週末釣り物予報 【アオリイカエギング】

サイズアップに期待!

8月中旬から日本海側の各沿岸で姿を見せていた小型のアオリイカ。9月に入り日を追って成長している雰囲気がある。先週末の段階ではキープサイズの割合は低かったが、今週末にはポイントによっては胴長15cmクラスが釣れ始めてもおかしくないだろう。
そこで今週は人気のアオリイカエギングにスポットを当ててみた。

サイトエギングなら今

アオリイカのエギングで比較的人気なのは、シーズン初期のシャローからのサイトエギングだ。小型ながらも、真っ黒になってエギ威嚇しながらを追う姿を見られるのがメッチャ楽しい。

そんなアオリイカも小魚などのベイトを捕食してサイズアップすると、深場に移動すると共に夜行性が強くなり、なかなか日中では釣れない状況に推移する。従ってサイトエギングを楽しめるのはあと2~3週間程度かもしれない。

サイトエギングではイカがエギに興味を示して接近するケースや、反対にプイッと素早く逃げてしまうパターンなど、ロッド操作によるエギのアクションと、それに対するアオリイカの反応を自分の目で見て確かめられ、とても勉強になる釣り方だ。
このサイトエギングを体験し、パターンを記憶しておけば、エギが見えない深場、ナイトエギング、船に乗ってのティップエギングでも、自分のエギが今どんな状態にあるのかをイメージできて、確実に釣果が上向きになっていることだろう。

このようにサイトエギングは、アオリイカの習性を知る上でも釣果を伸ばす意味でも、必ず通るべき道であると言っても過言ではない。

釣り場は大混雑…

サイトエギングの時期は人気が集中することもあって、どこに行っても人、人、人…。明るくなってから実績のある磯、港、防波堤のポイントに向かっても、入る場所がないということも決して珍しくない。そんな時にオススメなのはサーフだ。

サーフとは言っても、海水浴場のように障害物や変化のない砂浜は、アオリイカが身を隠す場所がなく居着きにくい。狙い目となるのは、少し沖にテトラが沈められて波を防いでいたり、岩盤やゴロタ石が交じっているような砂浜だ。

このような場所はエギングを行っている人が少なく、いわゆる「竿抜け」のポイントとなっており、アオリイカが居さえすれば高い確率でエギを追ってくる。そして激戦の人気ポイントでよく見られる「スレ」「見切られる」といった状況が殆ど発生しない。

サーフエギングのキモ

サーフではエギをいくら遠投しても、水深が数mしかないため、10カウントもすればエギが着底してしまう箇所が多いだろう。アオリイカがエギに抱き付く確率が高いのは、シャクってエギに様々な上下左右のアクションを加えた直後、エギが水中で水平に近い状態でステイした時から、一定のテンションを保った状態でボトムまでフォールさせている最中になる。


サーフは水深が浅いことから、他のポイントと比べるとアオリイカにエギを見せる時間が圧倒的に短い。従って、エギを発見させて少しでも興味を持たせて触腕を延ばしてもらうためには、沈下速度が遅く設定されているスローシンキングタイプやシャロータイプのエギが強い味方になる。

シッカリと締めよう!

今更かもしれないが、アオリイカは美味しく食すために、釣れたらすぐに締め具を使って締め、氷などで冷やしたクーラーに入れて保管しよう。せっかくの釣りたてのアオリイカ。その独特の甘味と旨味を堪能するためにも、手間を惜しまず活け締めした状態で持ち帰りたい。

墨跡に注意!

アオリイカの墨は濃厚でネットリとした粘りがある。静かに優しくランディングしても、かなりの確率で墨を吐かれてしまう。場合によっては自分の顔やウエアに掛かってしまうことも…(涙)。

こんな墨跡はその場所に残ってしまいやすく、漁港などでは問題になっている所もある。この墨対策としては、水汲みバケツやバッカン、プラスチックのトレイなどを持ち歩き、釣ったアオリイカを乗せて締めれば、墨跡を足下に残さずに締めることができるので、各自で工夫して頂きたい。

無理・無謀・無計画

8月下旬、青森県深浦町の漁港で、イカ狙いの釣り人がテトラの隙間に落下して命を落とす事故があった。夜間の釣行とのことだったが、足下の悪い場所には決して立たないようにして頂きたい。同時に滑り止め付きのスパイクシューズや、海に転落しても助かる確率が高いライフジャケットの着用は必須となる。
また、高波の時に磯に向かったりするのは無理・無謀・無計画としか言いようがない。アオリイカのエギングに限らず他の釣りでも、天気予報と波予報をシッカリと確認した上で、釣行計画を立てるようにしよう。

東北エリアでは西高東低の気圧配置が強まらない限り、10月末頃までアオリイカを狙うことができる。サイトでエギングの基礎を磨き、数こそ釣れ難くなるが型がグンと良くなる10月に備えておきたい。もしかすると少ないチャンスかもしれないが、休日と天気予報を照らし合わせて睨みながら、中身の濃いエギング釣行を立ててみよう!

WRITER

釣り東北WEB編集部

株式会社釣り東北社

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「釣り東北WEB」の運営、取材、撮影、編集、映像制作をメインに行う。他、ワカサギの穴、トラウトステージといった東北で人気ジャンルの別冊を刊行。

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