東北のアユ釣り解禁まであと少し。皆さんも解禁に向け最終の準備しているところではないでしょうか。ここ数年、解禁から最も注目されているのが本流・鹿角エリアや支流・阿仁川上流などの米代水系の大アユだと思います。今回はロッドを全開まで曲げきってフルパワーを引き出し、大アユを荒瀬から速攻で抜くことで、確実に取り込み率とペースをアップさせるコツを紹介します。
〇適度に軟らかい竿がベスト
アユ釣りの醍醐味は、なんといっても速い流れでバキューン!と掛かり、流れに乗って強烈に引くところでしょう。しかし、速い流れは竿を伸されると取り込みに一苦労。トラブルも多いかと思います。これを入れ掛かりにできれば最高でしょう!
大アユを釣ろうとすると、急瀬抜や荒瀬抜といった硬い竿を使用する方も多いのではないでしょうか。しかし、硬過ぎる竿を使うとオトリが弱る上に、取り込みでもうまく曲がらずに掛かりアユとケンカして、ゴツゴツゴツゴツと抜けないまま下流に下られてしまいます。竿を伸されないためには、胴調子で、アユの型に対して若干軟らかい竿を使います。しかも軟らかいことでオトリが滑らかに引けて、追われやすくもなります。
私はA調子(軟調胴調子)を使っており、絞りきることでフルパワーを引き出し、荒瀬の中からアユを飛びださせるような抜き方をします。「AH90」なら24cmまで、「XH90」なら27cmまでは抜けます。また、タメが効くためそれ以上の巨アユの寄せ捕りも楽です。
抜きでバウンドしないように手尻はチョンチョンから、マイナス20cmぐらいまでで調整します。
使用竿:ダイワ銀影競技スペシャル Aシリーズ
〇鬼アワセ→竿尻を腰につける→一気に立てる
取り込みで主導権を握るには、掛かったらアワセること。ベタ竿のまま、バットに乗せるように一気にアワセて絞り切ります。
【抜きの基本動作】
1.絞り切ったら竿尻を腰につけ、左手はタモを用意します。
2.竿尻を腰につけたまま一気に竿を立てます。掛かりアユは底を走ろうとしていたところを急に上に引かれ、底に向かって泳ぐ体勢を作る暇なく、水面から飛び出してきます。
3.水面から飛び出したアユのサイズと掛かりどころを見て、バウンドしないように竿を少し突き上げます。
4.タモに届くまで舞い上がったら、受ける手前で竿尻を下げ、テンションを抜きます。
5.できるだけ手元の水面に落ちるように調整します。これによって、タモにバチンと当たって切れたり、アユが弱るのを防ぎます。
これがうまくいけば立ち位置を変えずに、次々と入れ掛かりさせることができます。
〇応用編
右利きと左利き、右岸と左岸で、竿の持ち方や抜き方が異なります。
【右利き右岸立ちの場合】
1.アワセたら、竿尻を20センチほど余すようにして腰につけ、右手と腰だけで絞ったまま竿を立てます。
2.抜く時にタモ側に飛ばすため、通常は若干左に抜きますが、掛かりアユが大きくてすぐに水を切らないときは、流心に乗られて下られることになるため、立てた瞬間に抜けないときは右(岸側)に竿を倒して横に抜きます。
3.空中に舞い上がったら左に軌道をカーブさせて受けます。ただし、瀬に腰までたちこんで踏ん張っている場合、右にひねると体の向きを変えないといけなくなるため、同じ立ち位置を維持するためには別の抜き方をします。
4.竿尻を肘につけて右手一本で絞り切り、左手はタモを抜きます(タモを首にさしている場合は先にタモを抜くしかない)。
5.掛かりアユを流心の波の頂点から飛び出させるように突き上げて抜きます。バウンドしないように若干高めに抜く感じです。これで踏ん張ったまま下がらずに抜けます。
【右利き左岸立ちの場合】
1.アワセたら、右手を伸ばした位置でもって、竿尻を腰につけます。
2.左手はタモを抜きます。この際、人差し指と親指で握ります。
3.右手の位置は高いままで一気に立てます。
4.左手を右手の位置と交換し、左手の中指で竿を支え(またはあおり)、右手を竿尻に移動します。
5.掛かりアユが水を切ったら右手を突き上げて掛かりアユの高さを調整します。
6.手前に来たら右手を下げて勢いを和らげます。
米代水系のアユ釣りは、上流の鹿角比内地区、阿仁川上流部は9月10日頃まで、下流部はシルバーウィーク頃までが例年のシーズンです。やろうと思えば、二ツ井地区なら10月1週頃までいけます。大アユ入れ掛かりを楽しみましょう!
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