リザルト”でチェック!

Q.「パドチュー」を使用した理由は?


『当日は、まずノリーズ「レディーフィッシュ」を使ったテキサスリグでスタート。ボトムの突起に当てながらのⅠ字引きで使用しました。魚の反応を見ながら(ルアーの移動速度の調整)シンカーを7~14gをローテーションさせて使用。この釣りはバイトがあっても、そこでアワせてはダメで、本アタリがくるまで巻き続ける必要があります(タイラバのようにルアーを止めるとバイトがなくなる)。14ℊではスピードが速いのかバイトがあっても本アタリまでは出ず。10→7gでも同様にバイトがあるのですが、乗せることはできませんでした。ここで速さのローテーションでは対応できないと判断。ワームのタイプ的に多少パターンからズレることは承知の上で、フッキング率が高い組み合わせとして、ノリーズ「パドチュー」とがまかつ「セオライズ オフセット WG-L」♯6のテキサスリグにチェンジし、何とかバイトに持ち込んだ感じです。スポーニングシーズンの気難しい魚でなければ「レディーフィッシュ」のスピードで調整できたかもしれません。

当日は、イワシなどのベイトが回ってこなかったので、メインベイトが甲殻類だったと思われます。要素としてはベイトの関係もありそうですが、スポ―ニング時期なので、その辺ははっきり断言できない感じです』

「レディーフィッシュ」のテキサスリグで使用した、がまかつ「TG アバラシンカー」と「エリートツアラー ワーム 34R」。「エリートツアラー ワーム 34R」は、刺さりの良さは言うまでもないが、ナローゲイブが最近東北でも注目されつつあるベイトワーミングで使われる細身のスティック系のワームとの相性が良くフッキング性能も抜群なフック
「パドチュー」にはがまかつ「セオライズ オフセット WG-L」を使用。フックサイズは#6がパドチューの厚さに対して、ワームの幅よりフックが出ずジャストフィット。「皆から小さいと言われますが、通常よりあえて小さめサイズでワームの動きを重視しています。確かにフックが殆どワームに埋まり、一見フッキングが悪そうですが、チューブワームなので潰れてくれるのでフッキング率も高いです」とのこと

Q.テキサスリグからジグヘッドに替えた理由は?


『通常であれば、甲殻系のベイトを食べているのであれば「バグアンツ」などにチェンジするのでしょうが、テキサスリグからジグヘッドに替えた一番の理由は「操作性」です。普段から余計なパーツが付いていない、「ミノーS」や「パドチュー」「レディーフィッシュ」などをよく使うんですが、ボトム付近のⅠ字引きをする際に、テキサスリグではバイトに持ち込む抜きの間が作れない(ストレートで動いてきたルアーを軽くラインテンションを抜く作業(ロッドを少し戻すだけ)ためです。当日の魚は活性が低く気難しそうだったため、初めは「ミノーS」のⅠ字引きで試したんですが、良いバイトがあっても乗るまでではなく「ミノーS」のテールに歯形が付いていたので、フッキング重視で「パドチュー」に変更して、何とか食わせの間も使いながら作って食わせることができました。

最後のキッカーフィッシュですが、食わせの間を作っても1回バイトしているので、なかなか口を使ってくれず、リアクションの釣りに変更(本当はジグヘッドも少し重くするのが正解なんでしょうが当時は変えませんでした)。

基本はⅠ字引きなんですが、食わせの間を作る前に、いったん軽トゥイッチして、軽くテンションを抜くを繰り返しで何とか食ってくれました』

Q.何気にジグヘッドの水平バランスが大事?

『 「パドチュー」に使用したジグヘッドは、がまかつ「ホリゾンヘッド」1.8~3.5g(メインは2.6g)です。主にミドスト※で使用するジグヘッドは水平バランスを大事にし、「パドチュー」「ミノーS」にはフックサイズ♯2を使用しています。今クラシックでは、まだミドストが効くタイミングではなく、どちらかと言えばミドストの動きを魚が嫌っているようで、Ⅰ字引きで少しアクションを加える感じで食わせることができました。これからスポーンニングの魚が回復し、盛んにベイトを追うようになると、ボトムべったりの釣りでは食わせられず、これでしか食わないことも多いので多用しています。ベイト次第ですが…』

※ミッドストローリングの略。主にジグヘッドにスリム系ワームを装着したジグヘッドリグを用い、中層をロールアクションさせながらリトリーブし、漂わせるイメージで食わせる釣り方

がまかつ「ホリゾンヘッド」。圧倒的貫通性能を誇る「ナノスムースコート」に、防錆効果をプラスした、NANO ALPHA(ナノアルファ)採用。ソルト入りワームを使用しても錆びにくい
年間総合優勝のアングラーズオブザイヤーAOYも獲得し、東北完全制覇!

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釣り東北WEB編集部

株式会社釣り東北社

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「釣り東北WEB」の運営、取材、撮影、編集、映像制作をメインに行う。他、ワカサギの穴、トラウトステージといった東北で人気ジャンルの別冊を刊行。

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