まとめ/編集部、協力/澤口 信
昨今、東北でも人気を集めるイカメタルゲーム。やはりゲーム性の高さからくる釣り応えは勿論、食べて美味しいことも人気を押し上げている理由でしょう。しかし、いざデビューしたものの他の同船者と釣果に差が付いてしまう…。船全体で爆釣している日はそう感じませんが、やや渋い状況などでは上級者が圧倒的に差を付けた釣果を出しているのも良く見ます。門を叩いたばかりの釣り人と上級者では一体何が違うのでしょうか? そこで本稿では東北のイカ釣りに情熱を燃やす、澤口 信さん(VARIVASフィールドスタッフ)にイカメタルで大切にしている5箇条を教えてもらいました。
■[その1]SNSフル活用の事前準備
今やSNS全盛の時代、船宿でも熱心に情報発信をしています。これを有効に使わない手はありません。そこで釣行前に乗船予定の船宿、またはそのエリアの各船宿が発信する情報をチェックし、そこでは大体の釣れ具合、そして釣れているスッテのカラーなどを確認します。
釣行前日の情報は特に気にしておきたいところ。チェックしたカラーを参考に当日のパイロットカラーにしています。勿論、日単位で状況がガラリと変わることもあるので、あくまでも参考程度に。しかし、事前情報を頭に入れておくかそうでないかでは心構えなども変わってきます。
■[その2]当日の釣況を占う1杯目を釣り上げた人をチェック
当日も情報がなにより大事です。自分が船中1stキャッチならいいのですが、そうでない場合、船中第1号を釣り上げた人のスッテカラーだったり、誘い方、レンジなどを参考に自分もそれに合わせて狙ってみるのも大事です。
頑なに自分のスタイルを通すのも良いですが、船全体で情報を共有して釣果を重ねていくとイカの活性自体も高まってきます。多くの人は釣れた状況などを教えてくれるはずなので、積極的に聞いたり、また自分が釣った場合は教えたりしてほしいです。
■[その3]イカもステイが超重要!
陽のある時間帯はボトム中心になりますが、灯りが灯った後にはケンサキ始めスルメイカはタナが上ずります。そこでまずはヒットが多いタナを探ります。この時はワンピッチで徐々に上へ上へとレンジを上げていきます。
そしてレンジが定まった時の基本の誘いは2~4回ワンピッチでシャクリ上げてステイ(←ここ重要)。そこから竿先を下げてスローフォールさせます。これが一連の誘いの基本形。特にステイでしっかりスッテをイカに見せてやることがポイント。
これらの基本動作から派生し、シャクリ回数、ピッチ、ステイ時間、フォールスピードを調整し、その日1番当アタリが出るアクションを探っていきます。そのヒントとして[その2]も重要です。
■[その4]昔からの鉄板カラーは今も衰えなし!
スルメ、ケンサキ狙いではオモリスッテにドロッパー2つ付けを基本としています。スルメ狙いに関してはメタルスッテは必ずグロー(夜光)カラーをセットします。やはりグローのアピール力は絶大!
そしてドロッパーはグロー以外のカラーをセット。特にプラ角サビキ時代からそのカラー効果を実感していた「赤」「緑」「白」いずれかが入るか、それらを組み合わせたカラーのドロッパーを必ず組み込むようにします。それほど自信を持てるカラーです。そして[その2]の情報も参考にしつつローテーションしながら当たりカラーを探っていきます。
■[その5]釣れない時こそ、こまめな回収を
釣れていない時こそ実践したいのがこまめな仕掛け回収です。ビギナーに良く見られるのが、一生懸命アタリを出そうとずっと投入しっぱなしの人です。仕掛けが絡んでいたら元も子もありませんし、なにより仕掛けを回収することで弱まってきたグローの蓄光も復活させることができます。
これぞイカメタルに求めていたライン!
ここまで実践している5箇条を紹介してきました。釣果UPに繋がることとして、ライン選択もまた重要なファクターとなります。
二枚潮、かっ飛んだ潮など潮の速さや動きは日毎に違い、そんな中を攻略しなければいけません。二枚潮、速潮の時はどうしてもラインがはらんだり斜めになってしまい、ラインを立てるにはメタルスッテのウエイトを上げざるを得ません。やはりラインを立てるということが重要で、アクション性や感度の部分で関わってきます。
そこで水切れなどを期待して「アバニ SLJ マックスパワーPE X8」などのジギング用8本組ラインなども使用してきました。それでも効果は実感していたところでしたが、さらにイカメタルに特化したラインが今年発売されました。「マックスパワーPE X9」シリーズの「アバニ イカメタル マックスパワーPE X9」です。
テスト段階からこのラインに触れていましたが、目に見えて凄さを実感。同じライン号数、同じウエイトのスッテを使用している同船者と同時に仕掛けを入れた時のライン角度が目に見えて違うのです。特に中層でのフケが非常に少ない。これもX9シリーズの特徴であるVertical Braid工法、すなわちPEの縦編み構造の恩恵です。直進性が上がり、さらに3%台という超低伸度で小型のイカのアタリを捉える高感度があります。
ラインカラーもお気に入りポイント。集魚灯下でも見やすい蛍光5色マーキング。ちょっとしたライン変化に気づくこともできます。高品質、高性能のため、やや値段は張ってしまいますが、使ってみればその良さを必ず実感できるはずです。
次回、7月の記事は、岩手県のイカメタル実釣記事を予定しています。お楽しみに!