令和5年のシロギス前線は5月14日現在、秋田県北部まで北上していることが確認されていた。残すは青森県各地のサーフだが、なかなか情報が聞こえてこない状況。そこで津軽半島の名所「七里長浜」にあるサーフへ足を運び、シロギスからのリアクションに期待した。
まずは七里長浜の北部に当たり十三湖のすぐ南に位置する「車力」のサーフを訪れた。

当日は強めの東風が吹き付ける天候。いわゆる「ヤマセ」ではシロギスの活性が低い傾向があるが、「ファーストキス」に期待を込めてキャスト開始!
しかし、2時間かけて丁寧にサビくものの、魚からの生体反応は全くなし…。まだ時期が早いのか? ヤマセで条件が良くないのか? 様々な心の葛藤を抱え自問自答しながら粘っていると、波打ち際で「ブルッ!」という振動がロッドを介して手元に伝わってきた。想いを込めて慎重に回収すると、波間から姿を現したのは…

フグを針から外そうとすると、かなり魚体が冷たい。やはり津軽の海はまだ早いのか…? この日はフグのようなふくれっ面で撤収したことは言うまでもない(笑)
日付が変った翌朝、陽の出前の午前4時にはサーフに立っていた。そこは七里長浜の南部になる「出来島」のサーフで、昨年も釣果があった有力なポイントだ。

盛期には橋の上から真下を狙う釣り人も居る名物ポイントでもある。対岸までは300m以上の距離があるため、どれだけ遠投してもオモリが届くキャスターは居ないだろう(笑)。
橋の近くから釣り始めるが、前日と同様にアタリが全くない…。そこで足を使って南方向に歩いて場所移動を繰り返してみるが、それはまさに「キスは足で釣れ」の名言通りの基本的な動作だ。
すると3色半の距離で微かな振動をキャッチ! 前日のフグの姿が脳裏をよぎりながら慎重に取り込むと…

スタート地点から1km近く移動して仕留めた1匹。奇麗な魚体を見て愛おしく思えてしまう気持ちがご理解頂けるだろうか(笑)
同じ場所でもう1匹追加した頃になって、やっと背中に朝日が当たり始める。

それまでやや寒かったが陽射しの暖かさと有難さをあらためて実感した。これからが本番、まずはツ抜け(10匹超え)を目指そう!
同じ場所でたまたま2匹連続で釣れたが、その後は1匹掛かっても続くことはなかった。まだシロギスの群れが小さいようで、絶対数が少ないことが予想される。小刻みな場所移動を繰り返し、まっさらなポイントを探ってみるが、なかなか思うように数が伸びないだけでなく、釣れるシロギスのサイズが徐々に小さくなっていく…(苦笑)
結局3時間頑張ってみたが、15cmを超えてキープしたのは3匹のみだった。優しくリリースした4匹と合わせて7匹の釣果で納竿することとした。

最後に、この「出来島」の橋は前述の通り護岸が崩落したため立入禁止となっている。

今回の実釣中に、残念ながら1名のアングラーがゲートの横からすり抜けて、崩落している護岸のすぐ横でロッドを振っている姿が目に入った。恐れく本人にとっては慣れている場所なのだろうが、事故が危惧される状況だからこそ閉鎖していることの意味を考えたい。我々釣りを愛する者には、マナーを遵守するマインドと人として恥ずかしくない当たり前の行動が求められる。せっかく津軽のサーフでシロギスをゲットした嬉しさが半減した、ほろ苦いシーンを見てしまった…。
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