タフコンマダイ攻略のもう一手【青森県・津軽海峡今別沖】

 本州最北の地・青森県。中央部に位置する陸奥湾は全国屈指のマダイの産卵場となっており、春はいわゆるプレ乗っ込み期として、湾口の平舘沖~津軽海峡西側のエリアはジギングやタイラバで数釣りが楽しめる好スポットとなっている。今年は海水温上昇の影響か、例年より約1ヶ月早い3月には既にシーズンインし、釣行した5月5日には終盤の様相となっていた。

今別沖。強烈な南西風で沖は白波が立っていた。その波間にイルカの姿も

○タフコンで価値あるデカマダイ!
 当日は南西の強風が吹き荒れ、津軽海峡界隈の殆どの船が中止となっていた。それでも午前10時頃から徐々に風が弱まる予報だったため、今別町の浜名漁港から松舘船長操る祐丸に乗り出港した。正直釣れる時間帯は日の出前後なので、時合いはとっくに終わっているが、竿を出せるだけでありがたかった。
 釣れているのは水深60m付近らしく、海峡サーモンのイケスを横目に見ながら沖へ出ていくと、港周辺は風裏で穏やかだったが、陸を越えた風が当たり出し、一面白波状態。見るからに厳しい状況だが、シーアンカーを入れて釣り開始。魚探を見ると時折ベタ底にマダイの反応が出る程度で、それどころかベイトフィッシュの反応も薄い。日の出前後であれば中層に浮くいかにも高活性なマダイの反応が無数に映るのだが…。

水深61m、マダイの反応は薄く、底のほうにわずかにあるだけ

 そんなプラス要素が少ない状態でセレクトしたメタルジグは、「beat × VARIVAS Baby ZIGRAY(ベビージグレイ)オリジナルカラー」65gのサーモンさぁやカラー。若干の反応がある底から10mの範囲でただ巻き、スロー目な1/2ピッチショートジャーク、ジャークからのただ巻きといったアクションを気分で使い分ける。ラインの角度的に底の取り直しは6回程度(PE1.2号の同船者は1~2回)が限界で一旦回収し、再投入する。すると開始して10分、ただ巻きの10回転目くらいにヌンとわずかな重みを感じたので、確かめるために巻きながらロッドを若干上げて聞いてみたところ確かな重みを感じそのままフッキング。途端にドラグがジーッ! これはマダイに違いない。船が流されていることもあり、最初の1分位は全く寄る気配がなかったが、2分を経過した頃からようやくリールを巻けるタイミングが多くなった。残り15m辺りまで上げてくると、ライン角度が横に寝てきた。そして船首左沖にボカン!とマダラみたいな大きな腹を上にして魚体が浮いた。
「デカい!」
 80cm近いデカマダイ。久しぶりに力のこもった、緊迫感のあるファイトだったので、上げてからしばし体が動かず。状況が厳しいだけに価値ある、嬉しい1枚となった。

ヒット! 青森マダイといえばトラウトロッド。使用ロッドはソウルズ「TF-E76HS」。曲がりの良さとバラシの少なさが際立つ
ヒットジグは「beat × VARIVAS Baby ZIGRAY(ベビージグレイ)オリジナルカラー」サーモンさぁや

○フォールで追い食い!
 これを皮切りに!と期待したが、魚探の反応は嘘をつかずマダイのアタリは殆どなし。夕方近くとなって若干風が落ちたことから高野崎の東沖へ移動することに。水深40mの比較的浅場に対し、45g程度がちょうど良さそうだったが、軽めの「beat × VARIVAS Baby ZIGRAY(ベビージグレイ)オリジナルカラー」30g、カラーは「グローゴールドケイムラ」をセレクト。潮が殆ど動いていない状況に、40m程キャストしてから底まで沈めてから、リールハンドルを30回転、ただ巻きで斜めに引く。3投程そのパターンを行った後、アタリがなかったので回収に入った時だった。水面まであと10m位の所で何かまとわりつくようにグンと押さえ込まれた。水面までもう引き代がないのですぐにオープンベールでフォールさせ、何かを予感しながら水面のラインに注目していると、すぐに2m程沈んだ所でラインの動きが止まった!
「よし、フォールで食った!」
 すぐにベールを戻してアワせてヒット! これも特有の鋭い突っ込みでマダイを確信。50cmクラスの良型をキャッチした。

すぐにフォールさせたのが良かった


 結局、船中ではこの2枚のみだった。エキスパートも同船していたが、波が高く、風も強く、潮流も複雑な状況において「アバニ SLJマックスパワーPE X8」0.6号という通常より細号のPEラインと、潮受けの良い「beat × VARIVAS Baby ZIGRAY(ベビージグレイ)オリジナルカラー」を使用していたことがカギだったと思う。これに関しては、令和5年5月25日発売の「月刊釣り東北&新潟6月号(No.402)」で詳解しているので参考にしてほしい。

○tackle data
タックル/ロッド:ソウルズ「TF-E76HS」、リール:シマノ「’18ストラディック3000HG」、ライン:バリバス「アバニ SLJマックスパワーPE X8」0.6号、リーダー:バリバス「ショックリーダーフロロカーボン」16Lb3m

バリバス「アバニ SLJマックスパワーPE X8」0.6号の使用が運命の分かれ目だった
実際の釣り方、ヒットシーンはこちらから
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