チャンス4項目
2024年2月9日17:00、青森県六ヶ所村「むつ小川原港」のポイントに到着し、三脚を2個並べて4本竿態勢でスタート。むつ小川原港では毎年2月上旬から産卵を終えて荒食いを始めるマコガレイが良く釣れる。卵に栄養を供給していたため決して肉厚とは言い切れないが、40cmアップの良型サイズがアオイソメに反応を示してくれる。
また、ここでは狙うタイミングも重要で、過去10年以上の実績を検証してみると、次の4点が重なった時に釣果が出ている。①大潮周り ②干潮前後 ③朝夕のまづめ~夜間 ④追い風~無風
この日は大潮で夕まづめから開始し、21:00頃の干潮前後の時間帯を最大のチャンスと見込み、その後は翌朝4:30頃に迎える満潮まで粘ってみることとした。
段差仕掛けのメリット
アイナメの後にもリリースサイズのドンコがポツポツと掛かっているうちに20:00を迎え、いよいよ干潮の潮止まりのゴールデンタイムに突入。
全部の仕掛けを一斉に回収し、全ての針に新鮮なアオイソメをタップリと付けて再びキャスト。このポイントでは近投でも実績がないわけではないが、少なくとも100m以上の遠投をしたほうが良型に恵まれるという実績があり、力の限り広角に投げ分けてその時を待った。
1本の針に付けるアオイソメの数は2~3匹。使用しているのは段差針仕掛なので、合計4~6匹で1つの塊として魚にアピールすることとなりボリューム感はハンパない。
仮にエサ盗りに遭遇したとしても、全てのエサを食い切られることを防ぎ、最後に残った1匹でもカレイの目に留まってくれさえすれば、通常の仕掛けよりも呑み込んでくれる確率は高くなる。そして何よりも、1つのアオイソメの塊の中にフッキングに至る針先が2箇所あるわけで、期待は自ずと高い仕掛けとなっている。
いよいよ本命登場!
外気温は氷点下で外でアタリを待つのはあまりにも寒い。そこで、車を横付けにして三脚に並べた竿先ライトを凝視していると、微かに光がブレるような動きをキャッチした。すかさず竿を持ち糸フケを取ってから大きく竿を煽って「聞きアワセ」を入れてみた。
リールのハンドルを巻いていくと重さだけが伝わってくるが、オモリが海底から離れて浮き始めると、底に潜り込もうとする独特の振動が手に伝わってきて、掛かったのがカレイだと確信した。スッポ抜け防止の意味を込めて再度大きくアワセを入れる。特に良型マコガレイの場合、フッキングが甘いと最後の取り込みで水面から姿を現した瞬間に、カレイの自重が1点に集中して軟らかい口内が割けてしまい、針が外れるという悪夢のバラシが発生しやすい。
慎重に取り込んだのは30cm超のマコガレイだった。
やはり干潮に集中
当初の予想通り、干潮の潮止まり前後2時間がアツかった。本命のマコガレイは3枚に終わったが、アイナメ、ドンゴ、マハゼ、マアナゴなどが頻繁に掛かってくれ、寒さを忘れて手返しに集中できた。
これから上向き!
潮が上げ始める23:00を過ぎると、一気にアタリがなくなった。こうなると何投してもエサ盗りが活躍するだけの時が流れることが多い。一応、アオイソメをタップリと房掛けして待ってみたが、何も針掛かりせず、気が付くと日付も変わって満潮寸前の4:00を回っていた。
この日は粘っても追加が出ないだろうと判断し撤収することとした。
今年は高水温の状態が続き、北の冷水系の魚が釣れないのではないかという不安があった。この日もマアナゴ(リリースサイズ)が団子状になって数回絡まってくるなど、例年とは少し違った釣れ方であった。
サクラの開花予想を見ると、東北北部は4月上旬とされていて、1~2週間早く春が訪れるだろうと考えられる。いつもなら4月に入ってからが「花見ガレイ」シーズンとなって数釣りに期待を寄せていたが、もしかすると今年は3月の声を聞くと同時に本格シーズンを迎えているかもしれない。
また、青森県では春の投げのカレイ仕掛けに珍味の「トゲクリガニ」が掛かることも多くなる。こちらではトゲクリガニは花見には欠かせない酒の肴とされ食されているが、今回ご紹介した段差針仕掛けを駆使すれば、1投で2つの本命を狙える可能性がある。
この春は投げ釣りで美味しいターゲットに挑んでみてはいかがだろうか?
タックル&データ
竿:全長4m前後の投げ竿(振出、並継)
リール:投げ専用ドラグ付きスピニングリール
ミチ糸:ナイロン5号
チカラ糸:ナイロン5⇒12号
天ビン:固定式L字型オモリ27~33号
仕掛け:オリジナル段差仕掛け(2本×2)、集魚パーツ各種
針:各社カレイ針、投げ専用針(フトコロの形状が広いタイプがオススメ)
エサ:アオイソメ(場所によってはイワイソメも有効)
実釣:17:00~4:00 実釣11時間(休憩を挟みながら15~30分置きに聞きアワセるパターン)